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水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

驚くユーモア短編集 (21)土砂降り

2023年12月13日 00時00分00秒 | #小説

 戻(もど)り梅雨(づゆ)とか言うそうだが、ここ最近、そんな気候が続いている。やや涼しく曇(どん)より曇(くも)っていたかと思うと、急に蒸し暑くなりドドド~ッ! という感じで大粒の雨粒が滝のように降り出すのには驚く他はない。全国各地で被害が出ないことを祈るばかりだ。
 とあるフツゥ~家庭である。ご隠居が大ガラスのサッシ戸から縁側の庭外を見ながら呟(つぶや)いている。外は豪雨にも似た大雨である。
「古い家だが、まあ被害の心配だけはないから助かる。…それにしても、よく降る」
 そこへ、サラリーマンの息子さんが、現れなくてもいいのに現れた。
「戻り梅雨らしいですよ、お父さん」
「やかましいっ!! お前に言われんでも、それくらいのことは分かっておるっ!!」
 すると、またそこへ、小学生のお孫さんが現れた。
「じいちゃん、夕方には晴れるそうだよ…」
「おっ! 正也殿か、これはこれは貴重な情報を…」
 ご隠居の態度は、驚くことにお孫さんの登場で急変した。
 お孫さんが先に現れればよかった訳ですね。登場順で驚く変化となった手順前後のお話でした。^^

 ※ ご存じ、風景シリーズより、湧水家の方々の友情出演でした。^^

                   完


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