「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

「Jerry'sギター」代表&編集長「MASH & ハードパンチ編集部」が贈る毎日更新の「痛快!WEB誌」

《マシュメガネ対談》 今こそ「イーノ(ENO)」から見る「Rockの歴史」を語る!(Part 4)

2020-12-03 11:58:16 | 編集長と副編集長の対談「マシュメガネ対談」

《ハウリンメガネ》
長くなってまいりました。
「イーノで紐解くロックの歴史」。
{ 編集長「Mash」}
当然そうなってくるな!
《ハウリンメガネ》
イーノの影響源ということで前回までは
「ベルベッツと彼らのソロ以降の作品」
をピックアップしましたが、次はどの辺ですかね?
{編集長}
そりゃぁボウイだろ!ボウイ!
《ハウリンメガネ》
はいはい、やっぱりそこですよね。
だってイーノのキャリアとボウイは切り離せないもの。
{編集長}
初期のボウイはガレージとの流れもあるしな。
実は彼って遅咲きだけれど
「60年代ブリティッシュRock」に
実はちゃ~んと身を置いていた!
そんな人間なんだよね。
《ハウリンメガネ》
ボウイの話になると、私としましては
フリップ先生が絡むので
「ベルリン三部作」の話になりがちなんですが、
そもそもイーノのキャリアの始まりでもある
「ロキシー・ミュージック」のデビューが
ジギー期のボウイと同時代なんですよね。
サポート・アクトとしてツアーも一緒に周っていたり、
そのおかげもあって「ロキシーもグラムロック」
として扱われたわけですが。
{編集長}
その通り!
しかも初期ロキシーはイーノのバンドだったわけでさぁ。
《ハウリンメガネ》
リアルタイムに間近にいたわけですから
当然影響も受けていると思いますけど、
そもそもボウイってキャリアを見渡すと
まあ遍歴が激しいですよね。
「ジギー」もあれば「レッツダンス」みたいな事もやり、
「ベルリン三部作」「ティンマシーン」
最後の「ブラックスター」に至るまで、まあ幅広いこと。
{編集長}
この対談の前に実は一通りボウイを聴き直してみたんだ。
《ハウリンメガネ》
ほほう・・・
ある意味ニール・ヤングみたいな人ですよね。
その時々でやりたい音をやるという。
ルックスは真逆だけど(笑)。
{編集長}
うむ。確かに君が言うように
「一見、色々代わる代わるの人」
それこそ「チェンジス人間」と思いきや、
よく聴いていくと「筋は同じ」でね。
常にどの作品にも「ボウイ印」が押された
それこそ「渋いアートな仕上がり」をしていて
どれもこれも素晴らしいんだよ。
もちろんニール・ヤングも
そういう「一貫性」って所、やっぱり有るじゃぁ無い?
《ハウリンメガネ》
なるほど。1枚1枚サウンドが変わっているようですが
実は内面の部分、核の部分は確かに同じですね!
で、そんなボウイなんですが、
前述の通りイーノとは長い付き合いですから
お互いに直接のコミュニケーションで影響しあっていたのは
もちろん大前提として、
イーノに特に影響した作品ってなんでしょう?
{編集長}
君はなんだと思う?
《ハウリンメガネ》
うーん……
やっぱり「スペース・オディティ」かなぁ。
特にA面。
{編集長}
一般的に言えばボウイの1st作と言ってもいいくらいだね。
アレで認知されたわけだし、宇宙的イメージも壮大だ!
《ハウリンメガネ》
あれ、実は変な音ですよね?
ボウイの歌がいいからスルッと聴けちゃうけど、
よくよく聴くとベースがパルス的に脈打ってたり、
ギターのリズムが変だったり、
ドラムのスネアのフィルだけ強くミックスしてたり……
なんかイーノっぽいんですよ(笑)。
{編集長}
イーノっぽいと言うよりも、
ボウイの「宇宙的イメージ」がそうさせたんじゃない?
時代も月面着陸だし、彼はそれまでの「黒い音」や
「モッズ・サウンド」を捨てて、全てを注ぎ込んだ結果、
思いもよらぬフォーキーでスペーシーな名作になった・・・・
そんな感じだと思うよ。
《ハウリンメガネ》
グラムロックってT.Rexもそうだけど、
時代的にはもろにサイケの直後じゃないですか。
ボウイの中でも「スペース〜」と「世界を売った男」辺りは
特にサイケの気配がプンプン匂いますよね。
このサイケ直後の時代サウンドがイーノの根っこにあると思うなぁ。
{編集長}
サイケって結局アメリカで長く続いていたんだよね。
イギリスでは68年くらいから徐々に「ヘヴィ・ロック」が出るでしょ?
先日しりとりで君の書いたレッド・ツェッペリンにしろ、
それこそ君の大師匠率いるキング・クリムゾンにしろ・・・
全部あの時代で言えば「ヘヴィ・ロック」なんだよね。
まあ当時の様に「アート・ロック」と呼んでもいいけれど。(笑)
《ハウリンメガネ》
アメリカではもう少しサイケが続くと?
{編集長}
簡単に言えばそーいうコト。
結局アメリカってルーツ音楽の焼き直しなんだよ!
そこに「深いリバーブ」や「謎のエコー」!
「ソウルフルな歌に奇抜なギター!」
「ブルースやカントリーを軸にジャムる!」
これがアメリカン・サイケ(笑)!
そんな風にサイケ的に料理していく時代が
72~73年くらいまで続いていくんだよね。
もちろんデッドは永遠と続くわけだけれど(笑)
《ハウリンメガネ》
なるほど(笑)!
ボウイって前回出したケイル以上にアート畑の人ですしね!
もともとパントマイムかなんかやってたんでしたっけ?
{編集長}
音楽やってた人がチベット仏教とパントマイムに移行し
また音楽業界に戻って来て「スペース~」を出した!
なんか名作が出来た過程が分かる気がするでしょ?
《ハウリンメガネ》
そういうところから
「ジギー」とか「アラジンセイン」みたいに
音もビジュアルも全部使って一つの作品を表現する!
って壮大なコンセプトに行った訳でしょ?
ボウイがイーノに与えた影響って音的なもの以上に
その思想のほうが大きいと思うなぁ。
「音楽を表現する」だけじゃなくて、
「音楽を通して別の何かも表現する、
もしくは音楽と無関係の要素を音楽につなげる」っていう。
そう考えるとあの人の今の多岐にわたる活動の意図がちょっとわかる。
{編集長}
ボウイだけじゃなくてさ、その先陣には
ビートルズの「マジカル・ミステリーツアー」や
当時お蔵入りになるストーンズの「R&Rサーカス」
もっと言うと「ワン・プラス・ワン」
挙句の果ての「コック・サッカー・ブルース」
なんかもビジュアルへの大きなチャレンジであったわけ!
《ハウリンメガネ》
色々と混ざり合って・・・ホント面白い関係ですよね。
やっぱりボウイがミュージシャンというよりも
「トータル・アーティスト」だったからこそ
自称ノン・ミュージシャンのイーノと波長があったのかしらん?
{編集長}
ボウイもイーノもヴェルベッツに喰らいながら、
同じ英国のビートルズやストーンズにも当然喰らっていてね。
その中でボウイはミックのスタイルを取り入れるのよね。
ファッション性も含め「セクシャル・ボーダーレス」にしてさ!
で、イーノはソコにヒントを得て・・・・って具合。
《ハウリンメガネ》
うーむ。
脈々と続いていく「ブリティッシュRock」ってとこですかね!
{編集長}
確かにそうで、しかも彼らは
「自分たちは第2波」と分かっていたと思うんだよ。
実際、ビートルズはもう世界中で人気なワケでさぁ。
ストーンズだってアメリカで頑張り出して、フーも続いて・・・
そんな中、イギリスで出て来たツェッペリンやクリムゾンが
ワイワイとやりだし、「おお!今がチャンスだぞ!」って勢い(笑)。
《ハウリンメガネ》
狙い目だったわけですかね?
{編集長}
まあ、コレ言っちゃあ、実もフタもないけれど
「ビートルズの活動停止」に伴って皮肉にも
一気に「ブリティッシュRock」が70年代に花開くのさ。
ある意味「開放的」になったんだよね。
天井がなくなり、空が見え、自由度が増した・・・
ってコトでしょう。
この流れが「ブリティッシュ・パンク」までをも生み出しちゃう。
ハチャメチャだがね(笑)。
《ハウリンメガネ》
いやー、深い!ボウイの話でさえ
まだ「ベルリン」にも行きつけてないですよ・・・。
こりゃ次回もボウイですね。年またぎだなこりゃ。
{編集長}
思うんだが・・・・
イーノ云々じゃなく、この対談内容は
「完全にマニアなロック史」だな(笑)!
まあ、それもイイでしょう。
サイケもプログレもガンガンと
深~く、ヤッテやろうじゃない!
次回も乞うご期待だ!

<続>

 


《マシュメガネ対談》 今こそ「イーノ(ENO)」から見る「Rockの歴史」を語る!(Part 3)

2020-11-05 10:44:01 | 編集長と副編集長の対談「マシュメガネ対談」

《ハウリンメガネ》
はい!前回の続きです!
「イーノで紐解くロックの歴史」第3回!
前回、主題だったベルベッツの話はしたものの、
メンバーのソロ作品について大して触れていませんので、
今回はその補講ということでよろしいですか?
{ 編集長「Mash」}
やはりイーノという人物の側面から語るとなると
ベルベッツ軍団のソロがイーノの居たバンド
『ロキシー・ミュージック初期』と重なってくるからね!
やはりマストだろう。
《 メガネ 》
ケイルはベルベッツ「2nd」制作直後にルーとケンカをして脱退、
そのルー本人も「4th」の後にはベルベッツを抜けてしまったわけですが、
その後、2人ともコンスタントにソロ作品を出し続けてますね。
{ 編集長 }
あのねえ、ルーとケイルって音楽的にはイイ関係のはずなんだよ。
ただ、意気込んで出された1stが傑作にもかかわらず、
全く売れなかったでしょ?
そこから売れたいルーと芸術家ケイルに溝が生じたんだね。
《 メガネ 》
ルーについては「ベルリン」とか「トランスフォーマー」とか
あなたも挙げていた「マジック&ロス」とか
とにかく色々名盤としてピックアップされる盤が多いわけですが、
やはりあなたとしては前回の通り「マジック&ロス」がベストですか?
{ 編集長 }
ルーの作品ってベルベッツ再評価、
要するにボウイ・プロデュースの「トランスフォーマー」路線と
実にアーティスティックな「ケイル路線」に
分けられると思うんだ。それで言うと後者の方が俺は好きで、
文学的な「ベルリン」と「マック&ロス」がベストだと思うよ。
文学少年だった君も同感でしょ?
《 メガネ 》
私?ルーのソロだと……
「エクスタシー」が一番好きです。
{ 編集長 }
あら、意外(笑)ロック方面だね!
《 メガネ 》
いやもう理由は単純で、
リアルタイムに出た新譜だったんですよ、このアルバム。
多分ベルベッツより先にこっち買ったはず。
当時……高校生かな?プレイヤー(雑誌)かなんかで
レコメンドされていて買ったんじゃないかな。
あのアルバム、全体的にダウンテンポでしょ?
まだ「ファストで歪んでないとロックじゃない!」
って思ってた頃だったから最初は「遅っ!軽っ!」
って思って(笑)。
{ 編集長 }
俺もすぐ聴いたが、アレは俺的に十分ファストだったよ(笑)!
《 メガネ 》
あなたブルースですからねぇ(笑)。
で、ベルベッツにもいえるけどルーの音って
妙に耳にまとわりつくじゃないですか。
それで「よくわからんが何かがこの人にはある!」
と思ってベルベッツを買う、という……
まあ、リアルタイムで経験した思い入れ込みですけど
「エクスタシー」はルーのソロだと上位に入る出来だと思うけどなぁ。
アメリカンロック的なカラッとした音なんだけど、
どこかヌタっとしている。
{ 編集長 }
まあルー・リードという人は「エクスタシー」的なロック作品、
それがソロの9割を占めているワケでさぁ。
アレも俺の推す大名盤「マジック&ロス」がルーの自信の割りに
セールスが弱かっただろ?その反動で生まれたんだと思うぜ。
まあ「トランスフォーマー路線」を手を変え品を変え
ずぅーっと作品を出した人なんだよね。
《 メガネ 》
しかし、ルーはそれなりに雑誌にも名前が挙がるのに、
ケイルは全く挙がりませんねぇ(苦笑)。
{ 編集長 }
活動スタンスの問題だと思うだ。
と言うのもルーはやっぱりボウイのお陰で
「トランスフォーマー」以降
ミックジャガーとも付き合うなど
世界的にオーバーグラウンドになったわけ。
逆にケイルはベルベッツ再評価までをも
自信のアンダーグラウンド界に落し込むんだよね。
《 メガネ 》
ねえ?
それこそイーノとやった「ロング・ウェイ・アップ」とか
テリー・ライリー
(ミニマル・ミュージックの大御所。テープループシステムの始祖の一人)
とやった「チャーチ・オブ・アンスラックス」とか
イイ盤をちゃんと出してるのに……
{ 編集長 }
やっぱりケイルは芸術家なんだよね。
《 メガネ 》
特に「チャーチ・オブ〜」は
テリー・ライリーと一緒のお陰かすごくイーノしていますね。
いや、因果関係が逆だけどさ(笑)。
ドラム以外はライリーとケイルだけ。
2人ともマルチプレイヤーだから楽器を持ち替えつつ、
コードはミニマルに、音像で曲を展開させる、という手法。
{ 編集長 }
この作品がイーノに与えた影響って大きいと思うな。
《 メガネ 》
このアルバム、ライリーとケイルのプレイとプロデュースは勿論ですが、
ドラムがいいんですよね。エネルギッシュでスインギン。
{ 編集長 }
ケイルにとってベルベッツでの不満って
やっぱりリズム隊に有ったと思うのよね。
まあ、俺はアレはアレで味が最高だと思っているし
タイト過ぎたら1stは生まれていないわけでさぁ(笑)。
《 メガネ 》
なぜかアルバムにクレジットされてないんですよね。
調べたらボビー・グレッグとボビー・コロンビーの2人みたい……
あ!グレッグの方はボブの「ブリンクイット〜」と
「ハイウェイ61」で叩いてる人と同一人物なんですね!
{ 編集長 }
そうそう!ケイルもご多忙に漏れずボブの大ファンなんだよ。
ソロ作でボブの曲をカバーしているやつもあるのよ!
《 メガネ 》
そうそう、ボブつながりでいえばルーとケイルが曲提供してる
ニコのソロアルバム「チェルシーガール」。
あれ、ボブも一曲提供してますよね?あれなんで?
{ 編集長 }
ニコは不思議な魅力がある人でねぇ。
まあ、言わんでもベルベッツ「1st」で皆そう思うわなぁ(笑)。
その魅力はイギリスのロックシーンからボブ経由で
ウォーホールに行ったと言われているよ。
まあストーンズからボブ、ウォーホール・・・・
これゃストーンズの大名盤『スティッキーフィンガーズ』
まで話が続いちゃう(笑)。
まあ60年代のスティーヴィーニックスと言えば
彼女の立ち回りがお分かりになるでしょう(笑)。
《 メガネ 》
ああ、そういうこと。
……ボブもワルい男だけどニコもファムファタール的というか
悪女というか……
浮名の多い人ですねぇ(苦笑)。
{ 編集長 }
結構なビッグ・ネームが彼女に食われているだろ?
その辺もスティービーニックスとクリソツ(笑)!
《 メガネ 》
(笑)でもそう言えば
「チェルシーガール」は不思議なことに
ケイルがプロデュースしてるわけじゃないのに
全体的にミニマルというか、イーノが好きそうというか、
インスパイアされていそうな雰囲気が強いですよね?
{ 編集長 }
ベルベッツ「1st」のニコ部分を切り取って磨きを掛けた!
そんな良さが有るのよね・・・間違いなく聴くべき名盤だと思うぜ。
《 メガネ 》
ああ、そうか。サイケ華やかりし時代の
しかも「オリジナル・ベルベッツ・メンバー」
が出した作品ですもんね。
やっぱりイーノを語る上で「サイケ」ってのは
最も重要なワードってことなんスねぇ……
{ 編集長 }
あのなぁ・・・
(サイケブームがもたらした影響の重要性について永遠と語る編集長)
《 メガネ 》
まあ、その辺は追々やるとして……
{ 編集長 }
ビートルズから世界中のガレージに伝染するだろ?
そこからさぁ・・・・
(いいかよく聞け、と止まらない編集長)
《 メガネ 》
あーもう!前回の天丼オチかい!
皆様、また次回!
{ 編集長 }
結局はビートルズから全てが始まったんだよ!
エッ、もう終わり?これからって時に・・・・チェッ。
《 メガネ 》
不貞腐れていないで、さあ、コレ聴いて!
{ 編集長 }
おっ、レッド・パーロフォンの45回転!
う~ん。コレコレ!コレで飯が進むぞ!
《 メガネ 》
じゃぁ、皆様、本当に次回をお楽しみに!

