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◆◆🚀 北朝鮮は10日、軍事パレードを行い、ICBM=大陸間弾道ミサイル級とみられる新型のミサイルを登場させました。一方、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長は演説で、「自衛的な戦争抑止力を引き続き強化していく」と述べましたが、アメリカを名指しすることは避け、大統領選挙後のアメリカの出方を見極めていくものとみられます。アメリカ政府高官は10日、NHKの取材に対し、「北朝鮮が禁止されている核やミサイルの開発を優先しつづけていることに失望している」とするコメントを出しました。
ICBMとみられる新型のミサイル登場
北朝鮮は、朝鮮労働党の創立75年にあわせて、10日午前0時からピョンヤン中心部のキム・イルソン(金日成)広場で軍事パレードを行いました。
この中では、「北極星4」と記された新型とみられるSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルのほか、ICBM=大陸間弾道ミサイル級とみられる新型のミサイルを登場させました。
最後に登場したこの新型のミサイルは、北朝鮮がアメリカ本土全域を攻撃できると主張するICBM級の「火星15型」より大きく、片側11輪の車両に載せられていました。
北朝鮮が軍事パレードを行ったのは、おととし9月以来で、アメリカ軍などが詳しい分析を進めています。
この中では、「北極星4」と記された新型とみられるSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルのほか、ICBM=大陸間弾道ミサイル級とみられる新型のミサイルを登場させました。
最後に登場したこの新型のミサイルは、北朝鮮がアメリカ本土全域を攻撃できると主張するICBM級の「火星15型」より大きく、片側11輪の車両に載せられていました。
北朝鮮が軍事パレードを行ったのは、おととし9月以来で、アメリカ軍などが詳しい分析を進めています。
キム委員長演説 アメリカ名指しのけん制は避ける
一方、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長は演説で、「敵対勢力による核の脅威を抑えるため、自衛的な戦争抑止力を引き続き強化していく」と述べましたが、アメリカを名指ししてけん制することは避けました。
北朝鮮としては、来月行われる大統領選挙後のアメリカの出方を見極めていくものとみられます。
また、キム委員長は、新型コロナウイルスへの対応や水害で、経済が大きな打撃を受けていることについて、「わたしの努力と誠意が足りず、人民が生活の苦しさから抜け出せずにいる」と述べ、時折、目元を拭うしぐさをみせました。
そのうえで「人民からの信頼は、命をささげてでも守っていく」と述べ、国民生活を重視する姿勢を強調
北朝鮮としては、来月行われる大統領選挙後のアメリカの出方を見極めていくものとみられます。
また、キム委員長は、新型コロナウイルスへの対応や水害で、経済が大きな打撃を受けていることについて、「わたしの努力と誠意が足りず、人民が生活の苦しさから抜け出せずにいる」と述べ、時折、目元を拭うしぐさをみせました。
そのうえで「人民からの信頼は、命をささげてでも守っていく」と述べ、国民生活を重視する姿勢を強調
しました。
米政府高官「失望している」
アメリカ政府高官は10日、NHKの取材に対し、「北朝鮮が禁止されている核やミサイルの開発を優先しつづけていることに失望している」とするコメントを出しました。
そのうえでこの高官は「北朝鮮が完全な非核化を実現するため持続的で中身のある交渉に応じるよう求める」として、非核化の交渉に応じるよう、改めて求めました。
そのうえでこの高官は「北朝鮮が完全な非核化を実現するため持続的で中身のある交渉に応じるよう求める」として、非核化の交渉に応じるよう、改めて求めました。
軍事アナリスト「世界最大級の移動式ICBMか」
軍事アナリストで東京大学先端科学技術研究センターの小泉悠特任助教は、「かつてアメリカやソ連が作った超大型ICBMとサイズ的にはほぼ同じくらいとみられ、世界でも最大級の移動式ICBMといって間違いないと思う。これまでできなかった複数の弾頭を搭載できるタイプではないか」と分析しました。
そのうえで「複数の核弾頭を積んだ新型のミサイルが発射された場合、迎撃するのは難しいため、北朝鮮はアメリカに対して一定の核抑止力を持てると見込んでいるのではないか」と指摘しました。
一方で、兵器としては何度も発射実験を行う必要があるとしたうえで、実際に発射実験を行うかどうかが今後の焦点だと指摘しました。
このほか、北朝鮮が公開した「北極星4」と記された新型とみられるSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルについては、「従来のSLBMより短くなっていて、かなりの射程をもちながら潜水艦に収まるサイズになっている。北朝鮮は、ミサイルをたくさん搭載できる本格的な潜水艦を作ろうとしている可能性がある」と分析しています。
