◎◎ インドで医療従事者への暴力増加、新型コロナ問題で広がるパニック
Ari Altstedter、Bhuma Shrivastava、Dhwani Pandya
2020年4月14日 10:52 JST
医療従事者への反発は多様な階級、宗教、言語グループで見られる
医療システムに対する市民の信頼は新型コロナ感染拡大前から低い
■■ インドでは最近、新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込めようとしている医療関係者が暴力や嫌がらせを受けたとの報告が相次いでいる。その背景には、医療関係者からウイルスが感染するという思い込みや、自身が感染者として扱われることへの市民の強い恐怖感がある。
◆◆ 南部ベンガルール(バンガロール)では、住民の健康状態をチェックするため戸別訪問していた医療従事者が襲われた。中部ボパールでは救急の勤務から帰宅途中の医師らが警察に呼び止められ、ウイルスをまき散らしているとして警棒で殴打された。首都ニューデリーでも、医師1人が果物店で買い物客に襲われる事件が起きた。
⇨ 医療関係者はオーストラリアやフィリピンでも攻撃の対象になっているが、インドでの状況は特にひどい。こうした医療従事者への強い反発は、インドの多様な社会階級、宗教、言語グループ、地域で幅広く見られるため、理由を一つに絞るのが難しい。
★★ しかし、いくつかの要因はある。医療システムに対する信頼が新型コロナ感染拡大前から低いことや、偽情報がソーシャルメディア上にあふれていることなどだ。またインド全土のロックダウンが通知からわずか4時間後に実施されたことも、市民のヒステリー状態を助長した。
原題:
Doctors Come Under Attack in India as Coronavirus Stigma Grows(抜粋)
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