「音楽に対しての考え方が偏っている」
と言われるのを承知でこの新連載を始め、早速書く。
但し、音楽を『カラオケのネタ』『ストレスの発散』として聴く読者、そして「売れればイイ曲」と考える『セールス重視』の読者には圧倒的に不向きな連載と最初にお断りしておこう!
そして『ルックスも音楽のひとつ』と考える読者達にも、当然としてこの連載には「怒りを覚える」であろうから、この部分でページを閉じて頂きたい。
なぜなら、その様な人にとっては『音楽評論』など何の意味も成さないからだ。
この様な読者諸君なら「読んでいて不愉快になる」であろうから、やはり、ココまででページをお閉じ願いたい。
逆に『音楽を深く考察したい』『音楽自体から生きる力を貰っている』そんな積極的読者諸君ならきっと「なるほどねぇ~」と面白く読めるはずである。その様な読者なら、ココから先を読み進めて欲しい。
さて、そもそも俺は読者諸君もご存知の通り『ギターと共に生きて来た人間』なわけだから、ギターをはじめとした『生楽器が好き』なワケだよ。
『ロック』『ジャズ』『ブルース』そして専門外とは言え『クラシック』もよく聴く。
そうなると
『YOASOBI』の『アイドル』
みたいな曲の感じは到底好きにはなれない・・・のね。
「ヒット曲なんだから文句言うなよ!」という読者はどうぞページを閉じてくれ!「売れりゃ全部OK!」という考えに喰らい突くのが『評論』というモンであり、この連載では『作品(音と詩)についてのみ論じていく』。ちなみに俺は2人の名前もルックスもよく知らないし(メイン写真の『11月14日付け朝日新聞夕刊』にて初めて目にしたが・・・)、そんなものをネットで調べたりもしない。ソースはラジオで聴いた作品(曲)だけであり、それこそがココで言う『音楽評論』だと、お考え頂きたい。
言い放ち続けるが、もちろん多くの人が「あの曲を好きでいる」分には一向に構わん。そこを否定する気も更々ないし、『YOASOBI』自体を否定する気なんて毛頭ない・・・しかし、とにかく俺は『ひどく気持ち悪く感じる曲』なんだよ。聴くたびに毎回ね(苦笑)
まあ、俺は勉強の為にラジオを聴く習慣があってさ。色々な曲が雑多に流れる情報メディアとして、「ラジオって最高!」だと思っていてね。だから、あの曲も何度も耳にしているんだ。
でもその都度『気持ち悪く感じる』のね。で、その理由が『機械的な作曲方法と展開、伴奏、そして歌唱』なんだと思うんだ。ヒット曲なんだから文句言うなよ!という方はどうぞページを閉じてくれ!
まあこの曲において『クリエイターとして彼らは十分に有能』だとは思うし、『表現方法が新しい』ことは大いに認めるよ。その一方で『あそこまで受け入れてしまう大衆の不気味さ』も含めて『気持ち悪く感じてしまう俺』なんだよ。
俺は『音楽評論家』だから『音楽ライター』みたいに『音楽紹介だけをする』ワケにはいかない。
だからこそ、今日この曲を取り上げたのだが
「気持ち悪いのに取り上げて、あの曲を好いている読者を怒らせるなよ!」
と言いたい君もいるだろう。
しかし、君!ここからが重要だゾ!
俺は
「あの曲で一番重要な部分は歌詞なんだぜ!」
と、ココで宣言したいんだ。
ハッキリ言って
「秀逸な詩」である。
『業界内やアイドルを取り巻く状況と主人公の心情』
そこを上手く表現しており、実に素晴らしい!
改めて文字として起こしてある物を読んで頂きたい。
俺はこの様な
『問題意識に溢れた歌詞が大好きであり、非常に意義深いもの』
だと考えている。(聴き手自身にも当てはめられ感情移入出来る素晴らしい詩でもある)
だからこそ、なお更
『その詩を覆い被す様な曲作りとアレンジを残念に思う』
のだよ。
音楽における歌詞の重要性は
本紙連載中「Starman」の『ロックの言霊』
↓
https://blog.goo.ne.jp/12mash/e/0e9d14f98e19228f445ae800cc03f186
でも明らかだが、この『アイドル』の歌詞にも「人生を変える力がある!」と言えるだろう。
しかし曲と共に歌詞は流れて行き、残らない・・・ソコが俺としては非常に残念で仕方がないのである。
クリエイター側から見れば『潜在意識の奥底に詩が残ってくれている』ことを祈り、発表しているのだろうが、
『音楽というものは歌や曲に引っ張られてしまい、言葉は残りにくい』
特にこの曲調は尚更である。
作者は『サブリミナール効果を狙ってる』のであろうが、いかんせん曲が強過ぎて、詞が残らない。
だからこそ、裏方をも多く経験した俺は本紙でこの詩を注目させ、「少しでも読者諸君に読んで頂くことをオススメしたい」のだ。(著作権の関係で本紙にて掲載出来ないのは残念なのだが・・・)
正直言って詩を読むだけでも『素晴らしく文学性を秘めた作品』であり、俺個人としては『十分に感動的で、それでいて深く胸に刻まれる作品』である。
クリエイター自身が『この素晴らしい詩』を『あの曲調・歌い方』にし、世に問うた・・・その理由は十分に分かる。そう!その結果が世界中でのビッグセールスである。(曲先で詩は後乗せと思われるが)
前半では『曲の嫌いな部分』に触れ、後半では素晴らしい『詩の世界』に触れた。
ポピュラーミュージックとは
『音楽』と『文学』という
『2つの異なる芸術』を盛り込んだ
非情に稀有な表現方法であり、
その評価は両者から論じられて当然である。
その意味で言えば、この曲はその典型的作品として
『後世まで語られるべきポピュラーミュージックの名曲』
に成り得るのではないだろうか。
そんなことを2024年11月に俺は感じている・・・
今回はココまで!
《編集長& Jerry's Guitarオーナー「Mash」筆》
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