【つづく】


《 マシュメガネ対談 》 今こそ「イーノ(ENO)」から見る「Rockの歴史」を語る!(Part 2)

2020-10-01 11:24:36 | 編集長と副編集長の対談「マシュメガネ対談」

《ハウリンメガネ》
おはようございます、編集長。
{ 編集長「Mash」}
♪Good morning! Little schol girl!
《メガネ》
オールドロックンロールで朝からゴキゲンですね!
{ 編集長 }
久しぶりに「Five Live Yardbirds」を聴いたんだよ!
アレはいつ聴いてもギター弾きには勉強になるな。
《メガネ》
挨拶もそこそこに恐縮ですが前回の流れで
今回から「イーノで紐解くロックの歴史」ということで。
まあ、さっそくヤードバーズが出ましたが・・・。
どこからやりましょうかね?
まあ、ホントはファブから始めるべき……
{編集長割ってファブを語りだす}
そもそもクラプトンも含め、ヤードバーズだって
ビートルズの人気にアヤカロウとしてさあ!
《メガネ》
……なんでしょうが、それをやると
あなたがこの様に止まらないのが目に見えて……
{すでに止まらない編集長}
で、ストーンズも悔しいんだよ!
ビートルズがモテ過ぎだからクソーってさ!
《メガネ》
……ですので、やはり前回からの流れで
ベルベット・アンダーグラウンドから……
{まだ止まらない編集長}
キンクスやアニマルズも全部ビートルズの影響下!
だから結局ビートルズしか残らない!
初期60年代ブリテッシュグループだと他にも・・・
《メガネ》
編集長!ベルベッツです!
ベルベッツの話からにしましょう!
{ようやく止まる編集長}
なんだよ。調子出て来たところなのに・・・
《メガネ》
はい……(笑)。
というわけでベルベッツからやりましょう。
ファブの話だけで紙面が尽きるから(笑)。
{ 編集長 }
急に現実に戻されたけれど、
実は奴らもビートルズの影響下で生まれたんだよね。
ニューヨーク・ガレージ・サイケとも云えるが、
ガレージって結局ブリティッシュ・バンドブームが
アメリカに飛び火して、彼らが自宅のガレージで練習した
その結果でシーンに飛び出して来たバンドが多かったんだ。
《メガネ》
さて、前回
「どう考えてもイーノの初期の影響源はベルベッツだろ!」
とツッコまれたわけですが、そこで改めて
「イーノに与えた影響」って観点で聴き直してみたんです。
{ 編集長 }
ホホウ。良い心掛けだ。
《メガネ》
改めてルー・リードの作るメロディのリリカルさは
実にいいなぁって思った(笑)。
この辺のメロディの良さってのは、
確かにイーノのメロディに通じると思う。
この人も頻繁にコードチェンジをしない人ですよね。
わりと少ないコードの中で
美しいメロディをたくさん紡ぐタイプという。
{ 編集長 }
良い音楽ってコードチェンジ少ないのよね。
ブルースなんて3つでしょ?
コードの数を気にして曲を作る人もいるけれど
あまり必要ないと思うね。
《メガネ》
強面とパブリックイメージのせいか
ロックンローラー的な取り上げられ方が多いけど、
この人は基本的にメロディも綺麗だし、
声も優しいですよね。
まあ、歌ってる内容はえげつないけど(笑)。
{ 編集長 }
大切なのはメロディですよ!
ルー・リードのピークってこのVUの1stと
もう一枚挙げるとしたら
ソロの「マジック&ロス」だと思うね。
《メガネ》
いろいろ作風も書ける人だけど、
カントリー的なメロディが多くないですか?
ジョン・デンバーとかに通じるものがある・・・
と思ったんだけど。
{ 編集長 }
うーん。
俺は結局「初期ビートルズとボブ・ディラン」
の影響が濃いと思うね。
詩への傾倒はこの後も進むけれど
曲は停滞していく気がしている。
彼の盤ではDボウイがプロデュースした
「トランスフォーマー」が名盤とされ
ルーのイメージが決定付けられたけれど、
ベルベッツ(以下VU)の1stには到底かなわんね。
《メガネ》
ふんふん。で、そういうメロディを書くルーがいる一方で、
もう一人、ベルベッツサウンドの要である男
ジョン・ケイルがいた、と。
{ 編集長 }
ケイルがグループに居たのは大きいよ。
楽器も色々達者だし
「VUで唯一の音楽家!」的存在だったよね!
《メガネ》
もう頭にケイル=ジョン・ケージ、
ラ・モンテ・ヤングの弟子、っていう情報が
入っちゃってるから、この頃の前衛的なアレンジは
やっぱりケイルのアイデアが大半なのかな?
って思うんだけど、ホントのところはどうだったんだろう?
ルーも前衛的……
というかサイケ的なアプローチ好きじゃないですか。
{ 編集長 }
この頃は誰もが実験的だと思うよ。トリップ時代だから。
《メガネ》
まあ、後に「メタル・マシーン・ミュージック」
を出した男だもんねぇ(笑)。
{ 編集長 }
同じ時代にシスコにはデッドが居たでしょ?
あそこにもフィル・レッシュというベーシストが居るんだが
彼が実験的なアイデアを結構持っていたんだよ。
彼はクラシック音楽を勉強していたからね。
VUのケイルはよく似た位置だと思うし、
彼の存在こそ「1st」を名盤にした要因だと思うね!
《メガネ》
ケイルが抜けた「3rd」以降は明らかに
「1st」「2nd」より
ずっとポップな方に向かってるから
やっぱり前衛的なアレンジについては
ケイルが主導してたんですね。
{ 編集長 }
間違いなく彼だね!
《メガネ》
で、そのアレンジの話ですわ。
確かにイーノの影響源として聴いたら
「ヘロイン」のテンポの加減速とか、
「オール・トゥモローズ・パーティー」
のドローンサウンドとかモロなんですよね。
特に前者は後のイーノのテープループの
回転数変化アプローチに凄く近い。
もともとはドラッグのアップダウンを
サウンド表現してるんだろうけど、
そういう「ドラッグ感覚の音楽的再現」
ってのを発展させていくと「音楽で空間を作る」
っていうアンビエントの思想に通じるのかな?
{ 編集長 }
ドラッグ・サウンドってデッドて言う
「アシッド・テスト」だよね。
これもビートルズからスタートした
「LSDサウンド」が広まった結果だと思うね。
「LSDを用いたら何が起こるか?」
っていう実験でさぁ。
このサイケデリックと呼ばれる数年間は
生活にドラッグが不可欠な時代だったからこそ、
その中から生まれたサウンドやファッション
当然グループも多いのが確かさ!
この時代のサウンドは掘り下げれば堀り下げるほど
多様で面白いんだよ!
《メガネ》
確かに!ただ、それ以上に「あっ」と思ったのはリズム。
VU、ひいてはルーのソロにもいえるけど、この人たち、
リズムのとり方が土着的なんですよね。
4ビートとか8ビートとかバックビートの刻み
の上でプレイするんじゃなくて、
ワンビートで刻んでる上でどこに自分の符割りを乗せるか
っていう、すごくプリミティヴな、
ブラックミュージックに通じる……
で、これってイーノが70~80年代のプロデュースで
やりまくったニューウェーブのリズムなんだよね。
{ 編集長 }
この話は少し時代を戻らなきゃならんよ。
土着と言うけれど、彼ら60年代にこれらのリズムって
ボ・ディドリーの「ジャングルビート」を
ストーンズがカバーした恩恵なんだよ。
それをスローにしたり早くしたりって具合でさ。
皆が試していたし、簡単だから取り入れたんだよ。
《メガネ》
「1st」でもそのリズム感はもう出てるんだけど、
それがもっと全面に出るのが「2nd」ですよね。
後にジーザス・アンド・メリーチェーンが踏襲すること
になったあのとんでもなくささくれだった
ノイジーなサウンドに焦点が当たりがちなんだけど
「2nd」の面白さはあのリズムだと思うな……
私、実を言えば「1st」より「2nd」の方が
好きなんですよね(笑)。
アーシーさでいえば「2nd」でしょう(笑)。
{ 編集長 }
「2nd」は「1st」の残りカスに俺は感じるね。
《メガネ》
そうかなぁ……
曲の良さとか、カラフルさでいえば……
やっぱり「1st」に軍配が上がるかな……
やっぱり大名盤なんですよね、あれ。
{ 編集長 }
10代の頃、俺は「日曜日の朝」に
必ずアレを聴いていたよ。空気感が素晴らしいね!
この「1st」にはロックの新しい交差点が見える。
ビートルズの「ラバーソウル」「リヴォルバー」
を聴いてから出されているワケでしょ!
で、この「VU 1st」の約3ヶ月後に
ビートルズは「Sgt」を出す。
ホントあの66~67年ってたった1年で
「凄い急カーブをロックは描いた」
わけじゃない?
そんな時代を幼少期に体験してご覧よ。
「リヴォルバー」を聴いたルーやケイルが
この「1st」に注いだ気持ちが
痛いほど分かるぜ!
《メガネ》
イーノをして
「ベルベッツの1stは3万枚しか売れなかったが、
その3万枚を買った人間は全員バンドを始めた」
と言わせしめた盤ですからね。
{ 編集長 }
まあその後、ルーやケイルの活躍で
累計では凄い数が世界中で売れたけれどね!
《メガネ》
あのバナナジャケのインパクトってのは凄い。
見ただけで「ただのロックバンドじゃないぞ」って
プンプン匂ってくる(笑)。
あと名前がいいよね(笑)。
「ベルベット・アンダーグラウンド」より、
最後に「アンド・ニコ」って入るだけで
すごくポップに感じません?
{ 編集長 }
ニコの役割がこの盤を傑作にしているんだよ!
誰も言わんがネ(笑)。
あのツタナイ歌声にこそ、時代が映るよな!
《メガネ》
そのへんはさすがポップアートの巨匠
Aウォーホルのプロデュースだなぁ・・・
って感じですよね。
前回、あなた「ビートルズは別の扉を開く」
って話をしてたけど、それって、裏を返すと
「ビートルズと違う土俵で勝負するしかなくなった」
ってことでもあるわけですよね?
{ 編集長 }
ビートルズって今も昔も凄い影響力なんだよ!
で、特にあの時代は「追い付け、追い越せ」でさ。
《メガネ》
ビートルズって「扉」から入って、
ビートルズと違う土俵で勝負しようとしたバンド、
ミュージシャンがまた「別の扉」を開く……
その中の特大級のバンドがベルベッツであり、
そのベルベッツが開けた「扉」から
さらに「別の扉」を開けようとした中の一人がイーノであり、
その「次の扉」をまた別のバンドが開け……と、
確かにこりゃあ「ロックの歴史」を辿らざるを得ませんな。
{ 編集長 }
最初の話に戻るが、
ビートルズが世に出て来なきゃ誰も存在せんのよ!
この「VU 1st」をビートルズの誰かは
もしかしたら、聴いたかもしれない。
ただ、この路線はビートルズに何の影響も与えていないでしょ?
独自に「Sgt」を出し、そのトータルアルバムの作風を
逆に他が追従する・・・ストーンズやフーが有名だゼ!
《メガネ》
結局この人と「ロックの歴史」をやりだすと
ビートルズに話が戻っていくんだよなぁ……
{ 編集長 }
あのなぁ、ビートルズが出て来なきゃ
アメリカからバーズも出て来ないワケよ。
それじゃ、ボブはずっとフォークのままじゃない?
ロックの「数多ある名盤」は全く生まれなかった
そーいうコトになるだろ?
「Highway 61」も「CSN」や「デジャブ」も!
それから「ベガーズ」や「トミー」
はたまた「レイラ」だって、それと・・・
《メガネ》
あ、こりゃしばらく終わらんわ。
読者の皆様、次回もお楽しみに!
{ 編集長 }
他にもたくさんあるぞ!
U2「ユシャトゥリー」は勿論
ニルヴァーナーやベックだって・・・
《メガネ》
あなたはテレビ討論会のトランプ大統領ですか?
トランプ同様、もう結構です(苦笑)

<つづく>


《 マシュメガネ対談 》 今こそ「ENO(イーノ)」から見る「ROCKの歴史」を語る!(Part 1)

