本書は、「男性と男性性の多様性を捨象することなく把握する」という学問的課題に社会学の視点を含んだ立場から「男性」を考察している。第1章及び第2章は理論、第3章では「男性性」が仕事場への「包摂」と家庭や地域社会からの乖離が内包されていること、第4章で(定年後の男性の地域活動を検討することにより)男性性の変化可能性について論じ、第5章でオタクへの差別に関する分析を行い、最後の第6章で恋愛観と結婚観との変遷に着目しながら、日本社会の男性性の形態についての結論を述べている。
結局、男性学という学問の目的や存在理由がわからなかった。鎧のような窮屈な男性性からの男性の解放だろうか。私は、男性と女性を区別するものをぶっ壊すことの方が意義があるように思えるのだが。。