御機嫌よう読者諸賢、ハウリンメガネである。
火曜コラム『今週のハウリンメガネ』で書いた通り、キーボードにお熱真っ只中の私。
今回は実際に触ることで気付いた鍵盤の利便性についてツラツラと書かせていただく(以下、キーボードのことをピアノと記す。ピアニストの方には怒られそうだが……)。
まずピアノの白鍵はCメジャーダイアトニックスケール(及びその平行調のAナチュラルマイナーダイアトニックスケール)に特化された並びとなっている。
こう書くとややこしそうに見えるが、要は白鍵だけ弾けばドレミファソラシドが鳴るように並んでいるということ。
これ「何を今さら、当たり前じゃないか」と思わないで頂きたい。
この配列こそがピアノをシステマチックな楽器として成り立たせているのである。
C(ド)を基準とすると、白鍵の並びは左から右に
C(ド)、D(レ)、E(ミ)、F(ファ)、G(ソ)、A(ラ)、B(シ)
となる。
Cメジャーダイアトニックコードはこの7音だけで構成されている。
3和音でいうと、
C△(メジャー)ならC(ド)、E(ミ)、G(ソ)。
DmならD(レ)、F(ファ)、A(ラ)。
EmならE(ミ)、G(ソ)、B(シ)。
以下同様に、F△、G△、Am、Bdim、と続く。
そしてこの積み重ね方を白鍵上に並べると、綺麗に一つ飛ばしで並んでいることが分かる。
つまりピアノという楽器は白鍵だけを同じ指の形(同じ間隔)で押さえればC△、Dm、Em、F△、G△、Am、Bdimの7つのコードが弾けるように出来ているのである(なお、4和音のコードも同様の法則なので、CM7ならC、E、G、B。Dm7であればD、F、A、Cと同じように一つ飛ばしで積み重ねればよい)。
この7つのコードと並びはキーこそ違えど大変多くの曲で使われているので、この7つが鳴らせれば曲が弾けるのである(例えばみんな大好き「Let it be」もこのCメジャーダイアトニックで構成されているし、CメジャーキーでブルースをやるならC△、F△、G△が弾ければバッキングはできるのである)。
更に便利なことにこの基本形、C△でいうとC、E、Gの並びだが、これ、指をひとつふたつずらすだけで別のコードにできるのである。
Gだけ右に一つずらすとC、E、Aとなるが、これをAから並べるとA、C、Eとなり、これはAmコードである。
EとGを右に一つずらすとC、F、Aとなるが、これをFから並べるとF、A、Cとなり、これはF△コードである。
Cだけ左に一つずらすとB、E、Gとなり、これはEから並べるとE、G、BでEm。CとEを左に一つずらすとB、D、GでG△。
これ、要するにギターでもお馴染みのオンコード(A/CやF△/C)、転回形コードなのだが、ピアノだとこの転回形を積極的に使うことで手のポジション移動を少なく、かつ、音のつながりをスムーズにコードチェンジができるのである(以前編集長と鍵盤の話になった際に「鍵盤弾きの書く曲ってコードチェンジが多いんだよなぁ」という話題になったが、この指一つでコードチェンジできるという利便性の為ではないかと弾いていて気付いた)。
というように触れば触るほど鍵盤ならではの利点は多いことに気付かされたが、鍵盤で理解したことをギターに持ち込めば、さらに理解が深まるであろう予感をひしひしと感じている今日この頃なのであります。
というわけでまだしばらく鍵盤と格闘する日々は続く!
じゃまた次回!
<ハウリンメガネ筆>
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