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日本のテレビよ、さようなら(その2) 【連載】藤原雄介のちょっと寄り道㊲

2024-01-20 05:23:48 | 【連載】藤原雄介のちょっと寄り道

【連載】藤原雄介のちょっと寄り道㊲

日本のテレビよ、さようなら(その2)

日本


 

 先週、日頃感じている昨今のテレビ放送に関する不平不満を書き連ねたら、友人達から思いがけず大きな反響があった。

〈普段感じていたテレビ放送に対するモヤモヤとした鬱陶しさやいらだちの原因を言語化してくれてありがとう。すっきりした〉
〈テレビは視聴者をなめている。なんとか鉄槌を下せぬものか〉
〈甲高いヒステリックな声でがなり立てる通販の宣伝、なんとかならないか〉
〈夕方の天気予報に出てくるガチャピンやそらジロー等の着ぐるみが鬱陶しい〉
〈突然現れる韓流推しが不快である〉
〈BSに溢れる韓国ドラマ、いったい誰がみるのか〉
〈お笑い芸人の馬鹿騒ぎと食い物のことばかりのアホ番組。何故存続できているのだろうか〉 

 私の友人は、殆ど同年代のジジイが多いので、思うところは驚くほど似通っている。なるほど、ごもっとも。
 私は、褒められればすぐ調子に乗って木に登り、てっぺんから落ちてしまうような性格なので、もう少し、テレビの悪口を書いてみたい。

 上に挙げた事例、総て同感である。では、解決策はあるのか? ある! 
 簡単だ。不快なモノは、見なければ良いのだ。リモコン片手に、不愉快な画面、音が流れたら速攻で消音ボタンを押す、或いはチャンネルを変えれば良いだけの話だ。
 視聴率がさがれば、テレビ局も危機感を抱くであろう。若者のテレビ離れは、益々加速すると共に、テレビとの付き合い方も変化してきている。
 それを実証する興味深いデータを見つけた。動画配信サービスの1日当たりの平均利用時間(下のグラフ参照)である。

 ちなみに動画配信サービスには、AVODとSVODの2つがある。

①AVOD=TVerのような見逃し配信サービスで、途中で広告が配信される。
②SVOD=NetflixやAmazon Prime Videoのように月額契約をするサービスだ。

 

動画配信サービスの1日当たりの平均利用時間

(出所: ボストンコンサルティンググループ)

 

 グラフを見るとわかるが、若い世代ほど、リアルタイムでテレビを視聴する割合が低い。ちなみに私のテレビとの付き合い方は、ほぼ10代と同じだ。つまり、「好きな時間に、コマーシャルはスキップして、必要に応じて倍速再生、興味深い部分は戻して再生する」のである。

 情報番組やバラエティー番組で、つまらぬクイズを出して、「回答はコマーシャルの後で!」などとやっている。酷いときには2分以上も延々とコマーシャルが続く。
 今時、コマーシャルが終わるまで、じっと待っている様な辛抱強い人はいるのだろうか。私は、即チャンネルを変えて、コマーシャルが終わる頃(なんとなく勘で分かる)元のチャンネルに戻す。答えが分かっている時、虫の居所が悪い時には、「そんなにもったいぶるなら、見てやらないよ」とさっさと他のチャンネルに浮気する。
 テレビ番組のスポンサー企業は、そろそろテレビコマーシャルに期待するのを止めてもいいのではないか。単身世帯のテレビ保有率は10代では5割台後半、20代では7割弱と、若い世代ほど低い。
 勢い、コマーシャルは高齢者向けで紙おむつだのヒアルロン酸だの青汁だの葬儀社だのコラーゲンだのなんだか元気を吸い取られるようなモノばかりだ。

 ところで、NHKの『おはよう日本』のキーカラーはピンクだ。何故、ピンク色なのだろう。海外のニュース番組では、寒色を使うのが一般的だ。このピンク色を見ると、中国と韓国を連想してしまい、気になって仕方がない。
 下の画像をご覧いただきたい。ピンク色が中国と韓国で最も愛されている色だという事がよく分かる。そういえば、れいわ新撰組のイメージカラーもピンクだ。ま、全部偶然の一致だと思うが……。

 


 ▲ピンクも眩しいNHK『おはよう日本』


  
▲ピンクずくめの中国人観光客

 
▲金総書記に熱狂する北朝鮮の人々もピンクが目立つ

 
▲ピンクが大好きなKポップスター
 

「それ、日本語で良くない?」と思うことが多すぎる。
 例えば、「Jアラート」。総務省によると、「全国瞬時警報システムだという。
 弾道ミサイル情報、緊急地震速報、大津波警報など、対処に時間的余裕のない事態に関する情報を携帯電話等に配信される緊急速報メール、市町村防災行政無線等により、国から住民まで瞬時に伝達するシステム」のことらしい。
 
