今回は、「穴開き共鳴管」のテストです。
「穴開き共鳴管」は、鈴木氏が多重共鳴管の一種として実験しています。
http://mcap.web.fc2.com/resonant.html
鈴木氏の目的としては、
「共鳴管の基本システムでは、長さL3の共鳴管1本だったのが、穴を途中に開けることにより、L1、L2といった共鳴管の効果も得られるようになります。」
とあるように、穴を開けることで共鳴周波数を変化させ、
単一共鳴管の弱点である「ディップ」を埋めることにあるようです。
一方、私の狙いとしては、
中低域のピークの元となる、5倍振動や7倍振動の
共鳴の「節」の位置に穴(気圧の逃げ道)を開け、
共鳴を減らすことです。
手段は似ていても、目的は微妙に異なっていますねw
さて、穴の大きさに関しては、小さすぎはダメなようで、
スピーカーユニットの実効振動面積の1/4位が穴の寸法
が良いとか。
結局、ユニット断面積の1/2位(共鳴管断面積の1/10以下?)
という穴を二箇所に開けることにしました。
下側の穴が、開口部から約36cm (235Hz,7倍振動の節)
上側の穴が、開口部から約53cm (160Hz,5倍振動の節)
になります。
それでは、測定です。
まずは、基本状態から
<<上:閉 下;閉>>
<軸上1m>
<ユニット近接>
<開口部>
注目して欲しいのは、各ピークの共鳴周波数です。
基本振動:50Hz (実効長:1.7m)
三倍振動:105Hz (実効長:2.4m)
五倍振動:165Hz (実効長:2.6m)
七倍振動:205Hz (実効長:2.9m?)
これは「開口部」の特性から読んだものですが、「ユニット近接」でのディップ位置も同様なので閉管共鳴音であるのは確かでしょう。
<<上:全開、 下;全開>>
<軸上1m>
<ユニット近接>
<開口部>
各ピークの共鳴周波数は・・・
基本振動:60Hz (実効長:1.4m)
三倍振動:115Hz (実効長:2.2m)
五倍振動:180Hz (実効長:2.4m)
七倍振動:205Hz (実効長:2.9m?)
これは「開口部」の特性から読んだもので、
全体的に共鳴周波数が(10Hz~15Hz程度)上昇しているのが分かります。
これは、管の途中に穴を開けたことで、実効共鳴管長さが短くなったためだと考えられます。
ただ、当初の狙いと違い、高次振動のピークディップは減少していません。
高次振動(200Hz付近)は安定な共鳴なのか、簡単には消せないようです…
一方、「軸上1m」を見ると『95Hz』に新たなピークが出来ているのが分かります。
よく見ると、95Hz付近には、「開口部」にピーク、「ユニット近接」にディップがそれぞれあるので、新たな共鳴(実効長2.7mの三倍振動?)であるのは間違い無さそうです。
しかし、穴を開けて(管を短くして)共鳴周波数が下がる(105Hz→95Hz)というのは余り理解できません。何らかの影響だと思うのですが、現状では不明です。
(もしかしたら、テーパー共鳴管というのが効いているかも?)
<<上:閉、 下;全開>>
<軸上1m>
<ユニット近接>
<開口部>
ちょっと分かりにくいのですが、
「軸上1m」での100Hz付近を見ると、違いが見えます。
「全開+全開」と「閉+閉」の中間的な特性になっているようです。
<<上:全開、 下;閉>>
<軸上1m>
<ユニット近接>
<開口部>
これも「軸上1m」で、100Hz付近のピークを確認すると、
「上;閉、 下:全開」より、「全開+全開」に近い特性になっていることが分かります。
つまり、穴の位置を変化させると、
「そこに節がある、○○振動だけが減った」というより、
「共鳴管全体の長さが変化した」という感じになるので、
より開口部から遠い位置の穴(長さ変化が大きい)の方が変化が大きいかったのだと考えられます。
<聴感特性>
聴感では、若干中低域がスッキリしたかな~という感じです。
もしかしたら、共鳴管長が短くなって、ユニット負荷が軽減された変化を聴き取ったのかもしれません。
「穴あけ共鳴管」は、鈴木氏の提唱した理論どおりの動作をしました。
ただ、鈴木氏は
「最低域に変化は無く、最低域より上の周波数帯の厚みが付加されるというプラスの効果だけがありました。」
としているのに対し、測定も聴感も異なる結果となりました。
この要因としては、今回の実験では、穴あけ位置が開口部と近接しているのが一つの要因だと思います。
そして、非常に急なテーパーがついた共鳴管であり、ユニット位置も共鳴管端ではなく複雑な共鳴状態となっているのが、結果を左右した可能性もあります。
とはいっても、
f特で一倍振動の周波数が上昇しているのが、個人的には微妙です。(聴感では分かりませんでしたが…)
やはり、シンプルな単一共鳴管の方が良いかな~という結論に至りました。
さて、これで試作6号機は終了です!
大量のデータを取ってくれた6号機に感謝感謝です。
時間があったら、「開口部にダクトをつけた共鳴管(バックロードバスレフ)(abo-x)」などにもチャレンジしてみたいのですが、
あの方式は他に有名な方々が実験されているので、急いでやる必要は無いでしょう。
(逆に言うと、いつかやってみたいとは思っています)
次回は、3.6mの音道で重低音再生に挑んだ
試作7号機です!!!
