今日は、オーディフィルが「なぜ ひのき材でスピーカーを作るのか」についてお話ししようと思います。
実はこのテーマ、過去にも何回かブログにしています。
思い立つ度に書いているのですね(笑)
2016年09月09日「桧でスピーカーを作る(前編)」
2016年09月11日「桧でスピーカーを作る(後編)」
2017年01月14日「桧でスピーカーを作るということ(前編)」
2017年01月15日「桧でスピーカーを作るということ(後編)」
2022年02月11日「[S-073] ひのきでスピーカーを作る理由(その1)」
2022年02月27日「[S-073] ひのきでスピーカーを作る理由(その2)」
ことの始まりは、「MDF」という材料への疑問でした。
店頭でもらってくるカタログを見ると、
いかにも素晴らしい材料のようにMDFが書かれています。
オーディオを始めた当初は、「MDFって凄いんだなぁ」と思っていました。
だって、どのメーカーのカタログにも「MDFで作りました!」って誇らしげに書いてあるのですから。
※当時は、パーティクルボードという材料と比較して、MDFがより高密度材料である、という意味で各社が宣伝していたものと思われます。
自作オーディオを始めるようになった頃も、
ホームセンターで買ってきたMDFやラワン合板で、
なんの疑問もなく作っていました。
最初の出会いは「シナアピトン合板」という材料でした。
当時、マキゾウクラフト(現在廃業)という木工業者さんが、音響用の高級材料として扱っていました。
シナアピトン合板で制作した「S-004(2007年)」
シナアピトン合板で作ったスピーカーの音を聴いて、驚愕。
ラワン合板とは全く違う、透明度が高く艶やかな音が出てきたのです。
これは、材料の影響がでかいのではないか!?
そう考えたカノン5Dは、片っ端から材木を集め、
試聴テストを行いました。
そうすると、MDFが意外とパッとしない。。。
市販スピーカーのMDF神話は何だったのか。。。
期待したのは、重くて硬い材料でした。
黒檀やマホガニー、桜、樺などの広葉樹です。
しかし、一番すごい音を聴かせてくれたのが、
「ひのき」だったのです。
軽くて、ふわふわしていて、一見頼りなさそうな材料でした(笑)
しかし、百聞は一見に如かず、いや、「百文は一聴に如かず」でしょうか。
目の前で鳴っている、力強く艶やかでありながら、美しさを持った音は、
ひのき材から出ている音でした。
そこから、カノン5D と「ひのき材」のコンビが始まりました。
最初はインシュレーターとして使っていましたが、
オーディフィルを起業した6年前に、悲願の「ひのきスピーカー」を作ることができたのです。
ひのき材といっても、長所だけではありません。
短所もいっぱいあって、何度も泣かされてきました(笑)
それでも、6年間コンビとしてやってきたカノン5Dだからこそ、
奏でられる「ひのきスピーカー」の音があると思っています。
ひのきスピーカーでの試行錯誤は、以下のブログにまとめています。
2022年03月12日「ひのきスピーカー設計 ~第一世代~」
2022年03月27日「ひのきスピーカー設計 ~第二世代~」
2022年04月24日「ひのきスピーカー設計 ~第三世代~①」
2022年06月08日「ひのきスピーカー設計 ~第三世代~②」
2022年7月には「SOLA Mk2」という
集大成といえるひのきスピーカーが完成しましたが、
カノン5D と ひのき材のコンビは現在進行形です。
日々新たな発見がありますし、より良い音を求めて試行錯誤をしています。
「ひのきスピーカー工房オーディフィル」の今後にご期待ください!
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