また、戦車やロケット砲などの兵器も近代化していると指摘し、「北朝鮮はアメリカとの対話のため2018年以降、ICBMなどの発射は控えてきたが、その間に、韓国を打撃する兵器に関しても注力してきたことがわかる」としています。
そのうえで「複数の核弾頭を積んだ新型のミサイルが発射された場合、迎撃するのは難しいため、北朝鮮はアメリカに対して一定の核抑止力を持てると見込んでいるのではないか」と指摘しました。
一方で、兵器としては何度も発射実験を行う必要があるとしたうえで、実際に発射実験を行うかどうかが今後の焦点だと指摘しました。
このほか、北朝鮮が公開した「北極星4」と記された新型とみられるSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルについては、「従来のSLBMより短くなっていて、かなりの射程をもちながら潜水艦に収まるサイズになっている。北朝鮮は、ミサイルをたくさん搭載できる本格的な潜水艦を作ろうとしている可能性がある」と分析しています。
また、戦車やロケット砲などの兵器も近代化していると指摘し、「北朝鮮はアメリカとの対話のため2018年以降、ICBMなどの発射は控えてきたが、その間に、韓国を打撃する兵器に関しても注力してきたことがわかる」としています。
専門家 米への過度な刺激を避けたという見方
北朝鮮の政治に詳しい慶應義塾大学の礒崎敦仁准教授は、「北朝鮮は年初から新型の兵器を見せると予告しそれが今回実行に移された。来月のアメリカ大統領選挙でトランプ大統領の再選を見据え様子見をしているなかで発射実験まではしておらず、キム・ジョンウン委員長の演説もアメリカに対して抑制的だった」と述べ、新型のICBM開発を誇示しつつアメリカへの過度な刺激を避けたという見方を示しました。
一方で、キム委員長の演説について「目元を拭うしぐさや『心が痛い』などと述べ、国民の感情に訴えるものだった。新型コロナウイルスへの対応と災害、そして制裁の三重苦によって、非常に厳しい状況に陥っている北朝鮮が、指導者、党、そして国民の一体化を図ろうとして、それが大きく演出された」と述べ、北朝鮮の厳しい国内事情を反映した内容だったと指摘しました。
一方で、キム委員長の演説について「目元を拭うしぐさや『心が痛い』などと述べ、国民の感情に訴えるものだった。新型コロナウイルスへの対応と災害、そして制裁の三重苦によって、非常に厳しい状況に陥っている北朝鮮が、指導者、党、そして国民の一体化を図ろうとして、それが大きく演出された」と述べ、北朝鮮の厳しい国内事情を反映した内容だったと指摘しました。
韓国 各メディア 大きく伝える
北朝鮮の軍事パレードについて、韓国の各メディアは、分析記事などで大きく伝えています。
特に、ICBM=大陸間弾道ミサイル級とみられる新型のミサイルが登場したことに関心が集まっていて、「朝鮮日報」は、「ミサイルがより長く、直径も大きくなっていて、射程距離が拡張されたものと推定される。複数の弾頭を搭載できる可能性もあると分析される」と伝えています。
さらに、「東亜日報」は、軍事パレードを生中継で伝えなかったことについて、「新型のミサイルなどを登場させ、アメリカに明確な警告を送りながらも、大統領選挙まで1か月をきったアメリカのトランプ大統領を刺激しないよう調整した」と分析しています。
また、キム委員長が、「愛する南の同胞たちに温かい気持ちを送り、1日も早くこの保健危機が克服され、北と南が再び手を取り合う日が来ることを願う」と述べたことについても大きく取り上げています。
「ハンギョレ新聞」は、「新型コロナウイルスが落ち着けば、南北関係の改善が期待できるとの趣旨の発言だ」と指摘しています。
一方、通信社の連合ニュースは、兵士や市民らがマスクをつけていなかったことについて、「ウイルス対策への自信を示したものとみられる」と伝えています。
特に、ICBM=大陸間弾道ミサイル級とみられる新型のミサイルが登場したことに関心が集まっていて、「朝鮮日報」は、「ミサイルがより長く、直径も大きくなっていて、射程距離が拡張されたものと推定される。複数の弾頭を搭載できる可能性もあると分析される」と伝えています。
さらに、「東亜日報」は、軍事パレードを生中継で伝えなかったことについて、「新型のミサイルなどを登場させ、アメリカに明確な警告を送りながらも、大統領選挙まで1か月をきったアメリカのトランプ大統領を刺激しないよう調整した」と分析しています。
また、キム委員長が、「愛する南の同胞たちに温かい気持ちを送り、1日も早くこの保健危機が克服され、北と南が再び手を取り合う日が来ることを願う」と述べたことについても大きく取り上げています。
「ハンギョレ新聞」は、「新型コロナウイルスが落ち着けば、南北関係の改善が期待できるとの趣旨の発言だ」と指摘しています。
一方、通信社の連合ニュースは、兵士や市民らがマスクをつけていなかったことについて、「ウイルス対策への自信を示したものとみられる」と伝えています。