青山美智子さんの本2冊。
どちらも、登場人物が入れ替わり、小さな物語の短編集のようでありながら、まとまりのある1冊。
「お探し物・・・」は図書館での出会いが、それぞれの人生の扉を開く。「何かお探しですか?」の一言から始まる絶妙なレファレンス。
「木曜日・・・」は、川沿いのカフェを舞台に行きかう人々。しりとりゲームのように、人と出来事がつながって大きな鎖の輪のように。
そういえば、最近も「つながっているなあ」と思うことが、実生活でもおこった。
そのひとつ。10年以上前に出会い、その後長く中断の時があって、再びの出会いのあと、今はご近所さんになって。よく話を聞いてみたら、30年以上前に「知り合う前から深いご縁があった」ことがわかってびっくり。
もうひとつ。30年以上前に、私を頼ってくださった方が、お友達のことで心痛めて相談の電話。これも、お話を聞いているうちに、そのお友達が誰なのか、聞かなくてもわかる方だった。その二人が偶然知り合ったことを嬉しく思った。
私には「お探し物・・・」の図書館の優秀な司書さんのようなレファレンスができる自信はない。「木曜日・・・」のマスターのように、おいしいココアで、冷えて固くなった心と体を癒すこともできそうにない。
それでも、出会えた人と過ごす時間を大切にしたい。
せっかく出会うことができたのだから。
お探し物は図書館で(ポプラ文庫)
木曜日にはココアを(宝島文庫)