2020-09-03 19:09:30 | 編集長と副編集長の対談「マシュメガネ対談」

《ハウリンメガネ》
おはようございます・・・
{ 編集長「Mash」}
どうした?元気が無いぞ!
猪木寛治も言ってるだろ?
「元気があれば何でも出来る!」
《 メガネ 》
いや、ちょっと久々に映画のDVD買っちゃって、
一気に観たせいで眠くてですね……
{ 編集長 }
一気はいかん!
そう言えば「とんねるず」はどうしているかなぁ?
昔の「とんねるず」主演映画か?
《 メガネ 》
そんなのあるんですか?
あー、あなたは興味ない映画だと思いますよ。
押井守さんって監督さんの作品なんですけど。
{ 編集長 }
知ってるよ!名前と顔は何かで見たよ。
作品は知らんけれど、任侠モノか?
《 メガネ 》
えーっとね、あなたとかフクシマンさん世代の作品だと…
「うる星やつら」のアニメを作ってた人です。
{ 編集長 }
ラムだっちゃ!
《 メガネ 》
うっ、知ってるんだ・・・。
{ 編集長 }
バカヤロー!俺の高校時代のクラスメイト
「T君のお兄ちゃん」は「高橋留美子ファンクラブ」
で、会員ナンバー2番だぞ!
《 メガネ 》
あなたじゃなくて良かったです(笑)。
{ 編集長 }
俺は「めぞん一刻」は読んでたぞ。
《 メガネ 》
まあ有名どころだと攻殻機動隊ってやつとか。
アニメも実写も撮る人で、個人的に好きなのは
「立喰師列伝」とか「パトレイバー」とか
色々あるんですけど…興味ないでしょ?
{ 編集長 }
パトレイバーは聞いたことあるし、
ニューヨークで「立喰いそば」という
看板で店に入ったら、
マックのようなカウンターがあって
やっぱりマック風の椅子に座って食べたぞ。
あの「立喰い看板」は何だったんだろうか?
《 メガネ 》
そんなの知りませんよ!
ま、いいです(笑)。
ちなみにあなたのかつてのバンドメイト
「メガ山口氏」もこの人のファンなんですよ。
私と彼が仲良くなったのは
それがきっかけでしたから(笑)。
話が横に逸れた(笑)。
私、この人の映画制作論が好きで、
インタビュー本とかも買ってるんですよ。
{ 編集長 }
ホホゥ?
《 メガネ 》
で、この人がよく言うのが、
「映画の半分は音楽・音響だ」って話なんです。
例えば「パリ、テキサス」はライ・クーダーの
「あの乾いたスライドギター」
がないと成立しないでしょ?って話をしたりしてて。
{ 編集長 }
そうだ!ライ・クーダーを聴け!
そして、滑らせ!
《 メガネ 》
そういう話を読んだとき思ったんですよ。
いつもの方向に行っちゃうけど、イーノ。
アンビエントミュージック。
{ 編集長 }
ENOってイーノ?なんちゃって!
《 メガネ 》
・・・・・えーと、続けて宜しいでしょか?
{ 編集長 }
いいとも!
《 メガネ 》
うっ古い!とにかく
「イーノの音楽って映画音楽の影響があるんだろうなぁ」
って思ったんですよ。
アンビエントって音楽自体が映画音楽と同じように
機能性から作られるものだから。
っていうかそのものズバリ!
「ミュージック・フォー・フィルム」
って作品群も出してるくらいだし。
イーノ自身もアポロとか結構サントラやってますよね?
{ 編集長 }
ああ。あの人は「何でも屋」だと思うんだよ!
色々な音楽を相手に合わせて
「これいかがでしょう?」的に出してきて、
上手~くコーディネートしてくれる。
逆に自分の音楽はガス抜きなのか、
これでもか!って具合にゆったりと来るんだよ!
《 メガネ 》
だからなんとなく私
「イーノは映画好きなのかな?」って思ってる(笑)。
{ 編集長 }
昔から映像に興味があったのは間違いないよね。
映像と音楽の融合作品も多い人だからね。
《 メガネ 》
ただねぇ、私、昔っから今に至るまでわからないのが
「イーノの他のバックボーン」。影響源。
この人って、薄ぼんやりと
「こーいうのから影響されてんのかな?」
ってのは見えても、どうにも掴みどころがない。
「イーノの音ってどこから影響されてああなったのかな?」って。
{ 編集長 }
そりゃ、もちろんビートルズよ!ビートルズ!
みーんなビートルズ!わっはっは!
《 メガネ 》
そりゃあ1948年生まれだから、
年齢的にビートルズは直撃でしょ?
でもこの人から「fab的な匂い」ってしませんよね?
メロディの良さはあるけど、
fabみたいにグッドメロディの洪水!
ってわけではないし・・・。
{ 編集長 }
ビートルズは扉を開く音楽なんだよ!
直撃ほど「違う音を出し始める」んだよね。
ボスも「ビートルズで扉が開いた」と言っているけれど
彼の初期サウンドは「アメリカンフォーク」や
「黒人音楽」や「ルーツ・ロック」でしょ?
俺も根は完全にビートルズなのに
出したい音はブルースマンだしな。
《 メガネ 》
なるほどねぇ。ただ、ロキシーの頃の音から言うと
やっぱり「サイケの気配」が多少するんですよね。
「どっぷりサイケ」っていうよりは洗練されてる。
やっぱりこの頃から後に「ニューウェーブ」って
呼ばれることになる音の基本はできてる。
だけど、そこの音に至る過程が見えて来ないんですよ。
{ 編集長 }
君はちゃんと初期ロキシーを聴いてるのかい?
あれってニコとケイルの居たベルベッツの影響がモロだろ?
《 メガネ 》
・・・おお!そっか!完全に頭から抜けてた!
そうですよ!イーノ「ベルベッツ」ファンですよね!
そもそもイーノは前衛音楽をやっていたんだから
ジョン・ケイルがいた「ベルベッツ」からの
影響がないわけがないんだ!
一緒にアルバム出してますもんね。
{ 編集長 }
一緒にライブもやったり、かなりずっと仲イイだろ?
《 メガネ 》
いや、そうなるとこのまま「ベルベッツ」の話
に突入せざるを得ませんが、絶対長くなりますよ?
次回にしませんか?
{ 編集長 }
だったら
「イーノで紐解くロックの歴史でもやるか!」
結構脱線もあり、面白いかもよ!
《 メガネ 》
おー!・・・なんか私「やぶ蛇」で、
とんでもないパンドラの箱を開けちまった気が・・・
{ 編集長 }
嫌なら別に高橋留美子でもいいぞ。
早速始めると「らんま」は「オカマ」だろ?
《 メガネ 》
いや多分、違うと思う(苦笑)!
{ 編集長 }
違うのか?
《 メガネ 》
そのネタこそ脱線しか生まれないでしょうから、
やっぱりイーノやる!やりますよ!やらいでか!
いやぁ、長くなりそうだなぁ・・・
読者の皆様もよろしくお付き合いください・・・
{ 編集長 }
大丈夫。
イーノも「オカマ」っぽい時期があったし。
「らんま」と同じようなモンだ。
どっちも「戦略的オカマ」だしな!
《 メガネ 》
「戦略的オカマ?」
{ 編集長 }
あの時代に許されたグラムさ!
グラムも語らないといかんぜよ!
《 メガネ 》
なるほど!より一層、深そうだけれど・・・
{ 編集長 }
大丈夫、大丈夫
戦略的に行こう!わっはは!
《 メガネ 》
なんだか良く分からないですが、次回!
{ 編集長 }
うむ。「屁のツッパリはいらんですよ!」
《 メガネ 》
・・・・あなたの「アニメ箱」を開いた私がいけなかった。
{ 編集長 }
サインはV!
《 メガネ 》
・・・・こりゃぁ、困ったことになったぞ。

<続>


《マシュメガネ対談》 いよいよ本命!ボブ・ディランの新作『ラフ&ロウディ・ウェイズ』を語り尽くす!

2020-08-07 14:41:25 | 編集長と副編集長の対談「マシュメガネ対談」
 
 

《ハウリンメガネ》
いやぁ!素晴らしいですね!
{ 編集長「Mash」}
何だ、何だ? 藪から棒に!
《 メガネ 》
何が?じゃないですよ!ボブですよ!ボブ!
新譜!『ラフ&ロウディ・ウェイズ』!
{ 編集長 }
おうおう、その話ね。
《 メガネ 》
やだなぁ!そんな軽~い返し。平然とした顔しちゃって〜!
内心穏やかじゃぁ無いんでしょ?
{ 編集長 }
いやぁ「ボブの新譜」で話そう!
と君が言うから急いで注文して、昨日届いたんだよ。
《 メガネ 》
……はい?
(しばし編集長とメガネのやり取りが続く……)
ええっ、発売したのを知らなかったぁ?!
{ 編集長 }
なんとなく「急に新曲を発表した」って噂は
多分どこかで聞いたような気がするんだけれど、
わざわざそれで「急いでネットで聴く」なんて俺しないしね。
敢えて自分で情報も取らないから、Newアルバムとは知らんかったよ。
《 メガネ 》
……まあ、あなた必要以上にネット見ないしねぇ。
コロナで人にも会わんだろうから、知らんでも無理ないかぁ……
でも新聞やラジオでも情報って出なかったの?
{ 編集長 }
それが、ラジオでボブなんて特番以外流れないし
新聞も、どうやらTV欄の所に広告が出たみたいでさ。
ほら、我が家はテレビ無いから、関係ないじゃない(笑)。
《 メガネ 》
ううっ、さすがの昭和アナログ人!(笑)
私も一ヶ月ぐらい前に「ボブの新曲」がいきなり発表されて、
こりゃ「前から噂のあった新譜」が出るな、
と思ってウォッチしてたから気づいたんですけどね。
{ 編集長 }
と言うことはLPで買ったんだね?
《 メガネ 》
買いましたよ!当然アナログで!
{ 編集長 }
俺はボブって「訳詩が無いとイカン」と常々思っていてね。
だから、最初は必ず「日本盤CD」を買うんだ。その後にアナログで買い直す。
《 メガネ 》
じゃあ、珍しく編集長が「デジタル音」ということで、
私の「アナログ感想」垂れ流し大会になりますが、よろし?
{ 編集長 }
いや、ソレがそうでもないぞ!ボブの近年作は「CDでも音は軟らかい」のよ!
2016年作の『フォールン・エンジェルズ』もそうだったけれど
最近のボブは「CDでも良い仕上げ」をしていると思うぜ!
《 メガネ 》
じゃあ、内容に行きますが、とにかく「びっくりした」のよねぇ。
こんなに「重い音」で始まるアルバムはないですよ!
一曲目の『I Contain Multitudes』が鳴った瞬間、
部屋の空気が一気に変わったもん!
{ 編集長 }
ストーンズがカッコ良く歌詞に出てくるヤツね!(笑)
逆に俺は多くのファンが体験したように
ワザと新曲の『Murder most foul』から聴いたんだよ。
後でも話すが、コレには信じられないくらいグッと来たね!
《 メガネ 》
今回はとにかく全体的に曲がシンプルなんですよ。
メロディもコード進行もシンプルだし、バンドも一丸となって
バッキングをすごーく丁寧にプレイしている。派手なフィルなんて全くない。
バンドはひたすら一丸となってバックを刻んで、
その上でボブが歌っているだけ……
なのに全く聴く側の気が逸れない!
{ 編集長 }
ふむ。俺は「最近のボブ」という感じが第一印象かな。
もちろんご存知の通り、ボブって「特別な存在」なんだけれど
近年の「安定したボブ盤」というべきだと思うな。
ただひとつ「詩の面が強烈に際立っている作品」ではあるよね。
それと君とは逆だが「今までの音作りの延長」ながら
「コード進行に微妙なヒネリが各曲内で多数見られ」たり、
「ただのブルース進行ではなかったり」と興味深い部分も多いよ。
《 メガネ 》
私は断言します!今回のアルバムは「グルーヴの塊」です!
ここまで「グルーヴで押し切ってる」そんなボブのアルバムってないんじゃないかな。
私、ちょっと思いつかない……。
{ 編集長 }
そうかなぁ。「タイトさ」は間違いなく継承されていると思うけれど・・・
俺は大名盤『Time out of mind』から始まった「あのグルーヴ」が土台として、
今までずっと続いて来ていて、それが「久々のボブ新譜体験」でリスナーが、
グッグット引き寄せられたんじゃぁ無いかなぁ、と思うんだよね。
まあ、この辺りは君がアナログ盤で聴いたからこそ、
っていう感想もあるかもしれんがね。
《 メガネ 》
なるほど。ちなみにレコーディングはライブと同じ面子ですね。
チャーリー(g)、トニー(b)、ドニー(steel等)は『テンペスト』と
同じですが、今回はスチュ(g)とジョージ(dr)が抜けて
ボブ・ブリット(g)とマット・チェンバレン(dr)が参加。
そういやジョージって病気で抜けたみたいだけど、大丈夫なのかな?
{ 編集長 }
さっきも言ったけれど「核の部分」って結局は「ボブの音かどうか」だろ?
で、この「ボブの音」って前述の『Time out of mind』からずっと続き
この新作まで継承されている。だから、多少のメンバーチェンジって、
さほど盤への影響は感じないよね。「ボブが求めた音をバックは出す」というのが、
「最近のボブ作」には徹底されているから安定感にもつながっているんだよ!
《 メガネ 》
確かに。ライブの前評判だとドラムがマットになってから
「随分とロックに寄った」って評を聴くけど、
このアルバムを聴く限りそんな感じしないですよね。
『テンペスト』より、『シャドウズ〜』の方向。
「アメリカン・ルーツ・ミュージックの集大成」ってところでしょうか?
{ 編集長 }
「ボブの言葉」と「アメリカのルーツ音楽」が合わさると、コレになる!
そんなアルバムですよね。ただ、恐れずに言えば本作って、
「いつも以上に個人的な詩の世界に重点を置いたもの」だと俺は思っているよ。
それと「スタジオとライブが違う」ってのは当たり前で「気分屋ボブ」でイイと思う。
あくまでパフォーマンスはオーディエンスありきだから、さすがのボブでも
「変化をつけたくなる」コトもあるんでしょう。そこが全てではないから。
《 メガネ 》
曲名でオッ!となる『Goodbye Jimmy Reed』は「がっつりバンドサウンド」
だけれど、ロックよりはむしろシカゴ・サウンドだと思うし、
やっぱりライブだとこういう曲は勢いが出ちゃうのかね?
あー!言ってもしゃーないけど、来日公演観たかったなー!チクショー!
失敬失敬、いや、つい昂ぶりました……
{ 編集長 }
この詩はとても面白いけれど、やはり「ジミー・リード」はボブ・リスナーは当然、
本ブログの読者様にもぜひ聴いて欲しいよね。
《 メガネ 》
ここまで「太い盤」だと一回聴いたら「ちょっと他の盤挟む」なり、
休みたくなるもんだけど、これ、連続でかけたくなるんだよね……
音がホントに麻薬的だから、ここ最近他の盤を聴けてないくらい。
何度もヘヴィーローテーションしちゃってる……
{ 編集長 }
ソレは分かるよ!ただ、「ボブの作品は全てがそう」だと思うな。
特に「近年の『Time out~』以降の作品」って俺には充実している様に思える。
逆に10代の若い時は『Planet Waves』や『Desire』とか、とにかく好きだったんだよ。
でも今は「その頃を思い出して懐かしむワケ」じゃぁ無いし、
「思い出」だけを求めたら、それこそ「聖子ちゃんでいい」ってなる(笑)。
だから、「近年のリアルなボブ・サウンド」がダイレクトに染みるんだよ。
そういう年齢に俺もなったって事かもしれないが、「音の重さ」や「充実具合」は
本当に素晴らしいよ。ヘンな言い方だが「邪魔にならないし、クセになる盤」!
《 メガネ 》
私は今でも『Desire』なんてガンガン回せますよ!
{ 編集長 }
ただ、やっぱりあの頃よりも「サウンドの重さ、深さ」そして「詩の世界」が
本作も含めて素晴らしくてね!特に本作は「ボブも確実に死を意識しているなぁ」
って思える・・・そんな歌詩が何曲かあって。御歳80だろ?「円熟の極み」だと思うよ。
《 メガネ 》
ラストの『Murder Most Foul』なんて時間だけならプログレ並みに曲が長い!
LP片面丸々使った16分超えの大作ですよ?
この曲もひたすらシンプルなバッキングと「ボブの歌」だけ。
なのに一切テンションが弛まない、というか聴き手をダレさせてくれない!
前回の来日公演で喰らった「あの凄まじさ」が、まんまパッケージされてる!
{ 編集長 }
正直、この曲は「とんでもない曲」だな・・・・。
「この一曲で今までのボブを軽く超えて来た・・・」そんな印象なんだよね。
俺はこの曲だけで「本作を買って良かった!」と思ったくらいだよ。
君の言うサウンドはもちろん、「ビートルズを皮切り」に
「数々のミュージシャンと歌」を登場させる詩も信じられないくらい叙情的だし、
これまた君が言うとおりの大作だけれど、何度も何度も俺はこの曲を聴きたくなる!
確実に魔力があり、それってやはり「音楽への愛」「シニカルな目線」
そして「死への階段」が今のボブには見えるからなんだ、と思う。
《 メガネ 》
とにかくバンドとボブの「歌の仕上がりっぷり」が凄い。
今が全盛期って言っても過言じゃない。あと特筆すべきはやっぱりドニー!
ペダルスティールをメインにマンドリンとかアコーディオンも
存分に弾いてるんだけど、ドニーのプレイが今回のアルバム全体の雰囲気を
より支配してると思いますね。ものすごくウェットな、しっとりした音。
それでいて「鬼のようにタイト」!
{ 編集長 }
俺は正直サウンドよりも、説得力も含めた「ボブの歌唱力」というか「言葉」が
もう、本当に「エグイくらい」伝わって来てしまうね。
コレは「シンプルな詩で深さを語る」っていう「微妙な詩の変化」にも
十分に表れているのではないだろうか?
『Murder most foul』は確かに大作だけれど、詩はいたってシンプルで
英語にアレルギーがある日本人でもいくらかは分かるくらいでしょ? 
そこがまた伝わって来るんだよ!
「トミー聞こえるかい?私はアシッド・クィーン」
「『ナンバ-9』をリンジーとスティーヴィー・ニックスのために流して!」
って、もうこんな言葉遊びの連続だけれど「音楽史に残る名曲と人物」を
「ケネディ大統領の死」を土台に描かれ続ける。この曲は言い過ぎだが
「ボブの遺書・・・」みたいに聴こえる。それは俺の中で「感動の嵐」に陥っているよ。
ほら「レイ・チャールズ」が死ぬ直前の伝記(正確にはインタビューだが)で
「レッドベリーやナットキングコールからパクッたんだよ。」と
「様々な偉人を叩き台にして自分が成功した」ことを懺悔するじゃない。
ボブのこの曲には「懺悔の様子は当然無い」までも「音楽へのリスペクト」と
「音楽を後世に残す」という意味が痛いほど込められているように思えるんだよ!
《 メガネ 》
なるほど!まだ聴き込んで日が浅いし、歌詞もちゃんと読み込めていないから
今後変わるかもしれないけど、今時点での私の総評はサウンド的にも
「近年のボブの最高傑作!」ですよ!
{ 編集長 }
俺はこの曲『Murder most foul』に尽きるな!この一曲の中には
俺たちが「一生掛けて行おうとしている」そんな「良い音楽の伝達リスト」がある!
「この曲に出てくる人や曲たち」を片っ端から聴いて欲しいね!人生が豊かになる。
《 メガネ 》
そう言えば、今回「LPスリーブ」に付いていた写真がカッコいいんですよ!ほら!


