本書は、2011年3月29日から9月2日まで内閣参与として福島第一原発事故に対応した著者によって書かれました。
著者は、福島第一原発事故をきっかけとして、いろいろな問題に直面することになるが、それらは「放射性廃棄物の問題」に行き着く。その廃棄物の問題は、従来将来の問題として真摯に検討されてこなかったが、「突如、逃げることのできない『現在の問題』になってしまった」という(4頁)。また、
「福島原発事故は、極めて深刻な事故であり、大きな危機をもたらしました。しかし、本当の危機はこれから始まります」(5頁)と警告する。
また、著者は福島第一原発事故が「最悪の最悪の事態」にならなかったので「我々は、運が良かった」と実感を述べている(252頁)。
そこまで言っても、「『原発を全部一挙に止めてしまう』ということは「過激なメッセージ」だという(226頁)。一方で、リスク・マネジメントの原則として、「最も厳しい仮定に立つ」こと、「最悪を考えて万全の対策を取る」こと及び「空振りの損失コストは覚悟する」ことをあげている(183頁)。これらの原則からいえば、すべての原発は即時停止し、順次廃炉作業を行うのが論理的な結論であって、原発を一部でも稼働させるのはそれこそ「過激」であり非現実的である。
このような考えを持つ原子力ムラには、明日はないだろう。
著者は、福島第一原発事故をきっかけとして、いろいろな問題に直面することになるが、それらは「放射性廃棄物の問題」に行き着く。その廃棄物の問題は、従来将来の問題として真摯に検討されてこなかったが、「突如、逃げることのできない『現在の問題』になってしまった」という(4頁)。また、
「福島原発事故は、極めて深刻な事故であり、大きな危機をもたらしました。しかし、本当の危機はこれから始まります」(5頁)と警告する。
また、著者は福島第一原発事故が「最悪の最悪の事態」にならなかったので「我々は、運が良かった」と実感を述べている(252頁)。
そこまで言っても、「『原発を全部一挙に止めてしまう』ということは「過激なメッセージ」だという(226頁)。一方で、リスク・マネジメントの原則として、「最も厳しい仮定に立つ」こと、「最悪を考えて万全の対策を取る」こと及び「空振りの損失コストは覚悟する」ことをあげている(183頁)。これらの原則からいえば、すべての原発は即時停止し、順次廃炉作業を行うのが論理的な結論であって、原発を一部でも稼働させるのはそれこそ「過激」であり非現実的である。
このような考えを持つ原子力ムラには、明日はないだろう。