オーディフィル公式ブログ (趣味の小部屋)

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新スピーカー設計[その2]

2010年03月07日 21時05分43秒 | オーディオ
さて、「田中式バックロード」の設計は上手くいったので、今度はオリジナル設計をしてみました。

図面公開の前に、2009年11月頃作製した前作の反省から。

<良かった点>
(1)音道を20cm区切りで広げていき、バックロードホーンとは思えないクセの少ない中低域を得た。
(2)スリムな本体のためか、音場・音像感に優れる。
(3)空気室に奥行きがあり(15cm程度)、中域に余裕感があった。
(4)空気室の形状が単純で、完成後に手を加えやすかった。

<悪かった点>
(5)ホーンのスロートの扁平率が高く(3cm×13cm)、低音不足に終始悩まされた。
 →スワン型のように、スロートを正方形に近づける
(6)空気室の直方体形状が、再生音に悪影響があった。吸音材では副作用が発生。
 →空気室は平行面を持たず、ホーンに上手く空気を流し込む形状が理想
(7)ユニット直下にホーン開口があり、音質に悪影響があった。
 →フロントバッフルは振動の通り道であり、不要振動がスムーズに床へ放出されるようにする
(8)ホーン長が不足しており、「ヨダレカケ」を追加した。
 →深々とした低音を再生するには2.5m以上のホーン長が必要そう
(9)本体横幅が狭く、設置上・音質上不安定だった。
 →横幅を広げる

<どちらとも言えない点>
(10)箱の塗装は、音質を若干しか変化させなかった。
 →ホーン内部まで塗装するべきか判断に迷う
(11)材質はラワン合板がベストだったのか。
 →針葉樹林合板の方が良いのか?少なくとも、ラワン合板は無難だと思う。
(12)10cmフルレンジに対して、板の厚み(部分的に30mm)は適当だったか
 →心地よく共振させることができれば、もっと薄くても良いのでは


そんな反省から、設計の概要を固めました。

(1)直管ではなく、コニカルに広がる管でホーンを構成し、より中低域のクセを減らす。平行面が出来る際は、一定の寸法が続かないようにする。
(3, 4, 6)空気室は平行面が少ないデザインとする。スロートに向けて、絞られていくようなデザインとし、空気の流れを考えて設計する。
(5)スロートは無理の無い範囲で正方形に近づける。
(7)フロントバッフルは単純な一枚板とし、ホーン開口は後面に。
(8)ホーン長を稼ぐ。長さは3m以上とする。
(2, 9)相反する要素なので、適度な横幅とする。また、奥行きを不必要に長くせず、設置制を考慮する。
(10, 11)とりあえず、ラワン合板を使用。ホーン内部は、塗装を予定。
(12)共振が分散するコニカルホーンなので、12mm厚を主体に構成できるはず。一部15mm厚とするが、部品点数も少なくする事で不要振動の蓄積防止を狙う。


とこんな感じ。長くなりましたが、これが今持っているノウハウの全てですw
次回は、その全体概要について書こうと思います。

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