◎◎ ドル・円反落、米中対立懸念でリスク回避の円高圧力-ポンド下げ渋り
小宮弘子
▼▼ 東京外国為替市場のドル・円相場は反落。米国が新たな対中制裁を準備しているとの報道を受けて、リスク回避に伴う円買いが強まっている。
▼▼△⇨ ポンドは英国と欧州連合(EU)の通商交渉を巡る不透明感から早朝に下落した後、下げ渋りに転じている。
|
市場関係者の見方
¤¤¤⇨ あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト
- 米国が対中制裁準備とのニュースがあり、日本株も落ちてきたので、そのあたりがリスクオフ的な円高進行につながっている
- 先週末は楽観的な見方で米金利も株も上がったが、まだ持続的な感じではないし、米財政も実際にはまだあまり進んでいないところがあり、行き過ぎた分の調整が今入っている
- ポンドは週末に交渉の進展がなく売られたが、今週末のEUサミットに向けて交渉は加速するだろう。コンセンサスは一部でも合意できるとの見方で、ハードブレグジットは避けられるという面でポンドは底堅いとみるが、EUを抜けた後の英経済には不安もあり、1.35ドルを大きく抜けていくのは難しいだろう
¤¤¤⇨ クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長
- 米長期金利も下げており、ドル・円は基本的に104円前半中心ながらやや重くなっている
- 日本株も上値が重く、米追加経済対策期待やブレグジット交渉の行方を巡る不透明感が綱引きの状態
- ブレグジット交渉は土壇場合意の可能性があるが、その場合ドル売り・円売りでドル・円への影響は基本的にニュートラル。ただ、合意できなかった場合はリスクオフでクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)の下落が大きくなる可能性に注意が必要
□■⇨ 背景