「穴開き共鳴管」は、鈴木氏が多重共鳴管の一種として実験しています。
http://mcap.web.fc2.com/resonant.html
鈴木氏の目的としては、
「共鳴管の基本システムでは、長さL3の共鳴管1本だったのが、穴を途中に開けることにより、L1、L2といった共鳴管の効果も得られるようになります。」
とあるように、穴を開けることで共鳴周波数を変化させ、
単一共鳴管の弱点である「ディップ」を埋めることにあるようです。
一方、私の狙いとしては、
中低域のピークの元となる、5倍振動や7倍振動の
共鳴の「節」の位置に穴(気圧の逃げ道)を開け、
共鳴を減らすことです。
手段は似ていても、目的は微妙に異なっていますねw
さて、穴の大きさに関しては、小さすぎはダメなようで、
スピーカーユニットの実効振動面積の1/4位が穴の寸法
が良いとか。
結局、ユニット断面積の1/2位(共鳴管断面積の1/10以下?)
という穴を二箇所に開けることにしました。
下側の穴が、開口部から約36cm (235Hz,7倍振動の節)
上側の穴が、開口部から約53cm (160Hz,5倍振動の節)
になります。
それでは、測定です。
まずは、基本状態から
<<上:閉 下;閉>>
<軸上1m>
<ユニット近接>
<開口部>
注目して欲しいのは、各ピークの共鳴周波数です。
基本振動:50Hz (実効長:1.7m)
三倍振動:105Hz (実効長:2.4m)
五倍振動:165Hz (実効長:2.6m)
七倍振動:205Hz (実効長:2.9m?)
これは「開口部」の特性から読んだものですが、「ユニット近接」でのディップ位置も同様なので閉管共鳴音であるのは確かでしょう。
<<上:全開、 下;全開>>
<軸上1m>
<ユニット近接>
<開口部>
各ピークの共鳴周波数は・・・
基本振動:60Hz (実効長:1.4m)
三倍振動:115Hz (実効長:2.2m)
五倍振動:180Hz (実効長:2.4m)
七倍振動:205Hz (実効長:2.9m?)
これは「開口部」の特性から読んだもので、
全体的に共鳴周波数が(10Hz~15Hz程度)上昇しているのが分かります。
これは、管の途中に穴を開けたことで、実効共鳴管長さが短くなったためだと考えられます。
ただ、当初の狙いと違い、高次振動のピークディップは減少していません。
高次振動(200Hz付近)は安定な共鳴なのか、簡単には消せないようです…
一方、「軸上1m」を見ると『95Hz』に新たなピークが出来ているのが分かります。
よく見ると、95Hz付近には、「開口部」にピーク、「ユニット近接」にディップがそれぞれあるので、新たな共鳴(実効長2.7mの三倍振動?)であるのは間違い無さそうです。
しかし、穴を開けて(管を短くして)共鳴周波数が下がる(105Hz→95Hz)というのは余り理解できません。何らかの影響だと思うのですが、現状では不明です。
(もしかしたら、テーパー共鳴管というのが効いているかも?)
<<上:閉、 下;全開>>
<軸上1m>
<ユニット近接>
<開口部>
ちょっと分かりにくいのですが、
「軸上1m」での100Hz付近を見ると、違いが見えます。
「全開+全開」と「閉+閉」の中間的な特性になっているようです。
<<上:全開、 下;閉>>
<軸上1m>
<ユニット近接>
<開口部>
これも「軸上1m」で、100Hz付近のピークを確認すると、
「上;閉、 下:全開」より、「全開+全開」に近い特性になっていることが分かります。
つまり、穴の位置を変化させると、
「そこに節がある、○○振動だけが減った」というより、
「共鳴管全体の長さが変化した」という感じになるので、
より開口部から遠い位置の穴(長さ変化が大きい)の方が変化が大きいかったのだと考えられます。
<聴感特性>
聴感では、若干中低域がスッキリしたかな~という感じです。
もしかしたら、共鳴管長が短くなって、ユニット負荷が軽減された変化を聴き取ったのかもしれません。
「穴あけ共鳴管」は、鈴木氏の提唱した理論どおりの動作をしました。
ただ、鈴木氏は
「最低域に変化は無く、最低域より上の周波数帯の厚みが付加されるというプラスの効果だけがありました。」
としているのに対し、測定も聴感も異なる結果となりました。
この要因としては、今回の実験では、穴あけ位置が開口部と近接しているのが一つの要因だと思います。
そして、非常に急なテーパーがついた共鳴管であり、ユニット位置も共鳴管端ではなく複雑な共鳴状態となっているのが、結果を左右した可能性もあります。
とはいっても、
f特で一倍振動の周波数が上昇しているのが、個人的には微妙です。(聴感では分かりませんでしたが…)
やはり、シンプルな単一共鳴管の方が良いかな~という結論に至りました。
さて、これで試作6号機は終了です!
大量のデータを取ってくれた6号機に感謝感謝です。
時間があったら、「開口部にダクトをつけた共鳴管(バックロードバスレフ)(abo-x)」などにもチャレンジしてみたいのですが、
あの方式は他に有名な方々が実験されているので、急いでやる必要は無いでしょう。
(逆に言うと、いつかやってみたいとは思っています)
次回は、3.6mの音道で重低音再生に挑んだ
試作7号機です!!!
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