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水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

驚くユーモア短編集 (32)癖(くせ)

2023年12月24日 00時00分00秒 | #小説

 本人が気づかないうちに自然と体が動いている・・それが、癖(くせ)と呼ばれる身体の動きだ。貧乏ゆすりを知らず知らずのうちにやっていて、怒られた経験をお持ちの方もおられることだろう。自分が知らないうちに身体(からだ)が勝手に動くのには驚く。古文書(こもんじょ)によれば歴史上の人物である徳川家康公も、手の爪(つめ)をよく噛(か)まれたそうだ。かく言う私も、食事で物を食べているとき、口をピチャピチャと言わせて母親に注意されたものだ。注意されて以降、気をつけた所為(せい)か、いつの間にか、しないようになった記憶がある。
 とあるフツゥ~家庭である。母親に子供が怒られている。
「ったくっ! 誰に似たのかしらっ!」
 そこへ洗顔を済ませた旦那さんが現れた。
「…んっ!? どうしたんだ?」
「あなた、聞いてよ。豚(とん)ちゃんがね、またオネショしたのよ」
「…豚也が?」
「ええ…」
 旦那さんは自分が幼かった頃、よくオネショして親に怒られたことを思い出した。
「ははは…俺もよく怒られたもんだ」
「あなたもっ!? フフフ…親子ねっ!」
 母親は癖の遺伝に思わず笑みを漏らし、驚くことになった。
 遺伝する癖もあるようです。^^

                   完


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