{ 編集長 }
あれ、CDにはソレ無かったぜ。
《 メガネ 》
この人はやっぱりストラトが似合うなぁ!
「…ボブ、最近のライブだとギター弾くんだよね…」
あー!チクショー!コロナのバカヤロー!
ギター弾くボブ観たかったよぉ~! 観てぇよ~!
{ 編集長 }
まあまあ、落ち着いて(笑)!
とにかくコロナが収束するまで「ボブが生きていてくれる」ことを願うよ。
コレばっかりは全世界共通だから、俺たちは順応するより仕方がない。
実際それまでコレを聴いて「自分達の人生を見つめ直す」チャンスなんじゃないかな?
本作が「コロナ禍」で出されたことは「全世界にとって大きな意味が有る」
と、俺は今、そう思いながら聴いているよ。

(終)


《マシュメガネ対談》 今でもギタリストでは世界ナンバーワン! 「ジミヘンの秘蔵音源を語る!」

2020-07-02 11:34:07 | 編集長と副編集長の対談「マシュメガネ対談」

《 ハウリンメガネ 》
さあ、ジミだ!ジミだ!ほらほら編集長!前回の約束通り、ジミの話ですよ!
{ 編集長「Mash」}
♪ 分かってますよ〜、分かってるけぇど〜 ♩
《 メガネ》
何ですか?あなたらしくない「その民謡風な歌」は?
{ 編集長 }
アレ?知らんのか?「若竹スペシャル」だよ!
《メガネ》
ワカタケ?
{ 編集長 }
民謡歌手とソレを取り囲む若い踊り子からなる「民謡流行歌アイドルグループ」だ。徳間ジャパンから絶賛発売中です!
《メガネ》
あのぅ。ジミの話に行っても宜しいでしょうか?
{ 編集長 }
うむ。じゃあ進めたまえ。
《メガネ》
なんか話の腰を折られた感じですが、没後50年以上経っても音楽雑誌でギタリストランキングやったらだいたい一位のジミなんですよ!シャンとして下さいよ!
{ 編集長 }
ハァ〜。 そんなジミヘンに比べ「若竹スペシャル」は全然ブレイクしないんだよ。この時代、歌が上手いだけじゃあダメなんだよなぁ…。ジミみたいな奇抜なルックスも大切な要素だよ!
《メガネ》
前回の最後に話に出したアルバム「Jimi Hendrix featuring Little Richard」ですが、全12曲中、リトル・リチャードがフューチャーされてるのは3曲だけ!
{ 編集長 }
うむ。
《メガネ》
それ以外はジミの下積み時代の音源とジミのセッション音源という「タイトル詐欺」みたいなアルバムで……
{ 編集長 }
詐欺は言い過ぎだろ?ちゃーんと3曲も入っているんだから。
《メガネ》
いや!でもこれは詐欺だよ(笑)!リトル・リチャード全然入ってないもん(笑)!
{ 編集長 }
まあ、正直その3曲がメインにはなりえんわなぁ。
《メガネ》
まあ、タイトルについてはご愛嬌ということで、肝心の中身なんですが……リトル・リチャード御大には申し訳ないですが、他のセッション音源がいいんですよ。
{ 編集長 }
この盤って微妙でさぁ。ブートとオフィシャルの狭間で、元々ブートだけれど後々はオフィシャルで出ていたりするの!まあ見解としてはハーフオフィシャル盤と見られていると思うが国内盤も8曲入りと曲は少ないが出ていたのよ。
《メガネ》
1曲目が「レッドハウス」なんだけど、ど頭からクリームの「クロスロード」のリフで始めてて。この時点でロックファンは食いつくじゃん(笑)。
{ 編集長 }
ジミって予想以上に「EC is God!」の人でしょ?クラプトンをリスペクトしていて、クリームへの賛辞はライブMCでも多々見られたよね!
《メガネ》
で、この音源、やたらクリアなんですよ。アナログ感はないけど、楽器の分離がいいの。
{ 編集長 }
「伝説のテープ」を発表時に結構音いじっている様ですね。
《メガネ》
それでね、聴きゃ分かるんだけど、これ、ジミ以外のメンバー「エクスペリエンス」でも「ジプシーズ」でもないよね?緊張感もタイトさもあっていいセッションメンバーだと思うけど、なんのセッションだったんだろう?
{ 編集長 }
68年3月6日か18日ニューヨークのシーンというクラブでのセッションという話だが定かでは無く、後半のギターにジョニー・ウィンターが居るって言われているんだ。ベースはバディ・マイルズ!他は元マッコイズのメンバーとの演奏らしいぜ。
《メガネ》
4曲目のメドレーに「Morrison's Lament」が入ってるからジム・モリスンとのセッションした時の音源かと思ったんだけど、それにしちゃ音がクリアすぎるんだよな……
{ 編集長 }
ジムも参加している様ですよ!音はCDではリマスターでしょ!
《メガネ》
でも、この音源で一番私が引っかかったのはそのメドレーの2曲目の「Tomorrow Never Comes」!
これ、どう聴いても「Tomorrow Never knows」をネタにしたジャムなんですけどなんでタイトル変えてるのかね?権利関係の回避?
{ 編集長 }
前述の様に、ハーフオフィシャルだから微妙なクレジット擦り抜けだと思うけど、盤によってはちゃんと「ノウズ」とクレジットされている商品もあり、よくわからないよね!コレもモリソン参加という触れ込みです。
《メガネ》
まあ、タイトルについてはご愛嬌なんだけど、この「TNK」がね、いいんですよ。体感1分あるかないかぐらいの長さしかプレイしていないんだけど、ちゃんと原曲のメロディは活かしたままジミ流のインストになってて、メドレー中のいいフックになってて。
{ 編集長 }
うん。やっぱり出てくるよね!ビートルズが!「ジミヘンはサージェント発売から3日後にはライブでプレイしていた!」とポールが言うように、ビートルズを相当リスペクトしていたんだよね。
《メガネ》
しかし、「TNK」ってなぜかジャムセッションでよく取り上げられますよね。イーノもマンザネラとの「801」バンドでやってたし、あなたもやってたでしょ?
{ 編集長 }
そうだね。あの曲はコードが少なく、最悪1コードでも歌えちゃう!その分スペースが多く、料理し易いからだろうな!各パートがエンジョイ出来て好き勝手に出来る曲ってビートルズでは少ないだろ?
《メガネ》
ジミのプレイもいいし、最後に「サンシャインラブ」もやってて、クリーム好きで、ジミヘンファンの私としてはまあ、ニヤリとしちゃうアルバムなんですけど、今回、これだけでは話は終わりません。
{ 編集長 }
オッ!いよいよ「若竹スペシャル」に行くか?
《メガネ》
あなた徳間ジャパンの回しモンか!?
{ 編集長 }
ショボーン。
《メガネ》
はい、シャンとして!シャンと!さっきこのアルバム、音がクリアって話をしましたよね?
それと真逆の「テープのラフからそのまま起こしました」と言わんばかりの音質なのがこの取り出したる「Spicy Essence Apartment Jam 70」。


{ 編集長 }
おっ、コレ手強いよな!
《メガネ》
こちらは先程と打って変わってどう考えてもジミのアパートでの個人的なセッションをブートにしたとしか思えない音質のブツでございます(笑)。
{ 編集長 }
こーいうのが一番好きなんだよ!完成度云々言わせないプライベート感が素晴らしいゼ!
《メガネ》
最初パッと聴き、どういう編成でジャムってんのか分かんなかったんですよ。
ジャケットには「ギターと声だけ!」って書いてあるけど、多分、これ、ジミがギターと歌で、他にフィドルともう一人ギターがいるのかな?まあ、とにかく、バンドでのセッションではないわけ。
{ 編集長 }
この頃はジミのアパートに色々な人が出入りしてセッション三昧だった様だな。アリス・クーパーもよく行ったらしいゼ。ジミヘンからマリファナを渡されて初めてキメタ!と語っていたもの(笑) 。とにかく様々な人が出たり入ったり…だったんだろうね。
《メガネ》
なるほど!で、これを聴いて、私の頭に真っ先に思い浮かんだのはジャンゴですよ。ジャンゴ・ラインハルト。
{ 編集長 }
ジプシー・ジャズの大御所だな!
《メガネ》
編成のせいなのかは分からんけど、ジミがやたらスウィンギンなんだよね。
このアルバムでの「Room Full of Mirrors」とか完全にジャンゴよ?
{ 編集長 }
ジミヘンって大ヒットした後、晩年にバークレー音楽院でジャズを学んでいるだろ?正直「エエッ?」て思ったけれどマジメにジャズを勉強したかったんだろうなぁ。
《メガネ》
あなた、前回の話で「ジミはカッチリしたブルースが弾けない」って言ってたけど、その通りなんですよ。ジミってブルージーな要素こそ多分に持ってるけど、ブルースマンではないんだよね。どっちかって言えばジャズ屋に近い感性というか、もともとジャズ的なセンスの強い人ではあるけど、ここまで丸出しにプレイするんだ、と思って。
{ 編集長 }
「ブルースへの憧れ」って、クラプトン同様有ったと思うけれど、オーネット・コールマンの様なフリージャズもオーバーグラウンド化して来た時代。ジミはギターで「新しいジャズ」をプレイしたかったのだろうなぁ。
《メガネ》
ブルースって実はかなりブルースマナーに煩い面もあるじゃない?
ジミってブルースマンにはかなりキツくあたられてたらしいじゃない!(ハウリン・)ウルフに挨拶して無視されたり、マディ(・ウォーターズ)や、バディ・ガイには説教されてたっていうしさ。
{ 編集長 }
ありゃ売れたジミへのヤッカミもあるだろう。(笑)
《メガネ》
でも、これ聴いて納得いきましたよ。そもそもの感覚が多分違うんだよ。ジミがリトル・リチャードのバンドを飛び出してああいうロックに向かったってのはそういうことだったんじゃない?
毎回きちっとカッチリしたプレイをするよりも毎回違うアプローチで曲に向うっていう。で、それをやるにはブルースもロックンロールもルールが厳しい。だからなんでもありだったロックに向かった……
{ 編集長 }
そうね。本来ロックは自由だったハズだよな。でもジャズのアドリブ的要素って魅力的だったハズだよ。同時期のグレイトフルデッドが永遠に繰り出すJAMをステージ袖で見ていたわけでしょ?デッドは未だに過小評価されているけれど、ロックとジャズのミックスをステージ上で、しかもアドリブという形で成し遂げた功績はデカイぜ!
《メガネ》
なるほど。そう考えると、マイルスがジミとやりたがってたっていたのも納得できますよね。単にギタリストとして呼びたかったというより、音楽へのアプローチの仕方に通じるものがあったんじゃないかな。残念ながら二人の共演は実現しなかったけど。
{ 編集長 }
逆にマイルスは晩年に、伝説のブルースマン「ジョンリーフッカー」とのレコーディングを成し遂げたがね!
《メガネ》
彼も独自な人ですからね!
{ 編集長 }
一人の弾き語りで「カッチリとしたブルース」をぶっ壊した男だ!(笑)
《メガネ》
その「カッチリしたブルース」が弾けない天才ギタリストはブルースマンとして名を馳せる事はありませんでしたが、ロックギタリストとして伝説になりましたとさ、って言うと「ウサギとカメ」みたいだけど、でもこの2枚を繰り返して聴いていたらそういう事なんじゃないかと思いましたねぇ。
{ 編集長 }
「ウサギとカメ」か?でもジミは死ぬまで努力していたと思うぜ!「ウサギの休憩」を「彼のアシッド癖」と言えば、まあ言えなくもないわな。でもそうなると「カメ」は長生きした「ジョンリーフッカー」なのか?
《メガネ》
いや、別にそんなコトは…
{ 編集長 }
確かにあのズングリムックリした風貌… カメかもしれんな!
《メガネ》
「ブルースの神さま」みたいな人ですから、もうその辺りで…。
{ 編集長 }
「カメ」も「カミ」も一文字違いで同じもんよ!
♪もしもしカメよジョンリーよぉ〜♩
《メガネ》
ああ余計なこと言っちゃったなぁ…。
{ 編集長 }
大丈夫!カメは何でもお見通し!
♪「カメハミハッ!ソレ、カミハミハ!」どっちもジョンリーだぁ〜♪
《メガネ》
ううっ……それ歌うなら「若竹スペシャル」の方がまだイイ気がする…マズイ。気になって来た…
{ 編集長 }
♪ 分かってますよ〜、分かってるけぇど〜 ♩
《メガネ》
嗚呼、結構耳に残るぅ…!

