本書は、読書前に西郷隆盛の生涯について検証する内容のものかと想像していたが、それは違い、なぜ西郷隆盛が多くの人々を惹きつけるのかという理由を、幕府側についた荘内藩の菅実秀などを通して、明らかにしていく。
西郷隆盛のファンはもちろん、明治維新前後の東北の歴史に関心がある人にも本書はお勧めします。
6月28日読了。 . . . 本文を読む
本書は、朝日ニューススターで放送されていた「西部すすむ・佐高信の学問のすすめ」での対談で取り上げられた九名を収録している。その九名とは、次のとおり。
一 田中角栄
二 毛沢東
三 三島由紀夫
四 チェ・ゲバラ
五 ジョン・F・ケネディ
六 親鸞
七 司馬遼太郎と松本清張
八 マイケル・サンデル
西部さんの「世界共産主義革命と言っていながら、世界のことは何も関心がない。知らない。知ろうとしない」( . . . 本文を読む
本書は、次のような前提条件(268ページ)のもとで、日本国が生きる道すじを提示している。
⑴ 中国が米国と同等の大国になる。
⑵ 米国は、日本ではなく、中国を東アジアで最重要国と考える。
⑶ 日本が国防費十倍の中国と軍事的に対抗することはない。
⑷ 米国は日本防衛のために、軍事力が接近した中国と軍事的に対決することはない。
日本の生きる道とは、東アジ . . . 本文を読む
今晩、首相官邸前で行われた大飯原発再稼働反対デモ。主催者発表では四万五千、警察発表だと一万一千の参加者であった。どちらにせよ、万単位の人々がネット情報だけで集まった。
既存のメディアが一番恐れていた事態なのかもしれない。 . . . 本文を読む
本書は、雑誌『G2』6号及び7号に掲載の「在特会の正体」を加筆などをしたものです(365ページ)。
在特会の代表や会員の素顔、同会に失望して離れていく者、同会のターゲットの拡大(被爆者団体、反原発運動、フジテレビなど)についての取材がなされている。
安田さんは、在特会とは何かとの質問には、「あなたの隣人ですよ」と答えるそうです(364ページ)。つまり、同会は「社会の一部」であると(同)。また、人々 . . . 本文を読む
本書によれば、「ポジティヴ・アクション」とは、「人種や性別などに由来する事実上の格差がある場合に、それを解消して実質的な平等を確保するための積極的格差是正措置」と定義されてる(iページ)。
本書の構成は、第一章で日本社会の状況、第二章で各国の対策、第三章にて多様な手段、第四章でポジティヴ・アクションの合憲性に関する論争、第五章日本社会の取るべく選択、最終章でポジティヴ・アクションの導入に必要な社会 . . . 本文を読む
本書は、「危機の克服策や政府の役割とともに消費税のあり方について検討を試みた」ものである(vページ)。
著書の立場は、「未曾有の危機の克服策を考える上で、セーフティーネットを強化するための財源として消費税の問題は避けて通れない」というものである(同ページ)。
その理由は、社会保障の強化のため、福祉の財源にふさわしい所得税を増税することはサラリーマンの抵抗が予想されるから、所得税と消費税との組み合わ . . . 本文を読む
本書は、タイトルのとおり、100日間の裁判の傍聴記である。北原さんは、裁判が始まる前まで、被告人のことを知らなかったという。しかし、女性の被告人に対して、通常であれば、「共感や同情」を「一切持たなかった」から、興味をもったともいう(5ページ)。
本書の構成は、裁判の流れにそって時系列になっている。また、単に裁判でわかったこと以外にも、現場(被告人の故郷や、被害者が亡くなっていた場所など)に行って取 . . . 本文を読む
本書は、「コンプライアンスを「社会の要請に応える」と捉え、その観点から検察の組織の在り方を考え直すことを通じて、あらゆる組織の在り方を根本から問い直す」試みである(11ページ)。
第1章では、郵便不正事件での検察の対応、第2章では検察が社会の信頼を失った原因の検討、第3章ではコンプライアンスの概念及び官公庁等の分野での当該概念の適用時の問題点、第4章では組織が危機に直面した場合の対応(「クライシス . . . 本文を読む
本書では、大澤さんが昨年の震災及び原発事故を契機として「考えたこと、考えさせられたこと、われわれ(の社会)について考えざるをえなかったこと」(263ページ)が書かれています。
例えば、今回の震災及び原発事故を、1995年の阪神淡路大震災及びオウム真理教によるサリン事件との比較、ジョン・ロールズの「正義論」を用いての哲学的観点からの考察、キリスト教を通じての宗教的観点からの考察などです。
また、本書 . . . 本文を読む