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① ""哲学者 梅原猛さんのお別れの会""
2019年4月21日 17時59分
梅原猛さんは、京都大学文学部を卒業したあと京都市立芸術大学の教授や、国際日本文化研究センターの初代所長などを務め、日本の歴史や文化、思想を独特の視点で読み解く学問は「梅原日本学」と呼ばれて文化勲章も受章しましたが、ことし1月、93歳で亡くなりました。
21日は、京都市内のホテルでお別れの会が開かれ、梅原さんの遺影が飾られた祭壇を前に、親交のあった人などおよそ500人が黙とうをささげました。
続いて、国際日本文化研究センターの小松和彦所長があいさつし、「梅原さんの人柄や仕事ぶりは、智の巨人や学会の異端児、京都の妖怪などと呼ばれ、私もこうした人柄に魅了された1人です」と別れを惜しみました。
また、哲学者で京都市立芸術大学の鷲田清一元学長は「梅原先生は群を抜いて誰も追いつけない『破格』の人であった一方で、悲嘆に暮れる人に赤子のような安らかさをもたらしてくれる人でした。どうか安らかにお眠りください」とその人柄をしのびました。
会場では、梅原さんと親交のあったアイヌの舞踊団が鎮魂曲をささげ、参列したひとたちは花を手向けて静かに手を合わせていました。
京都市長「京都で千年の真理を学んだ」
梅原さんの誕生日をお祝いするなど親交があったという京都市の門川大作市長は「90歳の誕生日にお会いした際、梅原先生が18歳で進学先を東京にするか京都にするか悩み、『東京は百年の真理が学べるが、京都では千年の真理が学べると考えて京都を選んだ。京都で学んでよかった』と、しみじみとお話しになったのが印象に残っています。梅原さんの偉大さと存在の大きさを改めて実感しています」と話していました。
豊田章一郎氏「講演で手を振り上げるおもしろい人」
梅原さんの父親がトヨタ自動車の役員を務めていたことから親交が深かったというトヨタ自動車の豊田章一郎名誉会長は「梅原さんには時々、講演に来てもらいましたが、ちょっと変わった人で才能があり、興奮すると手を振り上げるようなおもしろい人でした。自宅にも行ったことがありますので冥福をお祈りしたいです」と話していました。
🌹 今日ほど考える事や哲学が必要とされる時代なのに、また、お一人、日本人の
知性と感性を極限まで体現されていた方が、ご逝去されました。
慎んでご冥福をお祈り申しあげます。