【完】


《マシュメガネ対談》 ロックン・ロールよ永遠に… (リトル・リチャード追悼編)

2020-06-04 14:42:28 | 編集長と副編集長の対談「マシュメガネ対談」

《ハウリンメガネ》
こんにちは、西田敏行です。
もしもぉピアノがぁ〜……なんですかその冷たい目は。
{編集長Mash}
そもそも西やんが『日本俳優連合』の理事長で「俳優もコロナで厳しい!」と意見書を出したりしたので、今回はその事に切れ込む気だな!
《メガネ》
相変わらず深読みですよ!あなた…
{編集長}
えっ違うのか?じゃあNHKラジオで毎週日曜日に放送する「竹下景子さん」とのアレか!二人だけで全ての登場人物を演じる、あの究極のラジオドラマに切れ込むのか?そんなフリを俺は待っていたぞ!
《メガネ》
……まあ、なんでこんなフリから入ったかといえば、偉大なるピアノマン「リトル・リチャード」が亡くなったからなんですけれども…
{編集長}
ああ…そういうことね。
《メガネ》
ガッカリしすぎですよ、あなた!そんなに西田さんを語りたいの?
{編集長}
いやいや…そんなことも無いんだがね。
《メガネ》
しかし最近訃報ばっかりで、ついつい我々の音楽話もそっちに行きがちですな。
{編集長}
若手と思っていたロニーウッドがもう70歳超えだからなぁ。
《メガネ》
しかし、いくつだったんだ?87?米寿目前だったか……病死だったらしいけど、とはいえ、大往生といっていいんじゃなかろうか。
{編集長}
下積み時、小さい小屋で「専属1ヶ月のLive契約」をしていた最中にヒットしちゃって、そのショボい契約を放り出して逃げちまうんだよ!
《メガネ》
えっ、そんなことが?
{編集長}
で、その後この小屋では残りの公演を「リトルリチャード」と名乗り歌う黒人を当てがう…替え玉だな。でもその「替え玉」がリチャードよりも盛り上がってしまった…
《メガネ》
リチャード形無しじゃないですか!替え玉はそんな凄かったワケ?それとも…
{編集長}
ふふふっ。その替え玉こそ血気盛んな若き日のJB!そう「キング・オブ・ソウル」ジェイムズ・ブラウンだったのさ!
《メガネ》
うわぁ!
{編集長}
「R&Rホールオブフェイム」のコンサートではトリがリチャードで、その前に出たJBが会場を最高に盛り上げてしまったよね…力の差だろうが、あのLiveはアレサも凄いし、結局黒人のパワーを感じた瞬間だよな。今のアメリカでのデモもそうだしさ。
《メガネ》
ロックの元祖が黒人音楽ですから当然ですよね!ところでチャック・ベリーと並ぶロックンロールのオリジネーターであり、ポール師匠を筆頭にロック黎明期の人たちでこの人に影響を受けてない人はいないってくらいの大御所ですが、私、若い頃、この人全然興味なくて。
{編集長}
そんなヤツァおらんだろう〜。
《メガネ》
師匠ネタ入れて来た!だって、ギタリストじゃないから。
{編集長}
責任者出て来い!
《メガネ》
ううっ「昭和の大師匠ネタ」まで…やめてくださいよ!またそうやって「分かってねえなこの野郎……」みたいな目で言うの!
{編集長}
おお若いの!何やら理由でもお有りか?
《メガネ》
……ほら、この人の名前が出る時って「ロックンロールピアノマン」って切り口で紹介されることが多いでしょう?私、昔はギターを入り口に音楽を探してばかりだったから、ピアノ弾きは後回しにしてたんですよ。
{編集長}
君はギター好きだからねぇ…
《メガネ》
吐き捨てる様に…ほらそんな睨まんと……
{編集長}
別に睨んじゃいないよ。気になる話だから目も鋭くなるさ。
《メガネ》
まあ、さすがに有名人ですからね、「聴いとかんとまずいか」と思ってベスト盤かなんかを買ったんですよ。
{編集長}
俺は20代初期の頃、ステージでのR&Rメドレーで必ず「Tutti Frutti」を入れてたぜ!
《メガネ》
あのね……これがリトル・リチャードがロックンロールのオリジンと言われる理由なんだと思うんけど、この人、リズムが「縦寄り」なんだよ。
もちろん「縦ノリ」の曲でもスウィングはしてるし、「横ノリ」の曲もあるんだけど、同時代のシティ・ブルースとかと比べても圧倒的に「縦ノリ」。
このリズムがそれまで世の中になかったわけでしょ?
{編集長}
時代背景による必然なんだよね。
《メガネ》
で、そのリズムについた名前が「ロックンロール」だったわけだ!それが分かった時はもう、私「考古学者気分」だったワケですよ(笑)。
{編集長}
大きく出たね!(笑)
《メガネ》
やっぱりチャック・ベリーもそうだけど、あのリズムがロックンロールの基本じゃない?
ボ・ディドリー・ビートとか、レゲエもそうだけど、リズムが一つのジャンルを作るっていう。
そう考えるとやっぱりリトル・リチャードとチャック・ベリーがロックンロールのオリジネーターなんだよなぁ。
{編集長}
ギターとピアノっていう違いはあれどね。
《メガネ》
そうです。これは彼がピアノマンだっていうのが影響してると思うんだけど、ピアノって鍵盤を縦方向に押しこむ楽器じゃない?んで、ギターはまあ、いろいろ弾き方はあるけど、弦を横方向に引っ掻く楽器でしょ?ピアノの方が「バン!バン!」ってリズムを叩くようなプレイにマッチしてた結果、ああいうリズムになったんじゃないかと思うんだけど、あなたどう思います?
{編集長}
実は君のいう通りピアノという楽器の特性が大きいのよ!ブルースやジャズでもピアノは昔から使われているだろ?その楽器特性からテンポも早く出来、しかも明るい音色だから、古来より男性ブルースよりも女性ボーカル物に多く使われていたんだね。哀愁感情を表すにも女性向けだからビリーホリデーなんか素晴らしいじゃない!逆にギターは男性哀歌にピッタリ!ブルースでこそ打って付けでしょ?
《メガネ》
でも結局この人の凄さは歌だよ、やっぱり。
ハードな曲でもメロウな曲でもガンガン上にしゃくり上げるあの歌い方!録音レベルオーバーしちゃって歪んじゃうあのシャウト!ポールのシャウトなんて影響もろ出しじゃん(笑)!
そういやポールがリチャードに直接歌い方を教えてもらったことがあるってホントなの?
{編集長}
コレは本当の話だよ。若き日のビートルズがハンブルグで一度リチャードと全員かはわからないけれど演奏した様だね!リハみたいな遊びで。また、リチャードはポールと共にピアノを囲んでシャウトを教えたらしいのよ!この時にポールは自筆サインを入れたシャツを彼にプレゼントしているんだ。まだ無名のビートルズなのに、リチャードも大切に取って置いた様だね!
《メガネ》
へぇ〜!想像だけど、ロニー、あ、ジェイムス・ディオの方ね(笑)
{編集長}
おいおいロニーと言えばロニーウッドだろ!(笑)
《メガネ》
とかもリトル・リチャードの影響、あるんじゃない?節回しの感じとか、なんか近い気がするんだけど。
{編集長}
アレはポールの影響だな。ほらオジーもそうだが、イギリス人みんなポール好きだから!まあ脈々と続く「リチャード節」には違いねえ!
《メガネ》
さっきのリズムの話に戻るけど歌い方もこう、タメずに符割からオーバーするくらい詰め込んでバンバン言葉を入れてくるよね。普通、舌回んないよ(笑)!この歌いっぷりはやっぱりゴスペルから来てるのかな。デビューしてすぐに一回引退して牧師になっちゃうくらいの人だもんね。
{編集長}
JBやアレサもそうだけれど説法の部分からも教会音楽が染み込んでいるよな!
《メガネ》
ジミヘンが彼のバンドで下積みしてたってのは有名な話だけれど、なんで離れたかもちょっとわかる。多分ジミはもっとリズムに自由のある環境でやりたかったんじゃないかな。ジミがバックに入ってるアルバムの「リトル・リチャード・イズ・バック」とか聴くと、「あ、ジミだ」って分かるけど、やっぱりまだあの自由奔放さはないもんね。
{編集長}
それこそギター弾きで、彼はしっかりしたブルースが弾けず、プレイも独自だったワケ!そこにビートルズが出て来て揺れて行くワケでしょ?凄い時代だよ。
《メガネ》
まあ、リチャードも自分のスタイルに厳しい人だったろうしねぇ。「ステージで俺より目立つな!」ってジミが怒られたんでしょ?
名前は地味(ジミ)なのにね!
{編集長}
責任者出て来い!
《メガネ》
……失敬、口がスベりました。
{編集長}
まあ当時ビートルズはポッと出の若く元気な英国人!くらいにしかリチャードも見てねえし、自分やベリー、兵隊に行ったがエルヴィスがトップスターだと認識していたはずだから、ジミには酷だよ。ただジミは若くロックの新しい可能性が見えていたんだろうね!
《メガネ》
私の結論としてはしょっちゅう聴くほど好き!ではないんだけど、たまに聴くと「おぉ……やっぱ凄ぇ……」ってなる人ってところですねぇ。
やっぱりオリジネーターには凄味があるよ!
{編集長}
この辺りの「ルーツRock」を聴かずに音楽って出来ないよね!他にも凄い人がウジャウジャいたでしょ?ロックとは言われないけれど、レイチャールズやナットキングコール、シナトラまで…まあ凄い時代だよなぁ。
《メガネ》
そういや、今回、あなたからリトル・リチャードのCD送ってもらったじゃない。
あれの中に入ってた「ジミ・ヘンドリクス・フューチャリング・リトル・リチャード」のジミ単独パートが良くってさぁ!
{編集長}
おいおいココでジミヘンはマズイだろ?
《メガネ》
え?時間がない?もうちょっと喋りましょうよ!
{編集長}
一応リチャード追悼対談なワケでさ(苦笑)
《メガネ》
じゃあ、次回!次回にやろう!
{編集長}
流れはイイがジミヘン語るにゃ1回じゃ終わらんぞ!
《メガネ》
語り尽くしましょう!何度でも何度でも!起き上がれ!ジョー!
{編集長}
君いつから丹下になったんだ?
《メガネ》
ジョーじゃないですね(笑) 起き上がれジミ!でした。
{編集長}
責任者出て来い!
《メガネ》
責任者あなたでしょ?
{編集長}
うっ…母ちゃんゴメン!
《メガネ》
……

 


《マシュメガネ対談》「辛口Live言いたい放題!」(James Brown アポロ編)

2020-05-07 18:12:00 | 編集長と副編集長の対談「マシュメガネ対談」

《ハウリンメガネ》
やってらんねぇぇぇ!!!
{編集長「Mash」}
おいおい、のっけからどうした?
《メガネ》
失敬。諸々溜まっておりまして。
{編集長}
うむ。時にはヌクとイイぞ!まだ若いんだから。
《メガネ》
いやいや、そっちじゃなくて…(苦笑)
{編集長}
じゃあテレワークに飽きたのか?
《メガネ》
それには慣れましたが、とにかく嫌なニュースが多すぎますわ。国の対応もそうですが、私は世間が「相互監視社会化している」のが、一番腹立たしい!辛い人間同士で石を投げあって何になるというんだ……
{編集長}
ああいう「コロナ差別」や「自粛ポリス」「米中対立」みたいな類の話だな? GW明けの今日から「自治体による自粛緩み」も、ある意味同じで「人間同士なのに協力の希薄さ」を感じるぜ!実は俺、「この緩み」が長期化に輪を掛けると思っているよ…。
《メガネ》
「フクシマン氏」じゃありませんが、こんな状況で「負の情報」ばっかり目に入ったら、そりゃ調子も崩すでしょうよ。
{編集長}
ネットは「寂しさから来る依存」の一種で、特にSNSは最悪だよね…「寂しさ」を「偽りの相互関係」で補ってるからハッピーじゃないんだ。肩も凝るしな(笑) 。
《メガネ》
ま、氏もあなたも書いていたとおり「最低限のニュース」以外は「シャットアウト」して自分の好きなものに目を向けるのが一番の薬ですな。
{編集長}
結局は大切なのって「時間」だろ?俺は20年前のネットユーザーだから未だに「ダイアルアップ癖」が抜けないし、スマートフォンにも「高速ネット通信の制限」を掛けているんだ!「依存性」があると知らなきゃ、ズルズルと「あっちの世界」に足元をすくわれるワケ…。俺はソイツを理解しているお陰で「家では持ち歩かない」と「高速通信制限」のWカットで対応しているのよ!
《メガネ》
相変わらずの徹底ですね!じゃあ何に目を向けるか?私ゃやっぱり音楽です。まあ、ほかのこともしますが。
{編集長}
基本が有って肉付けが有る!「基本が音楽」という君の姿勢を羨ましく思う読書も居ると思うぞ。俺は「基本はスポーツ」だが肉付けとしてやっぱりギターを弾くよ!イイ気分転換にもなるし、曲も久々に書いたな。とにかく「せっかくの時間」を有効に使って行くべきさ!
《メガネ》
でもねぇ、こーいう「外でアクティブな動き」ができない時ってやっぱり音楽も「なんか違ぇなぁ」って選曲が決まらねえんですよ。
{編集長}
ああ、分かるぜ!理屈っぽいのは聴きたくない!
《メガネ》
そういう時に問答無用でバチーン!と決まる音といえば?そう!ブラックミュージック!それもレジェンド級!
{編集長}
黒人音楽には「生きる根源」みたいなモノがあるからな!この時期に丁度いいよ!
《メガネ》
というわけで。
今回のお題は「ゴッドファーザー・オブ・ソウル」にして「ファンクの帝王」!そう!ジェイムズ・ブラウンの「ライブ・アット・ジ・アポロ1995」です!

