(インドでは神聖な動物と大切にされているアカゲザルを殺害したキエリテン(撮影:Chris Mills))
(執拗にサルを追い詰める(撮影:Chris Mills) )
(倒れたサルを2匹で噛み殺す(撮影:Chris Mills))
① ""カワイイ顔して…小さなテンがサルを殺害!その残忍な手口 北インド""
2018年05月19日 06時00分
ニホンザルと体の大きさが同じくらいのアカゲザルをご存知だろうか?中国やインド、東南アジアに生息する外来種で、国内では房総半島で野生化した群れが見つかるなどの問題があったが、ヒンドゥー教では神聖な動物として大事にされている。そのインドで、サルよりもずっと小さなテンが聖獣を襲う衝撃的な殺戮シーンが繰り広げられた。
この写真の撮影に成功したのは英国の野鳥愛好家クリス・ミルズ(Chris Mills)さん。昨年12月、バードウォッチンググループ「ノーフォーク・バード」の仲間と一緒に野生生物の撮影旅行に訪れたネパールとの国境に近い北インドのジム・コルベット国立公園をめぐっている最中、2匹のキエリテンがアカゲザルに襲いかかる場面に遭遇。
イタチの仲間のキエリテンは、頭が黒く、首から腹にかけてが黄色い毛で覆われた愛らしい姿をしており、一度つがいになると、一生を添い遂げるという習性を持っている。
ふだんは鳥の卵やカエル、昆虫やネズミなどの小型の生き物をエサにしているが、この日の獲物は自分たちより体が大きなアカゲザル。臆することなくサルの足元に走り寄って、仰向けに倒れたサルの上半身と下半身にそれぞれが噛み付いて、最終的には喉元にキバを立てて息の根を止めた。
この間、わずか30分。サルの苦悶の表情をカメラにおさめたクリスさんは、「胸が高まって、震えがおさまらなかった。かわいらしい姿のテンが、あんなにも残忍になれるなんて」と、今も興奮が忘れられないという。
専門家によると、テンは肉食だが、自分より体の大きな動物を狙うことは珍しいものの、何かのはずみで意外な攻撃性を発揮することがあり、2014年には中国・四川省で3歳の大人のパンダがキエリテンの群れに襲われて大ケガを負った事件も報告されている。