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フィリピンのドゥテルテ大統領は、フィリピン軍人たちに対し、南シナ海の領有権を争う中国について、「(中国が)侵略しようとするなら、血を見ることになる。われわれは簡単には屈しない」と演説しました。
これまでドゥテルテ大統領は、中国を刺激しないように、特使を派遣するなど融和的な姿勢を取っていました。ですが、24日にルソン地方の国軍基地で行った演説では、次のように、中国との対立も辞さない構えを示しました。
「今は、(ハーグの仲裁裁判所の)判決についてわめき散らすことはしない。だがいずれ、何らかの落とし前をつけなければならない時が来るだろう。中国は本当の望みを明らかにするべきだ。望むと望まないにかかわらず、中国はフィリピンのみならず、東南アジアの全ての国によって、仲裁判決の順守を要求されることになるからだ」(24日付AFPBB News 電子版)。
⇒中国は、相手国が弱気に出れば、領有権を主張する範囲を広める国です。権利をきちんと主張し、軍事力の行使も辞さないという強気の姿勢を示さなければ、領土を奪われてしまうでしょう。その点で、確かに暴言ではありますが、ドゥテルテ大統領の発言くらいでちょうどいいのかもしれません。
一方、ドゥテルテ大統領は23日、来月6日から始まる東南アジア諸国連合(ASEAN)会議では、南シナ海問題を取り上げないと述べています。ドゥテルテ大統領の本心がどこにあるのか、現時点でははっきりとは分かりません。今後の外交手腕に注目です。
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