◎◎ きょうの国内市況(10月16日):株式、債券、為替市場
Bloomberg News
●日本株は続落、新型コロナ欧州制限強化で景気先行き不安-幅広く安い
▼▼ 東京株式相場は続落。新型コロナウイルスの感染が再拡大する欧州で行動制限を強化する動きが出て、景気の先行きに対する不安が広がった。電機、陸運などを中心に幅広い業種が売られた。
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¤¤¤⇨ 水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネジャーは「大統領選もすんなり決着がつくのは怪しくなっており先行きは不透明感が強い」と指摘。「週末を控え月曜日までの3日間で欧州のコロナ感染が広がる懸念もあり、積極的に売買しにくい」と話した。T&Dアセットマネジメントの浪岡宏ストラテジストも「欧州に加えて米国の状況も報道されており第3波リスクを見る必要がある」と語った。
- 東証33業種では陸運、不動産、鉱業、医薬品、精密機器、卸売業、電機などが下落
- 証券・商品先物、鉄鋼は上昇
●超長期債中心に上昇、国債増発懸念後退で買い優勢-中期債は売られる
債券相場は超長期債を中心に上昇。第3次補正予算編成に伴う国債増発は懸念されたほど大きくないとの見方から買いが優勢となった。一方、3カ月物短期国債入札が弱かったことから中期債は売られた。
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¤¤¤⇨ 三井住友DSアセットマネジメントの深代潤上席参与
- 市場では財政拡大への懸念が少し和らいでいる感じ。30年債増発なしとの思惑も超長期債堅調の背景か
- 少なくとも景気は底を打っており、これ以上の金融緩和、特にマイナス金利拡大に否定的な声も強い中、10年債がゼロ%に近づくとどんどん買い進む感じはない
- 20日入札が行われる20年債はこのところ他の年限に比べ割高な印象があるので、このまま調整なければ上値が重くなる可能性も
●ドル・円は下落、新型コロナ再拡大や英EU通商交渉警戒-105円前半
▼▼ 東京外国為替市場のドル・円相場は下落。欧州を中心とした新型コロナウイルスの感染再拡大や英国と欧州連合(EU)の通商交渉に対する不透明感が背景となり、英ポンドとともに上値の重い展開だった。
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¤¤¤⇨ バークレイズ証券の門田真一郎チーフ為替ストラテジスト
- ドル・円の軟調さには明確な理由があるわけではないが、欧州などでの新型コロナの感染再拡大やブレグジット(英国のEU離脱)の行方に対する警戒感、米追加財政刺激策を巡る協議に対する期待の剥落などが上値の重さにつながっているようだ
- ポンドはEU首脳会議に関連した要人発言に振り回されている。ただ、完全な破局は考えにくく、ミニディールでの合意を想定している。少なくとも交渉継続の方向性は確認できるのではないか