2月29日

日々の思いつき及び読書の感想

読書 日隅一雄著 『「主権者」は誰か』(岩波ブックレット)

2012-04-28 23:41:19 | 読書
日本国憲法前文には、「国を治める力」である主権が国民にあることが書かれている。 しかし、昨年の原発事故では、政府や東電から正しい情報が提供されず、多くの人々が避けられた多量の放射能被曝をし、自宅に帰れず、十分な保障を得ていない。そこで、「国民は主権者として振る舞うことができなかったのか」という問題の解決方法を、原発問題を通じて、検討するのが、本書の目的である。 主権が国民にあっても、それを知らな . . . 本文を読む

読書 宮崎学著 『談合文化論』(祥伝社)

2012-04-25 03:18:12 | 読書
本書で、著者の宮崎さんは、談合を「徳川時代まであったムラの自治にねざしたもので、自治を運営する自分たちの掟をつくり、それにもとづいて自己統治していくうえでおこなわれた構成員全員による話し合い」であるという(260ページ)。 明治時代以降は、官僚統制下での自治的な談合が行われていたが、田中角栄内閣以後、「談合は自治としての内実をその利権構造にほとんど吸収されてしまい」「癒着型談合への決定的な変質が起 . . . 本文を読む

読書 大野更紗著 『困ってるひと』(ポプラ社)

2012-04-23 03:16:50 | 読書
本書は、難病を併発している大学院生の難病難民生活の顛末記のようなものである。生まれは、東電福島原発事故の避難地域のすぐそばで、大学生になり都内に出てきて、いきなりビルマの難民問題と出会い、以後その勉強のため、現地に行くなどしていた。しかし、ある日発病し、難病のため、なかなか正しい診断がなされず、病状も好転しなかったが、ある病院で難病を併発していることがわかり、そこで9ヶ月間入院し、病院そばで一人暮 . . . 本文を読む

読書 大西巨人著『深淵(下)』(光文社文庫)

2012-04-21 01:20:01 | Weblog
下巻は、主人公麻田布満の記憶喪失12年間が明らかとなり、その間彼は秋山信馬であったことがわかった。 また、ある裁判で秋山の記憶が重要となったが、様々な記憶やメモ書きなどがそのときの行動が明確となったことから、被告主張のアリバイが成立せず敗訴となった。 そして、記憶喪失前に妻であった琴絵と、秋山であった時期に妻的な存在であった双葉子との「愛縁機縁」なる「生の根源的問題」が残り、その解決のため、まず琴 . . . 本文を読む

経産省前のハンガーストライキ

2012-04-17 22:32:48 | 社会(政治経済等)
本日から始まった経産省前のテント村での、ハンガーストライキ。これは、リレー方式で行われる。最長一週間で、最短は24時間だったと思う。リレー方式だから、誰かが常にいないといけないから、難しい。特に平日は志願者が少ないだろうから、長めのストライキにならなければよいが。 . . . 本文を読む

日隅一雄さんのサインをいただいた

2012-04-17 07:04:42 | 読書
先週の土曜日に、表参道にあるクレヨンハウスでの講演の講演者が日隅さんで、講演後のサイン会で、サインをいただいた。お体が大変なときに、1時間の講演と30分くらいの質疑応答の後、ほとんど休みなく、サイン会。いつも何十人もサインを求める人がいるので、とても大変なはずだが、そんなそぶりは見せずに、サインをされていた。 . . . 本文を読む

読書 日隅一雄著 『マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのか』(補訂版)(現代人文社)

2012-04-17 00:37:57 | 読書
著者は、大手新聞の記者であったこともある弁護士である。 本書は、「日本のマスメディアに課されたほかの先進国とは異質な制約」の紹介と、「マスコミがなぜ「マスゴミ」と呼ばれるような事態に至った」原因の説明がなされています(20から21ページ)。 米国のFCCのような独立行政委員会がないこと、クロスオーナーシップ(異業種メディアの所有)が禁止されていないこと(新聞とテレビの系列化)、広告一業者一社制度が . . . 本文を読む

読書 尾木直樹著 『教師格差』(角川oneテーマ21)

2012-04-12 00:36:23 | 読書
本書の著者は、尾木ママこと尾木直樹さん。本書の副題(ダメ教師はなぜ増えるか)のとおり、教師に焦点が当てられている。様々な問題(例えば、団塊世代の定年退職に伴う大量採用により採用倍率の大幅な低下)により、「教師力の低下」にストップをかけないと、「教員の質はガタ落ちになるばかり」なのは当然の結果となる。従って、「教育再生」ではなく、「教師再生」の方法を探るのが「緊急課題」となっていると、尾木さんは言う . . . 本文を読む

読書 永六輔著 『悪党諸君』(幻冬舎文庫)

2012-04-11 00:34:25 | 読書
本書は、1985年7月の笠松刑務所、1986年10月の京都刑務所、1992年12月の沖縄刑務所、1999年3月の笠松刑務所での講演、吉田勇吉さん、小森重三さん、海渡雄一弁護士との対談を収めている。 吉田さんの、「あたしは字が読めん人間です。字が読めんから字は信用しない。(中略)字が読める人間が増えて、勉強はするが約束は守らない。身体を張らないで、すぐだまそうとする」(203ページ)という言葉に強い . . . 本文を読む

読書 上杉隆+烏賀陽弘道著 『報道災害【原発編】』(幻冬舎新書)

2012-04-10 02:13:04 | 読書
本書は、震災後の原発に関する報道についての、上杉さんと烏賀陽(うがや)さんとの対談である。 烏賀陽さんによれば、本書のタイトルである「報道災害」とは、「報道が本来の役割・機能を果たさないことで国民の生命や財産に危機が及ぶ」こと(46ページ)である。その定義を受けて、上杉さんは、「今の日本の大手メディアがやっていることは広報でしかない。(中略)「広報です」と言ってくれれば、みんな「ああ、そうだよね。 . . . 本文を読む