オーディフィル公式ブログ (趣味の小部屋)

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「共鳴管付きバスレフ」の魅力再発見??

2012年04月29日 05時22分09秒 | オーディオ
先日試していた「共鳴管付きバスレフ」が微妙な結果だったので、
先週末は、普通のバスレフで遊んでいました。

今まで作ってきた「小箱」「大箱」の箱を流用します。



とりあえず、後ろ側のダクトは封印して、前面のダクトを付け替え可能としました。









全部塞げば密閉型ですね。



色々やってみたものの、余り良い結果は得られず。
ダクト面積が大きければ、変な音になるし、
ダクト面積が小さければ、バランスは取れるのですが、密閉型の低音不足が再発します。

普通のバスレフ型といえど、一筋縄ではいかないようですね(汗




迷った挙句、TangBandの10cmフルレンジW4-927SAを装着した大箱を、
『共鳴管付きバスレフ』へ。



そしたら、見事な量感と質感を伴った低音が出てきました!
クラッシックでも、JAZZでも、POPSでもズシンと沈み込んだ力感のある低音なのです。


そういえば、今までの共鳴管バスレフはALPINE DLS-108Xというユニットしか試しておらず、ユニットの差異は盲点でした。灯台下暗しというヤツですね。

シミュレーションで、ユニットの違いを確かめてみます。
ALPINE DLS-108X



TangBand W4-927SC (今回好結果が得られた)



モデルは、大箱(容量8.8L, 管長12cm, 断面積18cm2)です。

黒線は周波数特性(ダクト+ユニット)。
オレンジ線は周波数特性(ダクトのみ)、
ピンク線は周波数特性(ユニットのみ)、
水色線はインピーダンス特性になります。


今まで「共鳴管付きバスレフ」の原理は、
『ダクトの共鳴(ピンク矢印)』によって、共鳴管部が駆動され超重低音が放出される…と考えていました。

しかし、どちらのユニットでも『ダクト共鳴』の強さは大差なし(聴感上でも確認)にもかかわらず、TangBandだけ強い管共鳴が確認できたのです(聴感)。



シミュレーションを見ると、『インピーダンス特性』がユニットによって大きく違うのが分かります。
特に、低周波側のインピーダンスピーク(青矢印)の大きさが全く違います。


これは、ユニットとダクトが逆相になって動いている領域で、
通常のバスレフ方式では、打ち消されて音になりません。(水色矢印)
(そのため密閉型の方が低音が出る、と主張する人もいる)

しかし、これは振動板とダクト内部の空気が一緒になって共振している状態なので、
大きな運動エネルギー(?)を持っていることが想像できます。


「共鳴管付きバスレフ」は動作原理として
この領域の共振により管共鳴が励起され、超低音再生が可能になるのかもしれません。

そして、設計ではこのインピーダンスピーク(青矢印)が大きくなるようにバスレフ部を作る&ユニットを選定するのがコツなのかもしれません。

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