共和党のアメリカ救国宣言
3月1日から4日まで開催された共和党保守行動大会(CPAC)は、フロリダ州のデサンティス知事が参加しなかったのでトランプ支持会のようになった。しかしCPACの行動指針はトランプが8年にわたって受けた悪辣な政治的迫害への復讐ではなく、政府の機関が権力を武器として選挙に介入したことや、バイデンの独裁と国際汚職を容認する民主党DS(Deep State)のアメリカを改造して新しいアメリカを作ると言う「Save The Republic」救国宣言が主体となるようだ。
大会ではトランプが過去に受けた数々の迫害とFBI, DOJ(司法省)などの府機関が権力を悪用して二度も弾劾し、FBIの武装人員がトランプ別荘を急襲した事件、その他にもバイデン政権の数々の失敗を糾弾したが、他にも早々と2024年の選挙に出馬を宣言したニッキー・ヘイリーや、下院司法委員会のジョーダン委員長、クルース上院議員、ケビン・マッカーシー議員、ジョージア州で惜しくも知事選挙で惜敗したKari Lakeなどが講演した。
中でもKari Lakeはジュージア州のイカサマ選挙を不服としてマリコパ郡の選挙違法を最高裁に持ち込んでいる。しかも数日前には2020年の選挙でもマリコパ郡でトランプ圧勝をバイデン勝利に変更したイカサマ計票があったことが2年にわたる調査結果を発表したばかりである。2020年の大統領選挙でイカサマがあった証拠が初めて発表されたのである。
Kari LakeはCPAC大会に参加する数日前の朝、「ある人物から直面談で、金と社会的地位で彼女を2年の間政治から遠ざかるという買収提案を受けたと暴露した。
このある人物の提案とは高金額のサラリーと、某会社の顧問の地位を提供する代わりに、彼女が将来2年の間政治に関与しないことであると言う。しかもこの人物は金額の多寡に拘らない「Name your price」と言ったそうである。民主党の金銭政治と腐敗ぶりはこの事件でわかるが、彼女の他にもDSに買収された人物が過去に実在していたのかもしれない。
CPACの主題はトランプの再選と政権を取り戻すことではなく、新しいアメリカを作ることである。共和党多数の新国会で議会議長(Speaker)を務めるKevin McCarthy議員はCPAC大会で新しいアメリカを作り民主国家を取り戻すSave The Republicをスローガンとして講演した。Deep Stateアメリカの腐敗した政治を改造することは、以下の3点に要約される。
A. 政府権力を武器にした政府機関の摘発と人事、政治の改革
B. 金と権力の腐敗を改革し、政治家の汚職をなくす
C. 司法と秩序の回復、暴力と犯罪をなくす
マッカーシー議長の演説ではFBIとDOJその他の政府機関が2016年からずっとトランプ妨害を行なったこと、FBIの高級官僚が金銭と権力でメディアのトランプに有利なニュースを抑えたことなどを挙げて、このような政府機関は徹底的に改造しなければならないと述べた。
共和党の主張は決して政府を倒すのではなく、腐敗した政府を改造することである。国民の大半はFBIやDOJのトップが選挙に介入したことに義憤を感じている。だがこのような改革は大量の公務員の更迭が起きると期待している。しかし同時に政府の公務員を更迭すれば大量の高級公務員が職を失うことになり、彼らは改革に反対投票するから真の改革は困難である。国会ではすでに司法委員会と監督委員会がFBIの選挙介入の調査に入ったところだが国会の調査は慎重にすべきだ。
金と権力の腐敗を改善するといえば、真っ先にバイデン一家の国際汚職を徹底調査制なければならない。ところがバイデンは大統領なので民主党政権は調査を遅らせたり妨害したり、トランプ攻撃に話題をすり替えるので調査が進まない。民主党はバイデンの犯罪を知っていながら犯罪追及を捻じ曲げてトランプの犯罪追及でバイデン擁護に走る。政府自体が悪いことをしているなら誰がどうやって政府を改革出来るのか。今の共和党にできることは、下院の調査委員会で民主党DSの数々の悪行の調査を進め、摘発が期待するほど進展しなくても2024年の選挙で政権を取り戻し、真の改革に乗り出すことである。
「Save The Republic」はかなり強いスローガンである。2024年の選挙まで司法委員会と監督委員会の調査が続けばトランプが出馬しなくても勝てるはずだ。