ブログ休止中にまとめた3冊目のアルバムは『冬の三瓶山』です。
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三瓶山は島根の名山で、標高こそ1,000m程の山ですが雪が降ると豪雪地帯の山へと姿を変えてしまう侮れない山なのです。
夏の時期には快適なハイキングコースなのですが、山陰特有のドカ雪に遭遇してしまうと身動きが取れなくなってしまうのです。
私がこの山行への参加を決めた時は、雪もない『穏やかな三瓶山』でした。
しかし、自然はシビアで突然豹変することがあります。
山に登る時にはあらゆる場面を想定し、最悪のケースでも最善の対策ができる装備で臨むのが常です。
担ぎ上げる荷物の重さには限度があるので、取捨選択し最終的に身に付ける装備とザックに詰め込む携行品を決めるのです。
命に関わる事ですから慎重になります。
冬山登山靴の他にアイゼンやピッケル、厳冬期用の手袋も買い揃えました。
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担いで歩ける荷物の重量と必要最低限の装備や荷物の鬩ぎ合いです。
私たちが出発する数日前、山陰地方は豪雪となり高速道路も通行止めが出て出発自体も危ぶまれました。
また、三瓶山の山レポも全く報告されなくなり、入山できるかどうかの情報もつかめないままの出発となったのでした。
現地に近づくにつれ道路脇に雪が見られるようになり、ついに雪を冠った三瓶山が目に入った時には心が弾んだものでした。
しかし、実際の雪山はやはり厳しいものでした。
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踏み跡もない雪の上に我々の足跡を残しながら山頂をめざしました。
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最初のピークを踏むのに予定の2倍以上の時間を要したために、周回する予定だった計画を変更し2つのピークハントで山を降りました。
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的確な判断だったと今も思っています。
白と黒の世界の中で腰まで雪にはまり込みながら前進した事…
雪の積もった急斜面をピッケルと腕で雪を押し付けながら登った事…
風の吹かない陽だまりで雪を踏みつけて座る場所をつくり、みんなで食べたカップ麺の味…
その全てが少年の頃の冒険のようでした。