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2月29日

日々の思いつき及び読書の感想

読書 井上勝生著『幕末・維新』(シリーズ日本近現代史①)(岩波新書)

2010-01-09 01:42:34 | 読書
本書では、江戸幕府によるペリー来航等の欧米との外交の再評価、江戸時代の民衆の訴訟活動が活発であった流れを受けた形の民衆による明治新政府(の重税及び徴兵)に対する激しい抗議運動(打ちこわし一揆等)などの紹介を通じて、従来の明治維新史観に対し見直しをせまっている。

高杉晋作の奇兵隊について、「身分解放を求める被差別民や抑圧から逃れる百姓を差別や抑圧から解放する組織」ではなかったが、「民衆をひきつけたのは事実」であった。しかし、「貧しい民衆が兵士になっているから、その軍隊が民衆的とは限らない。」。また、後進国の精鋭軍という性格から、多分に「民衆には強烈に抑圧的」であった。これは、奇兵隊に限らず、その後の明治政府の軍隊にも同じことがいえるのではないかと思う。そんな軍隊が、海外へ出兵すれば、現地の人に対してどのような対応をするのかはいうまでもない。
※上記引用はいずれも、140ページより。

なお、定評のある山川出版社から出ている『もういちど読む山川日本史』は、従来の維新史観だった記憶がある。高校生の教科書ベースのものだから仕方ない面もあるとは思いますが。
http://www.yamakawa.co.jp/gestsearch-1syosai.asp?id=59710405
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