(児童虐待防止対策講演会)
① ""助け求めた警察もあてにならず 親がさらに暴力 虐待体験語る""
2019年3月21日 4時49分児童虐待
全国で児童虐待が相次ぐ中、被害を防ぐための対策を考える講演会が開かれ、幼いころから虐待を受けていた女性がみずからの体験を語りました。
東京都内で20日開かれた講演会には、親から虐待を受けたり、親を亡くしたりした経験を持つ学生らが参加しました。
兵庫県で生まれ育ち、今は都内の専門学校に通っている太田蘭さん(19)は、小学生から、高校2年生のときに児童養護施設に入所するまで、母親から暴力をふるわれるなどの虐待を受け続けたということです。
太田さんは「中学2年のときにみずから警察に行き、『家に帰れない。家に帰ったら死んでしまう』と訴えましたが、警察官には笑顔で『お母さんがそんなことするはずない。家族なんだから』などと言われた。その後、警察官は母を呼び、母は笑顔で迎えに来たが、家に帰ると私を殴り、『生んだことが間違いだった』と言った。最も悲しい日になった」と述べました。
そのうえで、そのとき、「大人はあてにならない。助けを求めてはいけない、私が悪い。暴力もばり雑言もしかたないと思った」と述べ、救いの手がさしのべられず追い詰められていった経験を語りました。
その後、学生たちが4つのグループに分かれ、国や自治体などに提言を行いました。
この中では「虐待を受けている子どもは、それでも親が好きなので、誰かに助けを求めるという発想になかなか至らない」ことや「子どもが自分で警察などに通報し、助けを求めるのはハードルが高く難しい」ことなど、経験した人にしかわからない実態を挙げ、教師や近所の人など「身近にいる大人にもっと手助けしてほしい」などと訴えていました。