{編集長}
あまり知られていないラストのアポロだな!JBといえば「アポロ公演」だろ!何枚も「アポロLive」は出ているが、95年の本アポロ盤はもっと知られるべきだよ!
《メガネ》
そう!黒人音楽の殿堂・登竜門として名高いニューヨークは「アポロシアターでのライブ盤」です。
ジャケ写がニューヨークとJBの合成写真なんですけど、まだツインタワービルが建ってるんですよね。もうJBが逝ってから何年だっけ?14、15年か?早いねぇ……
{編集長}
俺は何度も何度もJBを見たけれど、彼以上のライブは経験出来なかったなぁ…。ポールもボブもストーンズも腐るほど見たけれど、JBショーは群を抜いてスゴイんだ!
《メガネ》
この時期のJBのバックバンド、「ザ・ソウル・ジェネラルズ」によるM1「イントロ(JBショートメドレー)」からM2「コールドスウェット」でJBが歌いだす瞬間にバシッ!と入るスイッチ!
{編集長}
メンバーは入れ替わり有れど、このバンドも良かったのよ!
《メガネ》
でも割とM2とM3はクールな感じでキメてるんですよね。M4「男の世界」からJBとバンドの熱量が一気に上がってる感じしません?観客とのコール&レスポンスも盛り上がりだしてる。
{編集長}
ふふふっ!実はこの客の声はアフレコだぞ!
《メガネ》
えっ、そうなの?
{編集長}
よく聞いて欲しい!JBの全てのアポロライブでは客の歓声をワザワザ大きく入れ込んでオーバーダブしているんだ!コレもJBの手腕で、伝説のひとつなんだよ!
《メガネ》
きめが細かい…。曲のケツでJBがジョンとかジャニス、ボブ・マーリー、ジミヘン達レジェンドの名前の連呼するのに対してレスポンスするバンドのノリとかは、初期クリムゾンっぽいなと思うのはまあ俺がクリムゾンファンだからなんだけど(笑) この辺のバンドリズムの切れ味はホントに凄いですよね。JB聴いてるとエレクトリックマイルスに通じるものを感じるんだけど、絶対マイルスはJBのことも意識してましたよね?
{編集長}
あれっ?マイルスが「JBには音楽の全てがある!ジャズもブルースもポップスも!」と言い、エレクトリックに移行したコトを知らないのか?逆にJBは50年代マイルスのジャズを60年代自分のソウルバンドに組み込んだワケだよ!
《メガネ》
なるほど!影響し合っていたんですね。
{編集長}
60年代はビートルズとボブの様に大物が凄まじく影響し合って「新しい音楽」を作ったワケだよ。JBのファンクはビートルズのロック同様「永遠の大発明」だろ!ディスコもラップもヒップホップも全部JBの焼き直しだもんな!(笑)
《メガネ》
ディスクに戻ると、こっからはもう完全にエンジンもかかりきったJBの「ザ・ファンクショウ!」
M5「ゲット・アップ・オファー・ザット・シング」のガツガツくる感じは凄くいいし、M10「パパのニューバッグ!」あれ、ファスト過ぎでしょ(笑)!しかもバンドが全然乱れない!普通ここまでファストだったら多少は乱れるもんだけど、まあ見事な統率っぷり。
{編集長}
JBはその日の気分でビートをupさせるからな!ステージでも凄い形相でバンドに指示を出すだろ?客には笑顔だが、バンドの音には細かな指示…プロ中のプロ…あんなステージはJBだけだよ。
《メガネ》
M11「リビング・イン・アメリカ」は別録りなのかな?この曲だけ浮いてる感じがあるけど、俺、この曲好きなんですよね(笑)。ロッキー4の主題歌だっけ?これぞ80's USファンク!自然と体が動くのよね(笑)。
{編集長}
別録音は他にもあるけれど、それもこの盤の味だろうなぁ。
《メガネ》
M12の「メイク・イット・ファンキー」M13「ゲット・オン・ザ・グッド・フット」の粘っこさも濃いねぇ。滴る汗が見えるようだもの。
{編集長}
この二曲は絶対の大名曲だよね!
《メガネ》
M15「ジョージア・ライナ」のクールでメロウなJBもカッコいい!JBはなに歌ったってカッコいいんだけど、こういうアーバンなクールネスが似合うと思うんだよなぁ。伊達男!って感じで。
{編集長}
バラードはもちろん、ブルースやジャズもJB節で歌い上げる!
《メガネ》
で、後半最後は
M16「アイ・フィール・グッド」
M17「プリーズ・プリーズ・プリーズ」
M18「セックス・マシーン」
の怒涛の三連発で〆て、最後はスタジオテイクのM19「リスペクト・ミー」で終わると。
{編集長}
知ってる?JBってサイン書く時に必ず「I feel good!」って添えるんだよ!コレで本物か偽物か分かるっていう(笑)
《メガネ》
JBのアポロでのライブ盤はこれが4作目ってことで、せっかくだったので67年の「ライブ・アット・ジ・アポロ(vol.1、2)」と聴き比べてみたんですよ。


{編集長}
コレも素晴らしいだろ!
《メガネ》
あのね、正直、バンドの「タイトさ」でいったら67年の方がいいと思ったんだ。でもこの1995年の方が明らかに熱量が凄いんだよね。
{編集長}
おっ良い所に気が付いたね!キングではセールスに縛られていて必ずしもJBの「本意じゃない盤」も売れるから出している…まあJBも売りたいからガンガン出すよな!一方スコッティブラザーズではJBの位置を理解してくれていて、JBの意向が反映されているんだ!
《メガネ》
私、JBの凄さってここにあると思ってて。
普通、年とってからのライブって落ち着くでしょ。
逆なんだよね、この人。晩年までツアーの予定組んでたんだもん。ハードなショウビズの最前線でひたすら汗かいてたんだよね。しかも観客に衰えを感じさせないことを自分に強いて。
{編集長}
ツアー中に死んだワケじゃない!凄いぜ!最後までショービジネスで一番忙しい男だったワケ!
《メガネ》
「ファンクの帝王」でもあるし、「ソウルのゴッドファーザー」でもあるんだけど、やっぱりこの人を呼ぶとしたら「キング・オブ・エンターティナー」って呼びたいな、私は。
{編集長}
もっと言うと死んだ後も「冷凍詰めのガラス張り棺桶」をステージ脇に飾り「JB‘s」や「ジェネラルズ」、その他大物JBフォロワーが演奏会を何日も行った…死後もエンターテイナーだったの!(笑)
《メガネ》
ええっ!死んでるのに死んでない!
{編集長}
誰も真似出来んぞ!
《メガネ》
そういえば、真似じゃないですが俺の伯母さんがJBに似てるって話しましたっけ?
{編集長}
知らんが、時たま居るよな!JB似のオバハン!
《メガネ》
じゃ俺の婆ちゃんがミックに似てるって話は?
{編集長}
えっ、そうなのか?俺の叔母さんでキース似の人がいるので、組ませてグリマーツインズと行くか?
《メガネ》
「黒く塗れ」とかやらせましょうよ!顔もクロ塗りで!あなたマネージメントお願い出来ます?
{編集長}
君、シャネルズじゃないんだから…
《メガネ》
真似出来ないコンビだと思うんですがね…(ショボン)
{編集長}
申し訳無いが、誰の為にもならなそうなので、辞めておくよ…

(終) 


《マシュメガネ対談》 「辛口Live言いたい放題!」 (特別追悼 : 志村けん) 編

2020-04-02 11:30:54 | 編集長と副編集長の対談「マシュメガネ対談」

《ハウリンメガネ》
いやぁ……嫌なニュースが流れたと思ったらまさかの…… 回復して帰ってきてくれると思ったんですけどね……
{編集長「Mash」}
今回のコロナは「人類の危機」だって、皆んなが認識するべきだと思うよ!
《メガネ》
しかし、本当に気をつけないとダメですね。 私自身は元気だけど、自分が保菌者かも分からんから、私ゃもう可能な限りご老人には近づかんようにしております。
{編集長}
俺はもう「ひとり働き方改革」を実行しているので、ほぼ外には出ていないゾ!外に出る場面というのは「食品の買い出し」と「誰も居ない公園でのキャッチボール」のみで、もちろん移動はマイカーに限る!
《メガネ》
相変わらず徹底していらっしゃる…
{編集長}
そりゃあそうだよ。今回ライブハウスやバーで働く人達が自粛要請に「客が来ない!」とか文句を言ったりしてるけれど、俺から言わせりゃ「命が有れば何でも出来る!」んだよ!
《メガネ》
ううっ… ハードパンチ!
{編集長}
コロナが落ち着いたらバリバリ働きゃいいだろ?それにワザワザ店に来させて、お客様を「命の危険にさらす」ってコトを理解していないんじゃないのか?ああいう意見は少しマトハズレだと思うね!芸能界の大御所「シムケン」でさえ亡くなったんだぞ!「お金で命は買えない」って、今こそ気付くべきでしょ!
《メガネ》
確かに「志村さん」のご冥福を祈るばかりですが、それだけじゃさみしいしね。今回は「志村さん」の話にしましょうか。
{編集長}
ああ、この場でしっかりと追悼するべき人だな。
《メガネ》
「志村さん」っつーと、どうしてもドリフの話になるんだろうけど、あなたリアルタイムで「8時だヨ!」見てた世代でしょ?残念ながら私、リアルタイムで見れたのは「ドリフ大爆笑」だけなんですよね…。
{編集長}
まあ世代はそうだが、こういう場でもハードパンチに言わせて貰うけれど、俺は余り好きじゃなかったんだよね…。下品な芸に見えてさ。しかも俺は漫才が好きだったからね。「鳳啓介と京唄子」や「ヤスキヨ」なんかが面白いと思っていたんだ。
《メガネ》
オオトリって… まあ、その話しはまた次回にして… だから私の中の「志村さん」って「ドリフの志村」じゃなくて「カトちゃんケンちゃん」、もしくは「だいじょうぶだぁ」の「志村さん」なんですよ。つまり、ドリフ以降ね。もちろん再放送とかで見ていたから「ドリフの志村さん」も知ってはいるんだけれど。
{編集長}
俺は逆にドリフしか知らないんだよね。
《メガネ》
あとね、あなたゲームしないから知らんと思うけど、私の世代で「志村けん」っていったらPCエンジン(ゲーム機)で出てたアクションゲームの「カトちゃんケンちゃん」とカップ麺の「ケンちゃんラーメン」のCMね。何年たっても「新発売!」のやつ(笑)。
{編集長}
テレビもある時期から見てないから分からないけれど、ラーメン出してたの?凄えなあ(笑) それに君もよく知ってますなあ…。
《メガネ》
あと、あれですね。私が見てた、聴いてたお笑いの人たちってだいたいあなたぐらい、つまり「ドリフ直撃世代」の人たちが多いんだけど、この人たちのトークの小ボケに「8時だヨ!」のネタがむちゃくちゃ出てくるんですよ!「志村ー!後ろー!」とかね(笑)。だからリアルタイムの「志村さん」見つつ、ドリフの志村伝説を後で知る(笑)、みたいな感じでしたねぇ。そう考えると「ビートルズ」みたいだな…「セットオンユー」の大ヒットでジョージを知り、ビートルズへとさか上る、みたいな(笑)。
{編集長}
そう言えば「シムケン」はビートルズの来日公演、あの「武道館」を観ているんだよ!知ってた?
《メガネ》
エッ、そうなの?
{編集長}
そこで衝撃を受けて、パフォーマー、強いてはビートルズの前座で武道館に出てた「ドリフ」の門を叩くワケよ!
《メガネ》
やはりビートルズからなのか!その後、私たちの敬愛する「ブラックミュージック」へとスライドするわけですか!?
{編集長}
そうだね。ビートルズを観て人生が変わった…彼もまたそのひとりなんだね。
《メガネ》
そこで忘れちゃいけないのが「志村さん」の「ブラックミュージック」志向ね。 ヒゲダンスとか早口言葉みたいなドリフが使っていた「黒さが強い曲」は元ネタ聴いた「志村さん」が「これ使いましょう!」って推してたんですよね?
{編集長}
音楽好きから業界に入った人だし、流行にも早かったからね!
《メガネ》
「長さん」とか「カトちゃん」はディスコサウンドにはどんな反応だったのかな?採用されてるってことはオッケーだったのは間違いないけど、どんなやり取りだったのかな。「ブーさん」はなんかニコニコして「いいね、いいね使おう」とか言ってそうな気がするけど(笑)。
{編集長}
ここであえてドリフの面子が音楽家として、どれだけ凄いのか!って言うのを伝えておこうか?君はそれほど知らないだろうから!
《メガネ》
「ブーさん」のハワイアンとかは周知の事実でしょ!
{編集長}
うむ。ただそれだけじゃあ無いよ。「仲本さん」も「ブーさん」も「とんでもなくギターの名手」であり、ジャズ、ブルース、もちろんPopsやROCKもホント流暢にこなすぜ!二人ともリズム感抜群だしな!もちろん「加トちゃん」は名ジャズドラマーでソロドラムだけでもバリエーションが多いし、「いか長」のベースもベタッとコビリツク…そんなベースラインを得意としていたよね!だから音楽家として皆んなで選んでいたと思うんだよね。そもそも「いか長」が物凄く厳しくメンバーを追い込む…っていう(笑) そんな有名な「ネタ会議」があった末のコントだから!
《メガネ》
でもこの「志村さん」の選曲センスが日本のブラックミュージックの裾野を拡げたのは間違いないでしょ!当時の視聴率オバケ番組でこういう音が流れてたってのは絶対僕らにも影響していますよ。ところで「志村さん」のディスクレビューって読んだ事あります?
{編集長}
いや、俺は全く、ホント何事もインプットしない人間だから…(苦笑)
《メガネ》
(笑) 私も紙媒体じゃなくてネットで見ただけなんだけれど、スティービー・ワンダーとかスモーキー・ロビンソンとか、とにかく黒いのばっかりレビューしてんの(笑)。
{編集長}
ほぅ。モータウンね!
《メガネ》
そうそう。で、また書き味がイイんだ。真面目なんだけど、さらっと笑いが入っていてねぇ……ホントに好きだったんだろうね。
{編集長}
結局は俺たちって「音楽の話」になっちゃうんだよなぁ。そんな逝っちまった「シムケン」に捧げる一曲を選ぶとしたら、君なら何を選ぶ?
《メガネ》
 「志村さん」に捧げる一曲か。 ……オーティス・レディングの「リスペクト」で。 私、オーティス聴くとドリフを思い出すんだよね(笑)。 

