8月18日、朝日新聞の読者の「声」、最初の投稿欄に
「旧統一教会との関係 説明を望む」
とある。岸田首相に、コロナ対応などと合わせ、自民党と旧統一教会の関係の説明を望む、というものである。確かに、首相に説明は望みたい。しかし、旧統一教会の問題で、説明が必要なのは、首相だけではない。この投稿を掲載すしている朝日新聞も、説明すべきことがある。それは、旧統一教会の問題を、安倍殺害後、旧統一教会が自ら記者会見するまで、この団体について、一切報道しなかった、その報道姿勢である。新聞・テレビは、それまで旧統一教会の名前すら出さなかったのである。一体、それは何故なのか。朝日新聞は首相に説明が必要だたという前に、自分たちの報道姿勢について、先に説明すべきだろう。
安倍晋三殺害後、犯人による供述で、旧統一教会の家庭を破壊させるほどの多額の「献金」がクローズアップされた。それは、「献金」というより、マインドコントロールによる収奪である。そして、安倍晋三がこの団体と繋がりがあることから、自民党を中心に、この団体との「濃厚接触」とも言える癒着ぶりが明らかになった。その結果、今では、(新聞より)テレビがこの問題を連日報道するようになったのである。しかし、もし安倍晋三殺害がなければ、この問題を主要メディアは取り上げることはなかっただろう。何しろ、かつてさかんに報道されていた「霊感商法」などの極めて悪質な行為を、この30年間、新聞もテレビもまったく触れることがなかったのである。安倍殺害後も、旧統一教会自ら記者会見するまでは、報道管制が敷かれているかのように、すべての新聞・テレビが「特定の宗教団体」という言葉を使い、分かっていながらその名前すら出さなかったのである。恐らくは、新聞・テレビは、旧統一教会が自ら記者会見しなければ、「特定の宗教団体」という言葉で、その後も押し通しただろう。
自分たちに都合の悪いことは、一切言及しない大手メディア
この新聞・テレビが旧統一教会問題を報道しなかった事実については、新聞・テレビ自体は、まったく言及していない。自分たちに都合の悪いことは、一切言及しない姿勢を貫いている。
しかし、旧統一教会問題を報道しなかった事実を、片岡亮、郷原信郎等のフリージャーナリスト、大手メディアを辞め、フリーになった元週刊朝日編集長山口一臣、鎮目博道等、多くのジャーナリストたちは、その事実を公にしている。
例えば、山口一臣と郷原信郎は、テレビ・新聞は安倍殺害当初から、この事件を「民主主義の危機とミスリード」し、安倍と「特定の宗教団体」との繋がりは、あたかも「犯人の思い込み」に過ぎないかのような報道をしたが、旧統一教会と自民党との密接な繋がりは、以前からメディア関係者の周知の事実であったと述べている(You Tube「日本の権力を斬る」)。つまり、意図的に、旧統一教会と自民党との密接な繋がりを、できれば隠そうとした疑いがあるということである。
また、片岡亮は、テレビ報道番組出演前に「内容に気をつけてほしいと渡されたリストに」「統一教会の名があった」、別の番組でも「統一教会の話を持ちだした途端、その話をするなら縁を切りますと絶縁され た、実話系雑誌からの依頼時にも編集者から「(統一)教会関係はいろいろ面倒なしがらみがあるので、そこは触れないでおきましょう」と言われたなど、「まさに(統一)教会のメディアへの圧力を体感した 」と書いている(「現代ビジネス」Yahooニュースに転載)。まさに、「長い間、統一教会の4文字はメディアの中でも不文律のタブーになってきた事実」があったと明かしている。
主要メディアで「不文律」ができた理由
この主要メディアで「不文律」ができた理由を、テレビプロデューサー・ライターの鎮目博道は、記者クラブ制に「根深い問題があった」という。権力に不都合な記事を書いて「記者クラブ出入り禁止などにされて、取材機会を失う危険性があるので、当局の意向に面と向かっては背きにくい側面 」があり、「忖度」が働いたというのである(「マネー現代」)。
上記の片岡亮は、「政府や警察、報道などにも信者が入り込んでいて、大きな資金を持つ巨大な力ともなっているので、怖いというより味方につけると得なのだろう」(同上)とメディア側は考えたのだという。
また、ルポルタージュ作成者の青沼 陽一郎は、統一教会はメディアに広告を載せており、一例として「テレ朝」サイト、Googleが請け負っていると記している(JBpress)。広告主にとって、都合の悪いことは報道を避ける、ということである。
いずれにして、旧統一教会と底なし沼のように「ズブズブ」な関係を築いていた権力を掌握している自民党にとっての都合の悪いことは、「触らぬ神に祟りなし」なので、主要メディアは完全に黙殺していた、ということである。
メディアが問題にしていれば、安倍元首相も殺害されなかった
旧統一教会の問題を主要メディアが報道していれば、さすがに、自民党も密接な関係を持つのを遠慮しただろう。安倍晋三も旧統一教会を支援するビデオを送るのを躊躇しただろう。安倍晋三の旧統一教会との「密接な関係」が出なければ、犯人は安倍晋三の殺害には至らなかっただろう。皮肉にも、安倍晋三にとっては、主要メディアの「忖度」が最悪な形で跳ね返ってきたのである。
「言論の自由」が聞いて呆れる
新聞・テレビは、中国の香港への言論弾圧には、香港の「言論の自由」を守れ、と連日連夜、報道した。特に、反中国報道が凄まじい朝日新聞は、さかんに中国非難を書き立てた。その朝日新聞も旧統一教会の悪質な行為を30年間記事にはしなかった。主要メディアには、事実上、旧統一教会の問題を公にする自由は、なかったのである。そして、その反省も未だまったくないのである。香港には「言論の自由」を! 日本には「言論の不自由」を! というのが主要メディアの姿勢なのである。
ここまでメディアに「忖度」される政権は、存在しない。(中国・ロシア等は、政権が強制しているので「忖度」ではない。)この政権に「忖度」するメディアが、自民党永久政権化の最大の貢献者である、と言っても過言ではない。
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