今は亡き祖父がよく歌っていた民謡で、日本で一番難しいとも言われています。
前歌・本歌・後歌の三部によって構成され、何十にも亘るバージョンがあります。
歌詞は、本当に短いものですが、歌詞を伸ばして歌う、合いの手、間奏などに
などにより10分近くなる場合もあります。心を込めて歌い、それが聴衆の心を
揺さぶります。
次の歌詞は、祖父がよく歌っていたものです。
<前唄>
(アーソイ ソイソイ)
○国を離れて(アーソイ) 蝦夷地が島にヤンサノエ(アーソイ) 幾夜寝覚めの波枕(アーソイ)
朝な夕なに 聞こゆるものはネー(アーソイ) 友呼ぶ鴎と 波の音(アーソイ)
<本唄>
○鴎の(アーソイ)鳴く音に(アーソイ)ふと目を(アーソイ)覚まし
(アーソイ ソイソイ)
あれが(アーソイ)蝦夷地の(アーソイ)山かいな(アーソイ)
<後唄>
○月をかすめて 千鳥が鳴けばネー (アーソイ)
波もむせぶか 蝦夷の海(ソイーソイ)
祖父が歌うのは、法事などで親戚が集まった時などで、勿論、アカペラで伴奏など
つきません。
今まで食事をし酒を酌み交わしていた親戚も祖父が歌い出すと、何時しかシ~ンと
なり聞き惚れていたものです。
本土から荒波の中、何十日も苦労し、ようやく蝦夷地を見る事が出来たという心の
高振りが、この曲には込められています。
どんな分野が好きな人でも、一度は聞いて欲しい民謡です。