◎◎ 【米国市況】株が反落、融資プログラム巡る財務省とFRBの対立で
▼▼ 20日の米株式相場は反落。緊急融資プログラムを巡る財務省と連邦準備制度理事会(FRB)の対立を背景に売りが優勢になった。ただ、ムニューシン財務長官は経済を支えるための貸し出し能力は十分あると述べた。S&P500種株価指数は週間でも下げた。
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◆◆ ムニューシン長官は景気対策を巡り議会民主党との交渉再開を目指していることを明らかにしたが、見解の相違は依然としてあり、それが株価を圧迫した。新型コロナウイルスワクチンの緊急使用許可を申請したファイザーは高い。
▼▼ 一方、抗ウイルス薬レムデシビルを新型コロナ感染症(COVID19)の入院患者の治療に使用しないよう勧告されたギリアド・サイエンシズは下落。
●● S&P500種は前日比0.7%下落し3557.54で終了。ダウ工業株30種平均は219.75ドル(0.8%)安の29263.48ドルで終えた。ナスダック総合指数は0.4%下落。ニューヨーク時間午後4時34分現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.83%。
¤¤¤⇨ QMAのマネジングディレクター、ジョン・プラビーン氏は「FRBと財務省の表だった対立は市場にとって良い兆候ではない」と指摘。「市場の信頼感に影を落としているようなものだ」と述べた。
◆◆ ムニューシン長官は未使用の資金返還をFRBに要請。そうすれば議会が資金を再配分できるようになると主張した。これに対してFRBは声明で、緊急ファシリティーが「最後の守りとして重要な役割を果たし続けることを望む」と反論したが、パウエルFRB議長は20日夕、財務省に返還する意向を示した。
△△ 外国為替市場ではドルが主要10通貨の大半に対し上昇。ただ、ニュージーランド・ドルや豪ドル、ポンドに対しては下げた。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は、一時2年半ぶり低水準近くにあったが下げ渋った。
⇨⇨ ドル指数はほぼ変わらず。
☆☆ ドルは対円で0.1%高い1ドル=103円81銭。
☆☆ 対ユーロでは0.1%高の1ユーロ=1.1861ドル。
△△ ニューヨーク原油先物相場は反発し、ほぼ3カ月ぶりの高値となった。新型コロナワクチンでの進展が、より持続的な原油需要の回復につながるとの楽観が広がった。
☆☆ ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物12月限は41セント(1%)高の1バレル=42.15ドルで終了。週間では5%上げて、3週連続の上昇。ロンドンICEの北海ブレント1月限は前日比76セント高の44.96ドル。週間では5.1%値上がりした。
△△ ニューヨーク金先物相場は反発。米財務省およびFRBには経済を支えるための貸し出し能力が十分にあるとするムニューシン長官の発言に反応した。
☆☆ ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.6%高の1オンス=1872.40ドルで終了した。
原題:U.S. Stocks Decline Amid Fed Dispute With Treasury: Markets Wrap(抜粋)
Dollar Stabilizes; Resource-Linked Currencies Rally: Inside G-10
Oil Rises for Third Straight Week on Covid-19 Vaccine Optimism
Gold Jumps as Mnuchin Says Treasury, Fed Have Plenty of Capacity
*POWELL: FED WILL RETURN UNUSED MONEY TO TREASURY AS ASKED