◎◎ きょうの国内市況(12月14日):株式、債券、為替市場
●TOPIXが小幅続伸、日銀短観で景況感改善を好感-製造業に買い
△△🎆 東京株式相場は上昇。日銀短観で大企業・製造業の景況感が2期連続改善したことを好感して、機械など製造業を中心に買われた。TOPIXは取引時間中で2年ぶりとなる1800ポイントを回復する場面があった。
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¤¤¤⇨ JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジストは、日本株の上昇について、米財政政策への期待や、リスクイベントと意識されていた英国と欧州連合(EU)の通商交渉が継続で合意するなど、「海外市場の良い流れを受け継いでいる」と説明した。中長期的に生産活動が回復基調であることから、景気敏感株を中心に日本株指数は上昇していくと予想した。
△△▼⇨ もっとも午後の株価指数は上げ幅を縮小した。前川氏は、政治を巡る不透明感が払拭されていないことや、米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けた緩和期待が完全に織り込まれていないことなどで短期的には見極め姿勢が続き、調整リスクがあるとも指摘した。
- 東証33業種は海運、機械、その他金融、輸送用機器、情報・通信が上昇
- 証券・商品先物、空運、精密機器、サービス、食料品は下落
●超長期債は下落、40年債の増発懸念で売り優勢-長期金利横ばい
債券市場では超長期債が下落。前週末の国債市場特別参加者(プライマリーディーラー、PD)会合で40年債の増発を求める声が多かったことから売りが優勢となった。一方、長期金利のゼロ%割れが意識されやすい水準では、積極的な買いは手控えられやすいとの指摘が聞かれた。
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SMBC日興証券の奥村任ストラテジスト
- PD会合で、40年債の増発を求める意見が多くみられ、来年度の国債発行計画が発表されるまでは思惑が生じやすい
- 超長期ゾーンは海外金利対比でも低下が進んでいたため、反動が出やすい時間帯
- 一方、5年ゾーンの需給引き締まり感は相場のサポート材料になったものの、10年債はゼロ%以下の金利水準が見込みにくいため上値が重い
●ドルは104円付近、リスク選好も小動きに終始-交渉延長でポンド急伸
⇨⇨ 東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=104円ちょうど付近で推移。米国の財政協議の進展期待や新型コロナワクチン接種開始などを背景にリスク選好のドル売りが重しとなる一方、米長期金利の上昇などが下支えとなり、小幅な値動きに終始した。ポンドは英国と欧州連合(EU)の通商交渉延長を受けて急伸。
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¤¤¤⇨ あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト
- 米財政協議が少し進展しそうだとの期待もあり、リスクオン的な動きになっているが、交渉継続でポンドが買われてドルが売られた後はそこまで安心感はないということでドルも買われたりと売り買いが交錯
- 日銀短観も予想よりは強めだったが、コロナ感染拡大が続いている状況で先行きも今の予想通りにいかない可能性があり、マーケットの反応は限定的
- ワクチン接種開始はポジティブだが、感染も拡大していてロックダウン(都市封鎖)したりと好悪材料が混在。ドル・円は104円中心に方向感のない動きが続きそう