◎◎ きょうの国内市況(12月16日):株式、債券、為替市場
Bloomberg News
●日本株は小反発、米経済対策妥結観測やワクチン期待-円高は重し
東京株式市場は小幅に反発。米議会で追加の経済対策がまとまるとの観測が強まったことや新たなワクチン承認への期待が投資家心理を上向かせた。米国市場で「iPhone(アイフォーン)」増産期待からアップル株が大幅高となり、アルプスアルパインやTDKなど日本の電子部品や半導体銘柄が買われた。一方で為替が1ドル=103円台と円高に推移していることが重しとなった。
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¤¤¤⇨ 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストは、来年の1-6月期にアップルがアイフォーンを3割増産するという報道はサプライヤー側からの情報であるため確度が高いという。5G対応携帯の買い換えが活発化するとの期待から、「アップルのサプライヤー関連には広く買いが入るだろう」とみている。
- 東証33業種ではパルプ・紙、非鉄金属、鉄鋼、鉱業、不動産、石油・石炭製品、海運などが上昇率上位
- ゴム製品、陸運、医薬品などは下落
●債券は下落、長期金利ゼロ%割れ目前で売り圧力-日銀オペ結果も重し
債券相場は下落。新発10年債利回りのマイナス圏では投資家需要が乏しいとの見方を背景に売り圧力が掛かった。日本銀行の国債買い入れオペ結果で中長期ゾーンの売り需要が確認されたとの指摘も聞かれた。
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¤¤¤⇨ SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジスト
- 中長期ゾーンは金利低下が進んでいたため、水準感で戻り売りが出やすい
- 日銀買いオペは利益確定の売り意欲を確認する結果
- 長期金利はマイナス圏に振れる可能性もあるが、プラス利回りへの需要が多いため低下は限定的
日銀オペ
- 対象は残存期間1年以下、1年超3年以下、3年超5年以下、5年超10年以下。買い入れ通知額はいずれのゾーンも前回から据え置き
- 応札倍率は1年以下を除いて、他のゾーンとも前回オペから上昇。中長期ゾーンの売り圧力の強まりが示された
●ドル・円小幅安、米財政協議やFOMC待ちの中で円買い強まる
★★ 東京外国為替市場のドル・円相場は小幅安。米追加経済対策や英・欧州連合(EU)通商交渉協議の進ちょく、きょうの米連邦公開市場委員会(FOMC)待ちの中で、円買いの動きが強まった。
ハイライト |
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¤¤¤⇨ オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクター
- ドル・円は、円の割安を感じた円買いの動きが強まった可能性はある
- 特に103円50銭の節目を抜けて、11月安値の103円18銭および103円割れを狙う動きも出たのではないか
- 年末控えたポジション調整の円買いフローが出ている可能性もあるだろう
- いずれにしても何か材料を捕まえてという動きではない。FOMCで追加緩和と現状維持が五分五分、米金利との相関も弱まってる中、何か確信を持った動きかというと、そこは疑問だ