{編集長}

えっ?どの辺りが?
《メガネ》
なんとなくだけれど、ドリフのコントで使ってる曲のホーンの感じ、オーティスとかあの時代のソウルっぽくないですか?
{編集長}
パワワワワン!みたいなオチのやつとかね!
《メガネ》
YES!この辺のソウル、R&Bは絶対好きだったでしょう、あの人は。「こういう感じにしてくれ!」って言ってたんじゃないかなぁ…… うん、無理くりかも知れんけど「志村さん」への「リスペクト」も込めて、この曲で。
{編集長}
なるほど。彼への「リスペクト」も含めてか!俺はやっぱりビートルズだね!ソレももう絶対彼のイメージと大きく違う大名曲「イエスタデイ」!
《メガネ》
うわぁ。教科書的名曲を何でまた?
{編集長}
ビートルズの武道館チケットを同級生の女の子から「俺の方が君よりビートルズ好きだ!」と無理矢理奪った彼だぜ!(笑)
《メガネ》
えっ!そうやって手に入れたの?
{編集長}
そのチケットを手に生でビートルズを観てさ、前座でついでにドリフも経験して、その後ビートルズに近かったそのグループの付き人になるワケじゃない!「この武道館が芸への原点」だと思うんだよ。そして、グングン前へと行く図々しさ!の原点!そりゃあ頂点に立つワケだ!
《メガネ》
でも何で「イエスタデイ」?
{編集長}
武道館でもこの曲をやっているし、ほら、一番遠いイメージじゃない。「シムケン」と… 。でもね、なんとなく彼の「独りの時間」に流れていて欲しいんだよ。で、実際流してあげたいなぁ…と思ってさ。ゆっくり聴いて欲しいな。
《メガネ》
いやあ、というわけでやってきましたが、せっかくですし、今回は注意喚起の意も込めてアレで〆ますか。
{編集長}
ん?何?
《メガネ》
ほら、どこからともなく聴こえてくる例のテーマ曲!
{編集長}
ん?
《メガネ》
(ババンババンバンバン) 手ぇ洗えよ! (ババンババンバンバン) ウガイもしろよ! (ババンババンバンバン) ちゃんと寝ろよ! (ババンババンバンバン) 栄養とれよ! また来月!
{編集長}
結局この曲こそが彼へ贈るベストソングかもなぁ。御冥福をお祈り致します…。


《マシュメガネ対談》「辛口Live言いたい放題!」(ボブ・ディラン96年7/18「オスロ公演」)

2020-03-05 16:10:12 | 編集長と副編集長の対談「マシュメガネ対談」

《ハウリンメガネ》

どうもどうも。今月もやって来ましたねぇ。対談企画!

{編集長「Mash」}

なんだ?なんだ?君随分元気じゃないか!

《メガネ》

コロナが大問題化している真っ最中ですが、あなたこそ、お元気ですか?

{編集長}

俺はいつも通り元気だぞ。

《メガネ》

私もね、体調は問題ないんですが、出演予定だったイベントがこの騒ぎで中止になりまして。しかもその翌日に兵庫で感染者が出たというニュースが出るという……

{編集長}

全国で色々感染者が出ているし、我が街の鎌倉では市の職員が感染者の出たヨガスタジオに複数人通っていてね…だからって、そんな心配ばかりしていたら何も出来んぞ。それこそ役所にも行けないだろ?

《メガネ》

しかしまったく、買い占めやらデマやら、嫌なニュースばっかりですね。こういう時に人間ってやつの愚かしさが剥き出しになりますな。

{編集長}

そうそう。剥き出しにするのはブッチャーの3rdステイトだけでイイ!

《メガネ》

………

{編集長}

黙るなよ!

《メガネ》

まあ兎にも角にも世間は混沌としてますが、我々は粛々と己のやることをやるしかありませんな。ブッチャー剥き出したり。(笑)

{編集長}

違う!今や剥き出さないで貼ったままの「2ndステイト」に価値が出ているんだよ!もちろん綺麗に剥き出た4人組の肉ジャケなら価値は高いのよ♡

《メガネ》

………なんのこっちゃ

というわけで、この辺で不毛な暗い話はやめにして…

{編集長}

不毛でも暗くもないぞ!俺は健全なスポーツマンだ!

《メガネ》

とにかくビートルズはちょっと置いておいて、今回はもうこの人の話しかないでしょー!

{編集長}

昨夜ポールにサインをねだる夢を見たんだ!

《メガネ》

……その人じゃありません。来日も迫ってまいりました、ボブ御大でございます。

{編集長}

ああボブね。来れるのかなぁ?

《メガネ》

ホントにボブの安全の為にもコロナが長びかないことを祈るばかりですが……来る事を前提として進めますよ。

{編集長}

いやに威勢がいいな…どうぞどうぞ。

《メガネ》

と言う訳で今回はボブの96年、ノルウェーはオスロ公演のブートCDでございます。

{編集長}

おお!コレはイイんだよ!

《メガネ》

オスロっつーとボブも文学賞を獲ったノーベル賞で有名ですな。ん?オスロで授与式やるのは平和賞だけか?ニアミスですな(笑)。

{編集長}

ボブやニール・ヤングのLiveって北欧公演やアイルランド公演に良いのが多い印象があってさ。コレもそんな内容ですな。

《メガネ》

96年っていうと、ボブのオリジナルアルバムはしばらく出してない時期ですよね?

{編集長}

ただ翌年には究極盤「Time out of mind」が出るだろう?レコーディングも始まっていただろうから、身も心も充実した時期にあったと思うぜ!

《メガネ》

ネバーエンディングツアーが始まってから5〜6年くらいの時期でしょうか。

{編集長}

89年からだから7年目かな。とにかく良い時期だね!

《メガネ》

しょっぱなの「ヒョウ柄のふちなし帽」から飛ばしてますね!別にファストとかって意味じゃなくてね、ドシッと腰の据えられたヘヴィなブルースサウンドで最初からガツン!とやってるという。

原曲がデルタブルースだとしたらこっちはシカゴブルース。

{編集長}

おお、ボブのルーツには必ずルーツミュージックが有るし、彼はブルースマンともカントリーマンとも呼べる人物だからね!

《メガネ》

続く「黒いロングコートの男」も「見張り塔〜」もえらいずっしりとした重量感のあるプレイですよね。

{編集長}

ルーツサウンドにRockが上手く味付ける!ストーンズだと逆でしょ?Rockにルーツが味付ける!っていう(笑)

《メガネ》

なるほど!そして良い音楽の基本だと思うんですがこのセットリスト、エレクトリックセットとアコースティックセットが入り交じる構成になってるんだけど、音が全部図太い。コレ基本ですよね。

{編集長}

そのトーリ!今や軽いサウンドは子供向けでしょ?ベースとドラムがしっかりタイトでラウドか!もちろんプログラミングとかは論外だね。ツマラン!

《メガネ》

おっしゃる通り、まずベースが図太くて(笑)バンドのボトムをしっかり支えてますよね。これ、トニーですよね?流石、今に至るまでボブを支えてるだけある!ドラムがローを出しすぎないセッティングにしてるからベースと混ざるとベストなバランスになってる。リズム隊のお手本みたいな音作りですよ。

{編集長}

さっきも言ったけれどベースとドラムでバンドの良し悪しは決まるんだよ。歌はもちろんだがそれと同じくらいリズム隊は重要だからさ!ギターやピアノみたいなウワモノはそんなに重要じゃあ無い。

《メガネ》

あなたいつもそう言いますな。でもギター弾きで歌手でしょ?

{編集長}

不用とは言ってないよ。「上物(ウワモノ)が大きく出てる音楽」って子供騙しなのよ。ジャズのトリオとか思い浮かべてよ。ピーターソンもエヴァンスも彼らのピアノ以外にリズム隊の音が名盤を作り上げているでしょ?ウエスもケッセルも!

《メガネ》

でもあなた、ボブのエレキも極上に気持ちいいクランチでカッコいいよ!これ、リードもガンガン弾いてるよね?ギター弾きなら憧れるのよ!

{編集長}

君ギター好きなのね?

《メガネ》

いやぁ〜 この人はやっぱりストラト似合いますね!ただ私的には表ジャケより裏ジャケの写真の方がカッコいいと思うけど(笑)。ギターを持っているのはイイ!ジョーカーウーマンのレビューでは「今回ギターも持つかも?」ってコトだし!

{編集長}

ギターって見栄えいいよなぁ(笑)

《メガネ》

「シルビオ」のゴキゲンなグルーブ!ここまでロールしてるボブって珍しい気がする。それ以降「痩せっぽちのバラッド」のゴツゴツとした音の感じとか、「追憶のハイウェイ61」の極太アメリカンロックなノリとか、全部バンドサウンドの王道!だけど、これが私のバンドでは出せないんだよなぁ……

{編集長}

おいおい君!ボブのバンドと君のバンドを一緒にしちゃいかんだろ!

《メガネ》

でもねぇ、やっぱりバンドマンはこういうのをお手本にしなきゃダメよね。聴いて聴いて聴き倒して…

{編集長}

まあソーいうことでしょ?お金出して買ってみたはいいものの「コレ何が良いんだ?」「ツカマサレタ〜」みたいな気持ちとなり「もったいないからもう一度聴こう…」みたいな流れ。気づいたら「血となり肉となっていた!」って具合。(笑)

《メガネ》

聴き放題とかじゃ得られないですね。

{編集長}

まあダメだな。スピードラーニングじゃねえんだから!(笑)

《メガネ》

Liveに戻します(笑)

{編集長}

おお。

《メガネ》

エレクトリックセットが凄く素晴らしいから甲乙付けがたいんだけど、このブートのハイライトは10分超えの「ブルーにこんがらがって」を含むアコースティックセットだと思いますな!

{編集長}

君バンド活動辞めるのか?

《メガネ》

辞めませんよ!「ブルー〜」も当然いいんだけど、「ハティ・キャロルのさみしい死」と「ホリス・ブラウンのバラッド」がイイ!もう、アコギの音もボブの声も抜群にハイロンサム!やはり、前回のボスのブートもそうだけど、アコースティックじゃないと出ない迫力ってあるんですよねぇ……

{編集長}

やっぱりバンド解散だろ?

《メガネ》

違いますって!あと「北国の少女」のアレンジ!原曲は私、ボブの曲の中でも1、2を争うレベルで好きな曲なんだけど、このライブでのカントリーに寄せたアレンジもいいですね!原曲は寂しさが際立つのが好きだったんだけど、このアレンジは明るさと寂しさが同居してる感じが別の良さを醸し出してると思うんです。

{編集長}

名曲って「どう料理しても名曲になる」のよね!ただし凄腕の料理人だけだけどな。ビートルズの「のっぽのサリー」や「ロックンロールミュージック」「マネー」なんてスコブル美味でしょ!

《メガネ》

あなたどうしてもビートルズの話に持っていくねえ。

{編集長}

俺ビートルズだから。まあボブで言えば「ローリン&タンブリン」なんてオリジナル以上にオリジナルだと思うぜ!マディへの愛が深く、音楽も進化させていると思うな。

《メガネ》

とにかくこのLive盤はボブが好きな人ならもちろん、満足の行く内容なんだけれど(笑)逆にボブを知らない人にも是非聴いてほしい!

{編集長}

デッドじゃないけれど、ボブもネバーエンディングツアー以降のLive盤で魅力が分かる人だと思うぜ!

《メガネ》

ボブってなにから聴けばいいのか難しいじゃない?もちろんどれも聴かないとダメなんだけど(笑)、物凄く多面的な人だから入り方によっては「好きじゃない」ってなっちゃう人も多いと思うんですよ。

{編集長}

なんか「フォークの神様」とか言われるべきじゃあ無いな…

《メガネ》

そーいう「アヤフヤ感がある人」にコレって凄くいいと思う。エレクトリックもアコースティックもパンチが効いてるし、近年のボブに通じるアメリカーナの要素もちゃんと感じ取れるから、もし、ボブを今回のツアーで初めて知ったって人がいたらこのブートは取っ掛かりとしてすごくいいと思う。

{編集長}

パンチが無きゃダメさ。

《メガネ》

選曲もバランスも実にいいし、観客もホットだし、ボブの音楽は決して「ややこしいもの」じゃなくて「楽しいもの」だってのがよく分かるんじゃないかな。

{編集長}

そう!音を楽しむ!それが音楽だろ?「音楽は慰めじゃなく、楽しみ」でなきゃならんよ!こんな閉塞感漂う時代において、今回の盤もボブ来日Liveも突破口になると思うぜ!

《メガネ》

コロナで来れない…なんてことが無きゃ良いですね。

{編集長}

コレばかりは「神のみぞ知る」だな。

 

《マシュメガネ対談》「辛口Live言いたい放題!」(ブルース・スプリングスティーン97年来日公演)

2020-02-06 12:42:00 | 編集長と副編集長の対談「マシュメガネ対談」

{編集長:Mash}

いやあ堂々と新企画をスタートさせたワケだけど、簡単にこの企画を紹介したいのよ。

〈ハウリンメガネ〉

そりゃそうでしょう。読んでる方に分からないといけない。

{編集長}

まあ俺たちRockはもちろん、色々な音楽を聴いて来て、自分たちのプレイにソイツを取り込んでいるわけで…その中でもやっぱり「Live音源やLive映像って、大変タメになった!」と思うんだよね。

〈メガネ〉

先代のプレイが有っての私たちですからねえ。

{編集長}

ソーいうこと!だからプレイヤーにも役立って、なおかつ作品としてリスナーさんも喜べる!そんな「Live系のブツ」なんかを君と一緒に紹介していこうと思ってね。2つの視点で語らられた方が丁寧だろ?

