オーディフィル公式ブログ (趣味の小部屋)

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共鳴管ver6.0 (DLS-108X) の周波数特性 (コニカルホーンとexpホーン)

2011年09月25日 20時40分47秒 | オーディオ
先日、「ムーンライトRS(試作7号機)」の図面を公開しましたが、
先に、共鳴管実験に使っていた「試作6号機」の話をします。

「試作6号機」は、
ver1.0~ver5.0まで、様々な共鳴管を実験してきましたが、
そろそろネジ穴が限界のようです。
ボンドで板を固定する、最終形態(ver6.0)を作ることにしました。


そこで、ver4.0~4.2では、コニカルホーンだったものを、
エクスポネンシャルホーンに変更したver6.0を作製しました。


ver4.x(コニカルホーン)(詳細は9月2日~3日の日記)



ver6.0(エクスポネンシャルホーン)



エクスポネンシャルホーンは、コニカルホーン(ただの円錐形)と比べて、
音道の中央が若干絞られているのが特徴です。

理論的には、コニカルホーンより幅広い帯域を増強でき、
低音の伸びと、量感を両立できるのでは?と考えました。

ちなみに、この管を「広がり率」で表すとm=0.7となり、
一般的なバックロードホーン(m=0.85)より、若干小さめの広げ方になります。



それでは、周波数特性です。

ver6.0(ユニットは閉管端より 81cm) + DLS-108X)
<軸上1m>


<ユニット直近>


<開口部>




<f特考察>
ユニット位置が「ver4.x」とは異なるので比較しにくいのですが、
とりあえず、「ver4.2(ユニットは閉管端より 35cm) + DLS-108X」、(9月3日の日記参照)
と比較しましょう。

一見して、低域のピークディップが大きくなっています。
しかし、これは悲観すべき事ではなく、50Hz付近のレベルが増大していることを考えると、
共鳴管としての効率が大幅に上がっていることの結果だと捉えた方が良さそうです。

共鳴効率が上がっているのは、ユニット近接特性を見ても明らかで、
共振周波数に現れる「ディップ」が、より明確になっています。
(→振動板の運動エネルギーが、音響エネルギーに変換されている)

原因として、板の固定方法(ネジ→ボンド)や、ユニット位置の違いといった影響もありますが、
やはり、共鳴管形状の変化による為だと考えています。

しかし、共鳴周波数はver4.xと同じです。
ver1.x (8/21の日記参照) のような素直な共鳴(基音と倍音の関係)ではなく、
ver4.xと同じように、音域が下がるにつれて実効共鳴管長が短くなる傾向が確認できます。

振動モード:周波数(実効共鳴管長)
1倍振動:55Hz(1.55m)
3倍振動:110Hz(2.3m)
5倍振動:170Hz(2.5m)(← ver1.xと同等)

原因は分かりませんが、インピーダンスマッチングというより、
「先細りの形状自体」が何らかの形(気流抵抗など?)で影響しているのでは?と想像しています。


<視聴感想>
聴感では、余りver4.xと変化が無いように感じます。
超低音の揺らぎといった部分は少なく、量感重視の傾向でした。



今回までは、共鳴管の開口端が「上」に来るように設置して測定をしてきました。
それを反転させて、開口端が「下」に来るようにするとどうなるだろうか…(次回へ!)

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