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【nhk news web】 1月8日 18時44分 、""イランの弾道ミサイル攻撃 専門家の分析は ""

2020-01-08 20:36:36 | 軍事分析; 兵器、軍隊、テロ(組織)、戦争・紛争、軍需産業、難民・犠牲者…



① ""イランの弾道ミサイル攻撃 専門家の分析は ""

2020年1月8日 18時44分   米イラン対立 

👧    イラン情勢に詳しい日本エネルギー経済研究所中東研究センターの坂梨祥副センター長は、8日、NHKのニュース番組に出演し、イラン側としては、司令官殺害に対する報復を実行したと強調しつつ、全面的な軍事衝突は避けたいという思惑があると分析しました。

  このなかで坂梨副センター長は、イランによる攻撃のねらいについて、「イランは、ソレイマニ司令官の追悼行事が一段落した時点で報復攻撃を行った。イランとしては、最も優秀な司令官を殺害されたことに対し、何らかの報復をしなければならないが、ただ、アメリカとの対立をこれ以上エスカレートさせたいわけではない。報復はけじめとして果たしていくが、そこで一段落つけてソレイマニ司令官の埋葬を行おうと考えたのではないか」と述べました。

✈ また、イラクにあるアサド空軍基地が標的となったことについては、「ソレイマニ司令官が殺害された際、アメリカ軍はこの基地を拠点に作戦を行ったという情報があることや、イラクにある基地は中東のほかの地域にあるアメリカ軍基地と比べて防備がぜい弱であることが標的となった理由ではないか。

 また、イラクでの過激派組織IS=イスラミックステートに対する掃討作戦では、アメリカとイランが同じ側に立って戦っていたにもかかわらず、アメリカがソレイマニ司令官を殺害したことに対する強い抗議の意味もあったのではないか」と分析しました。

 そのうえでイランの今後の動きとして、 「イランがやると言っていた報復を実行したことに対し、アメリカ側がどのような行動をとってくるのか、今後のアメリカの動きをまずは見ていくのだと思う」 と指摘しました。

状況をエスカレートさせないようけん制か

 👤    また、アメリカの安全保障政策に詳しい笹川平和財団の渡部恒雄上席研究員は、トランプ大統領がイランによる攻撃のあと「順調だ」などとツイートしていることについて「文面を見るかぎり、トランプ大統領お得意の怒りや挑発するような表現が入っていない。

 これは、事態をあまりエスカレートしたくないという気持ちを伝えたいのではないか、と読み取れる。イラク側の攻撃も思ったよりも大規模ではなかったということで、エスカレートさせたくないというイラン側の気持ちも感じ取ったのではないか」と述べ、現段階では状況をエスカレートさせないようお互いにけん制してあっているのではないかという見方を示しました。

 そして、今後のアメリカの出方について、「トランプ大統領の1番の問題点は、戦争は望んでいないが、イランに対する挑発は続けたいということ。これは、ブレーキとアクセルのような関係で、一緒にはできない。しかし、トランプ大統領はこれを一緒にやろうとしているので難しく、軍や安全保障の側近にとって大統領をどうやってコントロールするか、非常に悩んでいるはずだ」 と分析しました。

♠👤📕 そのうえで、トランプ大統領が日本時間の今夜に発表するとした声明について、「トランプ政権のなかで大統領と国防総省、軍がどの程度きちんとまとめたメッセージを出すかが重要だ。危機的な状況であり、トランプ大統領の1番の目的である大統領選挙での再選にも影響するので、ここは真剣に検討していると信じたい。

 内容によってはイラン側はアメリカを信用しなくなり、危機の連鎖が続くという大きなリスクにつながると思う」として、アメリカ側のメッセージに注目する必要があると述べました。


“警告どおりの報復を内外に示した”
 
👤   イラン情勢に詳しい慶應義塾大学の田中浩一郎教授は今回の攻撃について、「1度に十数発のミサイルを発射し、防御しづらい形でアメリカ軍の拠点を攻撃できる高い能力を示した」 と述べ、警告どおり報復したことを内外に示したと指摘しました。

 その一方で、「市街地から離れたアメリカ軍の拠点を攻撃の標的にしていて、あえて深刻な被害を出さなかった。イランは軍事面などでアメリカに勝ち目はなく全面戦争は避けたい。大がかりな攻撃によってこれ以上事態をエスカレートさせたくないのが本音だ」と述べました。

 そのうえで、田中教授は、今回の攻撃は人気の高い司令官を殺害したアメリカに報復の姿勢を示してイランの世論に応えつつ、アメリカに対し、事態をエスカレートさせるなというメッセージを送るねらいがあると分析しています。

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