オーディフィル公式ブログ (趣味の小部屋)

スピーカー工房「オーディフィル(AudiFill)」の公式ブログ。
リアルで心地よい音の【ひのきスピーカー】を製作中。

ALPINE DLS-108X の周波数特性測定

2011年06月19日 08時10分42秒 | オーディオ
2011年のミューズの方舟主催の自作スピーカーコンテストは、
「ALPINE DLS-108X 1発を使ったスピーカーシステム」
でした。

このユニット自体、あまり知名度が無い(とりあえずオーディオ界では)ので、
深く掘り下げてみようと思います。

まず、外観。

まるでFOSTEXユニット(ある意味当然なのですが・・・)のような、
大型のフェライトマグネットが特徴的です。
頑強なフレームを含めて考えると、
ペア1万5千円が安く見えてきます。

ちなみに、取り付け寸法はφ92mm~φ95mm程度なので、
FE103Enとほぼ同じですね。(写真はFE83Eとの比較)
ただ、フレーム幅が非常に狭いので、穴の広げすぎにはご注意ください・・・


ツイーターは2.7μFのBENNIC製品。クロス周波数は15kHzですね。
単品価格としては300円前後といったところでしょうか。
これがフレームにゴムっぽいもので固定されています。
ちなみに、不要ならば力ずくで引き剥がすことができますw


さて、気になる周波数特性を測定してみました。
箱は6.9Lの密閉箱に、吸音材を容量の半分ぐらい(ふんわりと)充填しています。
マイクはべリンガーECM8000、マイクアンプはローランドTRI-CAPTURE、測定ソフトはMySepakerです。


まずは、ウーハー部のみ(ネットワーク無し)
(軸上1m)
(軸上40cm)

素直な結果が出ている、軸上40cmの結果を見ると、
ドンシャリな特性に見えます。

低音域側は、本来45L密閉箱に入れるべきユニットなので、
f0、Q0ともに上昇した結果だと思います。

高音域は5kHz~12kHzに10dB近いピークがあります。
これは、軸上から離れた位置で聴くであろう、カーオーディオ用途を狙った設計だといえますね。

この状態で音楽を聴くと、良くできた街頭音響みたいなドンシャリ感のある音でした。高音域の強調感があるのでサ行は強いのですが、超高域が無いので透明感が無い・・・といった感じです。
このウーハーの高域共振(?)をいかに抑えるかがキモになりそうですね。


次は、ツイーター部。
まずは、付属の2.7μFのみを直列に接続します。(クロス15kHz)
(軸上1m)
(軸上40cm)
軸上1mの方が素直な結果になっていますね。
意外と10kHz以下まで漏れている感じはありますね・・・
超高域に関してはマイクの問題で、本来ならば70kHzまで出ているのでしょう。


次に、コンデンサを4.9μF(クロス8kHz)とすると・・・

思ったより特性は変わりませんが、クロス周波数を考えれば妥当な特性でしょう。
大きな凹凸はなく、f特上は優れたツイーターだと思います。


では、この二つを複合すると・・・
(ウーハー:スルー、ツイーター:2.7μF,15kHzクロス,逆相接続)

7kHz~18kHzに10dB以上のコブがあり、聴感上も見事なハイ上がりです。
仮に、ツイーターをアッテネーターで絞り込んでも、ウーハー部の5kHz~12kHzが見えてくるだけという感じです。(聴感、測定双方で確認済み)


ネットワークを制する者、2wayを制するといった感じになりそうですね!

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