今週から始まる「プレミアムフライデー」の何が問題か?
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《本記事のポイント》
・プレミアムフライデーの効果を疑問視する声は多数
・バブル期でも働き方改革が行われたが、効果はあったか!?
・政府が最優先にすべきは減税
いよいよ今週24日から、月末の金曜日の仕事を早く終える「プレミアムフライデー」が始まる。政府が消費活性化と働き方改革を同時に進めるために打ち出した政策だが、実際にうまくいくどうかは疑問だ。
第一生命経済研究所によれば、プレミアムフライデーの経済効果は、大企業で導入された場合、1日当たりの経済効果は135億円。中小企業を含めて完全実施されれば、最大1,236億円が見込まれるという。
一見すると、低予算で経済効果を上げる"良策"に見えるが、効果を疑問視したり、デメリットを指摘したりする人がいる。
◎需要の先食いが起きる意見も
プレミアムフライデーに関して、三菱総合研究所の武田洋子主席研究員は、「金曜夕方をモノを買う機会ととらえるだけなら、買う日が土日から移るだけになる」と指摘している。つまり、需要の先食いが起きるだけという分析だ。
また、複数の民間企業が「プレミアムフライデーが実施された場合、何をするか?」というアンケートを行っている。それによると、「自宅でのんびり過ごす人」が多数存在し、効果は「限定的」になると予想されている(下グラフ)。
※グラフはリバティWebにてご覧ください。
また、Shufoo!は、プレミアムフライデーを期待しない理由も調査している。それによると、「早く終業する分、他の日にしわ寄せが来る」(29.2%)、「余暇時間を過ごすお金がない」(24.5%)などの回答があったという。
景気があまりよくない中、政府が逆に、労働者側に負担を押し付けていると見ているわけだ。
◎花の金曜日の再来?
プレミアムフライデーについて、大川隆法・幸福の科学総裁は、今年1月にパシフィコ横浜国立大ホールで行った大講演会「未来への扉」の中で、こう述べている。
「それは1990年、日本が国際競争力世界一だったときに、多くの人々がこれからはリゾートの時代だと言ったし、ソニーの盛田さんもアメリカやヨーロッパをまわって帰ってきて、『日本人は働き過ぎだ、遊ばなきゃいけない』というようなことを言っていた。その後ですよ、大没落がはじまったのは。それと同じようなものを感じます」
振り返ってみれば、バブル期の流行語である「花の金曜日」が象徴するように、当時の政府も「働き方改革」を行っていた。
政府は週休二日制を導入し、1992年5月1日に国家公務員の完全週休2日制を実施。多くの百貨店も、買い物するなら木曜日という「花の木曜日」と銘打ち、それまで木曜日だった定休日を火曜日にずらして、買い物需要を増やす商戦を繰り広げた。
だが、その後何が起きたかと言えば、バブルの崩壊であり、「失われた25年」という長期不況への突入だった。今や、「花金」も「花木」も死語になるなど、政府が思い描いたシナリオ通りにはいかなった。
確かに、労働時間が減ることは、歓迎すべき現象であると言えよう。だが、経済が成長し、給料が増えなければ、国民の暮らしが本当に豊かになることはない。労働時間が減った分、給料が減ることは誰も望んでいないはずだ。
となれば、政府がすべきことは、減税による消費の活性化である。国民の負担を軽くし、明るい未来ビジョンを示せれば、おのずと消費が進み、経済も成長していくだろう。(山本慧)
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