〈メガネ〉

で、今回のお題がボス(ブルース・スプリングスティーン)の97年ソロアコースティック来日公演のブート音源、それも四日間やったやつ全部(笑)、と。

{編集長}

そう!今も巷で「弾き語りミュージシャン」ってホント多いだろ?だから、「弾き語りの奥深さ」みたいな部分をボスから教えて頂こう!って感じだね。

〈メガネ〉

これが収録されたのが97年だから、私は中学……1年生か。この頃だと、私、まだエレキは手に入れてないですね。親父のお下がりのガットギターで一生懸命クリームの「サンシャイン・オブ・ユア・ラブ」を練習してた頃ですよ。「歪んだ音が出ねぇ」って思いながらね(笑)。

{編集長}

中1か!若けえなぁ!俺は全公演を生で観に行っているんだけれど、ホラ、この音源でも俺の歓声や掛け声が聴こえるだろ?過剰反応しているヤツ!アレが俺。

〈メガネ〉

あっ、やっぱり?(笑) 声似てるなぁとは思ってたんですが、ちゃっかりブート出演してるのね。4公演とも行ってたわけですか!

{編集長}

このずっと前に「Gold Wax」でボスを書いていたし、俺にとってボスは「ちょいと上のイカすお兄さん」的存在でね。凄く好きで影響も受けたんだ。

〈メガネ〉

私なんかスプリングスティーンのスの字も知らない頃じゃないかな…。ボスをちゃんと聴いたのは多分高校入るか入らんかぐらいで「ボーン・イン・ザ・USA」を聴いた気がする……でもそれも曲名だけ知ってて「名前がブルースってんだからブルージーに違いあるまい」って思い込みで買った気がするなぁ。結果的によかったんだけど(笑)。

{編集長}

俺はそれこそダイレクトに「ネブラスカ」「USA」を幼少期に聴いていたからね。ただ俺が本当にボスにKOされたのって「The Live」というレコード5枚組のヤツ!アレが強烈だったよ!俺がテレキャスに憧れ、使い続けているのもキースよりもボスの影響の方が強いな。

〈メガネ〉

いづれにせよLiveに強い人!ってイメージです。ところでこのツアー時に出た「ゴースト・オブ・トム・ジョード」はね、レイジ(アゲインスト・ザ・マシーン)がカバーしてるんですよ。トム・モレロはボスのライブにゲスト参加して「ゴースト〜」を弾いたりしてますよね。で、彼らのアレンジは原曲と全く違うって聞いたから、原曲を聴こうと思って後追いでアルバム買って、聴いた覚えもあるけど……正直言って記憶が薄い……

{編集長}

イイ作品だぞ!

〈メガネ〉

(笑) あなたには悪いけど私、ボスのスタジオ盤って大して思い入れ無いんですよ。「いいアメリカンロック」以上の印象がないんです。歌詞はまた別なんだけど…だって、ダイレクトな問題提起をここまで詩的にやれるのはボスしかいないでしょ。ボブとかジョンともまた違うしさ。でも、このアルバムはアコースティック主体だし、レイジ的な音を聴きたかった俺にはまだ早かったんですよねぇ……

{編集長}

ふーん

〈メガネ〉

ホラ、またそうやって不貞腐れる!

{編集長}

別に不貞腐れちゃいないよ。でも、さっき言った5枚組のLive盤はそれこそ俺が中1の頃に出たんだけれど、オープニングにピアノだけで歌われる「サンダーロード」が全てだったけどなぁ。

〈メガネ〉

まあまあ。あなたの「ボスは凄いぞ!」って言葉は嫌になるほど聞いて…

{編集長}

嫌になるなよ!

〈メガネ〉

確かにピンとこなかったんだけど、このブートCDでやっとわかった。俺はこう思ったんですね。「この人は損してる!」と!ボスの本領はやっぱりライブなんだね。こりゃ、実際に観るか、こうやって聴かんと分からんよ。ソフトな曲でもハードな曲でもオリジナルアルバムより、こっちの方が断然いいもの。特にこのブートはゴーストからの曲はほぼ全部やってるから!まあ、全公演4日分を網羅せにゃいかんけど(笑)、とにかくなんでこのノリでオリジナルに収録せんかったのか?って思うんですね。

{編集長}

分かってヨロシイ!

〈メガネ〉

この音源が面白かったからYouTubeでEストリートとやってる若い頃の動画も見てみたんですよ。78年の映像。「プローブ・イット・オールナイト」のイントロでボスがギターソロ弾いてるんだけど、むちゃくちゃギター上手いじゃない?リードギターとかクラプトンよりエモーショナルよ?「この人こんな上手かったんだ!?」ってびっくりしちゃった(笑)。

{編集長}

落ち着きたまえ!

〈メガネ〉

あとね、俺、この音源を聴いててマイケル・ヘッジスを思い出したんだよね。これ、ボス一人でしょ?だけど、多分ボディヒット入れてんだと思うんだけど、キックみたいなビートも聴こえるし、ギターのフレーズもバリエーション豊かだし、あと、一番凄いのはギターでのダイナミズムの付け方!小さな音からバチーン!とした音まで使い分けることで、一人でも一切単調さのないライブを演れてる。しかもその上で、歌ってハーモニカも吹くっちゅうさ。ハーモニカも上手いし(笑)。ある意味、俺の到達したいところをはっきり魅せてくれてる。「これ演りゃいいんじゃん!」っていう。弾き語りやる人間にはホント、教科書みたいなLiveだよ、これ。一人で演る、魅せる為のお手本が全部入ってる。

{編集長}

最初に言ったでしょ?弾き語りミュージシャンって日本でも物凄く多いのに、みんなジャンジャカ、ジャンジャカってストロークばかりで同じじゃない…残念だし勿体ない!って思う。ギターってもっと可能性ある楽器でしょ?実に勿体ない!

〈メガネ〉

このLive音源の収録が97年の1月末じゃないですか!んで、今、まあ、これが載るころには2月入ってるけど、このブートがあなたから届いたのが20年の1月末だ。だからあなたの言うとおり、23年の時を経て!日付を合わせて聴いてみたんですよ。

{編集長}

そう!それが気になったのよ!で、どうだった?

〈メガネ〉

あのね……面白いね(笑)!家に帰るだけなんだけど、ライブ行く気分になるんだよ(笑)。しかも、27、29、30、31日で一日間が空くじゃない?28日にね、妄想が膨らむのよ(笑)!

「一日間が空いたということはボスは観光ぐらいできたか?……ちょっとリラックスした感じになったりするのかな?いや、しっかり休養をとった上でさらに全開で来るかもしれん……!」って(笑)。

{編集長}

実は俺も同じ様に聴いてみたけれど、俺の場合観た思い出が邪魔をしてね。例えば一緒に行った当時の彼女や友人。この友人なんて途中でしっかりと寝てたからね!(笑)

〈メガネ〉

結論から言っちゃうと私としては初日の27日がベスト!ですな。この日が一番ロックしてると思う。二日目以降はちょっとずつリラックス感が出てきて、ボスの笑い声も日に日に増えていくんだけど、俺の中の「ブルース・スプリングスティーン」のイメージに一番近いのは初日の感じなんだよね。

{編集長}

ふむ。例えば?

〈メガネ〉

2曲目の「アトランティック・シティ」とか5曲目の「ダークネス・オン・ザ・エッジ・オブ・タウン」で一気に会場にブーストがかかる感じとかホント凄いし、6曲目の「ジョニー99」のイントロ前の汽車が来るような音とか完全にブルースマンの出す音だと思うんですよ!13曲目の「スペア・パーツ」のスライドもちょっとびっくりしたんですよね。だってライ・クーダーみたいなプレイしてるんだもん。この人、実はものすごーく過小評価されてるギタリストなんじゃないですかね?(笑)

「ボーン・イン・ザ・USA」は、あのサビの「ボーン!インザUSA!」が全く入らずにスライドであのサビを表現してるのにも驚いたなぁ。しかもそっちの方が俺としてはしっくりくるんですよ。もちろんあのオリジナルあってこそのアレンジなんだろうけど、曲のテーマ的にはこのツアーのアレンジが正解な気がするんですよね……

あと、後半、「ボビー・ジーン」から始まるアンコールのエモーショナルさは凄いですよね。最後の曲の「プロミスドランド」の静謐な世界から最後のギターの「パァァァンッ!」て音でパーフェクトにしめるところとか最高!

{編集長}

色々深く聴いて来たね!

〈メガネ〉

当たり前でしょ!あとこの日が一番音がいい気がするんですね。声もギターも抜群に太くて抜けてくるし、細かいところも聴き取れる。アナログでいうならラウドカットみたいな。もちろんアナログ派としては「CD?バカ抜かせ!アナログじゃあ!」と言い切りたいところだけど、こういうふうにCDでも太い音の作品もあるってことですよねぇ……全く沼が深い……(苦笑)。

{編集長}

テーパーによる隠し録りの場所にもよるけれど、確かに初日の音はイイね!臨場感も含め。

〈メガネ〉

二日目になるとさっきも言ったとおり、リラックス感がちょっと出てくるんですよね。日本語のMCが増えたりして、ボスがみんなを楽しませよう!って頑張って覚えてくれたりしたのかしら(笑)?

{編集長}

行った人間から言えば、やっぱり初日は盛り上がりに欠け、会場の緊張感が高過ぎたから、和ませに行ったのが以降のLiveだと思うね。

〈メガネ〉

初日も言ってるけど「レッド・ヘッデッド・ウーマン」の前に「コノウタハオトコトオンナノセクスノウタデス……トテモムズカシイ……笑」って毎回入れるでしょ?なんかね……この人はいい人だなぁ(笑)って思いますよね(笑)。でも基本的に「コノウタハコウイウウタデス」ってMCなところにボスの人柄が出てると思うんですよね。ちゃんと伝えようとしてるっていうか。2日目は割と初日のテンションとリラックス感がないまぜになってる感じなんだけど、3日目と4日目は会場を完全に自分のスペースに出来ている感じですよね。

{編集長}

実はこの日本ツアー時に会場でトムジュードの全曲訳が配られたんだよ。(最後の写真参照) だから「歌詞を分かって!」という思いもボス側にはあったんだよ!

〈メガネ〉

なるほど。3日目は全体を通して凄く安定して聴こえる。静かな曲に関しては3日目の方がいいっていう人もいるだろうけど…「アトランティック・シティ」とか激しめの曲がちょっとしっとりしてて……うーんでも、やっぱり俺は初日が好きだな……あ!でも「トゥー・ハーツ」は3日目が抜群にイイ(笑)!

{編集長}

ここまではボスも三戦して来たワケで集中していたと思う。でも会場は有楽町…東京国際フォーラムだったから、イスも良くてね。ホント、ぐっすりお休みしている人が沢山居たのよ…緊張感が高いからお客にとっては疲れるLiveでもあったんだね。お客にとって「ストレス発散型Live」では無いから…。ボス好きの俺でさえ連投で疲労感あったよ。もちろんコレは会場の水を打ったような緊張感によるものだけれどね。特に最終日は…。

〈メガネ〉

それでかなぁ?4日目はね、ごめんなさい。あんまりこれ!ってのがなかったんです……もちろんこの日にしかやってない曲、「マーダー・インコーポレーテッド」とか、「ハイウェイ・パトロールマン」とか、「ガルベストン・ベイ」とかはこの日しか聴けないんだけど、なんかね……ちょっと物足りない感が……なんでだろう?

{編集長}

さっきも言った様に、会場の空気がこの日も変わらずに重かったから、ボスも少し「今日で最後だ。頑張ろう!と思いプレイしたかもね。実際この日以降、日本はワールドツアーのスケジュールから外されているでしょ?

〈メガネ〉

でも、総評としては凄くいい!私の聴きたかったボスはこれ!って断言できる!特に初日は!……だけど、疑問も浮かんでくるんですよね。なんでこのノリをオリジナルアルバムにパッケージしないの?

俺としてはこのLiveツアーもそうだし、ライブ映像の音もそうだったけど、絶対Liveの方がいいと思うんだけど……ボスはどう考えてるんだろう……

まあ、こうやって考察できるのもブート音源の面白さですな。

{編集長}
結構真面目な人だと思うし、色々出来る分、スタジオで作り込んでしまうんだろうな。初期の作品はLive感があって俺は今でも大好きだよ!特に最初の2枚は素晴らしいゼ!もちろん「明日なき暴走」は若い時に聴かないと人生損をする…そんなアルバムだと思うぜ。

〈メガネ〉

そう言えばあなた、中1でエレキ弾いてました?

{編集長}

いや!アコだね。ヤマハのゴミ捨て場からゲットしたFG250!ただでさえ弦高が高いのに、ネック反り返っていてね…(笑) それこそ血を流しながら練習したもんだよ。

〈メガネ〉

練習?何を練習したんです?

{編集長}

ジェフベックの「ハイホーシルバーラーニング」!しかもギターソロのみ!

〈メガネ〉

……。

{編集長}

何で黙っちゃうのさ。君もクラプトン練習してたクセに!モテるだろ?ベック弾けたら!ジェフベックだぞ!

〈メガネ〉

モテるも何もジェフベック知ってても、その曲プレイして知ってた人います?

{編集長}

うっ…。そう言や今まで会ったこと無いな…

〈メガネ〉

…。というわけで。次回もよろしくお願いします。

{編集長}

何だ?この重苦しい終わり方は…。

〈メガネ〉

読者様、ぜひ次回もお楽しみに!

{編集長}

ここぞとばかり仕切るなぁ…。

〈メガネ〉

私の連載「ヴァイナル中毒」もよろしく!

{編集長}

……。

 
《メイン写真》
左: ハウリンメガネ
右: 編集長Mash
 
 

《編集長& Jerry's Guitarオーナー「Mash」筆》

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「新企画」を発表!今年は当ブログ、強烈にパワーup!しますヨ!

2020-01-24 12:40:02 | 編集長と副編集長の対談「マシュメガネ対談」

発表はいつも唐突だ!

この度、いつも書いて頂いている
音楽ライター「ハウリンメガネ」との
新連載、その詳細が決定したぞ!
 
先にもお伝えした通り
今以上にシングルレコードを熱く深く斬る
「爆音45回転 take2!」
の他にも、堂々ヤルコトとなったその企画とは?
その名も
「マシュメガネの音楽Live言いたい放題!」
 
私、編集長「マッシュ」と
この度、これを機に副編集長に抜擢された
(勝手に私が任命しておりますが… 悪しからず)
「ハウリンメガネ」による激深トークコラム!
 
内容は「音楽Live音源」や「音楽Live映像」が
「虫メガネよりも、よ〜く見える!」
というコンセプトで、Liveに焦点を当て
言いたい放題に語り尽くす!
そんな無茶苦茶な企画でR!
 
唐突さとは裏腹に、実はこの企画
早速「来月からスタート!」する次第。(笑)
 
カンの良い読者様なら
「この2人だと通常発売音源だけでは無いはず…」
とピン!と来ているコトでしょう!
 
そう!
「音楽に身も心も捧げた私たち…」
だからこそお送り出来る「激レア企画!」
になる事は間違い無し!
 
ぜひ期待してもらってイイぜ!
 
また、この他にも
「ハウリンメガネ」副編集長
とのコラボ企画を、私の独断と偏見で
続々と思案中!
 
今年は当ブログが大きく変わります!
お楽しみに!
 

《編集長& Jerry's Guitarオーナー「Mash」筆》

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