 しかし、「Jアラート」と聞いて、緊張感を覚えるだろうか。「全国瞬時(警戒)警報」で良いではないか。「ハザードマップ」も、「災害予測図」或いは「緊急避難地図」でなにが悪い。
 カタカナ語では、なんとなく分かったつもりになるだけだ。漢字なら直感的に伝わる緊張感が抜け落ちてしまう。テレビで、アクセント無しの平坦な発音で「リスキリング」と言う言葉を初めて聞いたときには、何のことか分からず焦った。
 後でRe-skilling(技能の再修得)の事だと後で理解したが、それなら文字情報として「技能の再修得(リ・スキリング=re-skilling)」と注釈を入れるべきではないか。
 
 ビジネスの世界でも、カタカナ語の氾濫が凄まじい。カタカナ後の怖いところは、なんとなく分かった気になってしまい、きちんと意味を探求しなくなってしまうことだ。
 カタカナのビジネス用語について面白いアンケート結果を見つけた。「意味がわからないカタカナ語はありますか?」という質問に対して、こんな回答が。

ある・・・216人(62.1%)
ない・・・18人(5.2%)
わからない・・・114人(32.8%)

 つまり、「ある」と答えた人が半数を超えているのだ。
 
 また、カタカナのビジネス用語の意味がわからなくて困った経験の有無については――

よくある・・・64人(29.6%)
ある・・・112人(51.9%)
ない・・・31人(14.4%)
わからない・・・9人(4.2%)

「よくある」「ある」を合わせると8割以上もの人が困った経験があるとのことだ。これは、大変な事態ではないか。私の周りを見回しても、カタカナ後の意味が分からないとき直ぐ調べる人は少数派だ。意味を正確に理解しないでカタカナ語を使い続けると、日本人の知的レベルは間違いなく低下する。

 かつて私の勤めていた会社のクアラルンプル(マレーシア)事務所にとても有能な秘書がいた。彼女は、英語、マレー語、広東語、北京語、そして片言の日本語を自在に操ることができた。
 周囲の人々は彼女の言語能力を称賛していたが、ある日、彼女は真剣な表情でぽつんとつぶやいた。「どの言語も中途半端で、物事を深く考える事ができない……」

 現代では、海外からやってくる新しい概念がとてつもなく多いので、総て漢字の熟語に翻訳するのは困難である。例えば、エッセンシャルワーカーやヤングケアラーなどは、日本語で言い換えるのは、とても難しい。
 だからといって、無自覚に消化不良のままカタカナ語が跋扈するのを放置しては大変なことになってしまう。
 最後に、もう一つ言いたい。日本語を勉強している外国人も、カタカナ語化された言葉の多くが原語の発音とほど遠く、混乱し戸惑うことが多いらしい。もっと日本語を大切にしたいものだ。

 

                             

 

 

  

【藤原雄介(ふじわら ゆうすけ)さんのプロフィール】
 昭和27(1952)年、大阪生まれ。大阪府立春日丘高校から京都外国語大学外国語学部イスパニア語学科に入学する。大学時代は探検部に所属するが、1年間休学してシベリア鉄道で渡欧。スペインのマドリード・コンプルテンセ大学で学びながら、休み中にバックパッカーとして欧州各国やモロッコ等をヒッチハイクする。大学卒業後の昭和51(1976)年、石川島播磨重工業株式会社(現IHI)に入社、一貫して海外営業・戦略畑を歩む。入社3年目に日墨政府交換留学制度でメキシコのプエブラ州立大学に1年間留学。その後、オランダ・アムステルダム、台北に駐在し、中国室長、IHI (HK) LTD.社長、海外営業戦略部長などを経て、IHIヨーロッパ(IHI Europe Ltd.) 社長としてロンドンに4年間駐在した。定年退職後、IHI環境エンジニアリング株式会社社長補佐としてバイオリアクターなどの東南アジア事業展開に従事。その後、新潟トランシス株式会社で香港国際空港の無人旅客搬送システム拡張工事のプロジェクトコーディネーターを務め、令和元(2019)年9月に同社を退職した。その間、公私合わせて58カ国を訪問。現在、白井市南山に在住し、環境保全団体グリーンレンジャー会長として活動する傍ら英語翻訳業を営む。


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