楽しいブログ生活

日々感じた心の軌跡と手作りの品々のコレクション

「山の音」読了

2010-11-28 23:08:57 | 季節の花
 
去年少し頂戴して生花にした木の実なんだけど、名前調べるの忘れてたな。
明日、また尋ねてみよう。
「山の音」、これも非常に読み易い本だったのだけど、時間がなかなか取れずやっと読了。
時代だろうか、60過ぎの男性を主人公に据えているが、まるで老人扱いである。
現在では平均寿命が延びた所為だろうか、それとも自分がその年齢に近い所為だろうか、まだまだ若い年代なのにと感じてしまうのは・・・。
一言で言って登場人物たちの階級が上層ということなのか、セリフが上品過ぎて淡々とした印象を受ける。
ただ彼らのいる世界の空気に雑味がなく、なめらかな感触の心地よい香味を味わえた気がする。
いろいろ問題を抱えた家庭なのだが、主人公の、不細工な妻の(亡くなった)美しい姉や、息子の(これも)美しい嫁に寄せる思いをずっと心に秘めて抱き続ける姿勢が勝手だなぁとは思っても、共感は出来るからである。
「美しゅうてなんぼ」というのは今も昔も変わらぬ真理の世界である。
殿谷さんが言ってた「怖い」という感想は、昭和の戦争体験者の癒えない心の傷が不毛の愛に向かわせる原因になっているとする深読みからのようで、「老い」の恐怖を指してはいなかったと思うのだが、いずれにしてもわたくしにはそうした感想は抱けなかったので、読みが浅いのかもしれない。
コメント
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