オーディフィル公式ブログ (趣味の小部屋)

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試作6号機ver1.01(共鳴管実験箱)の測定と、今までの自作スピーカー一斉試聴

2011年08月21日 09時14分52秒 | オーディオ
試作6号機ver1.01は、
断面積255cm^2(振動板の約5倍)、管の長さ 2.4m
の共鳴管の端にユニットを取り付けた構造です。



共鳴管の端(下図の赤矢印)にユニットを取り付けると、
全ての共鳴音が励起されるはずです。


本体の高さが140cmあるので、
その上端にユニットを付けると、かなり高い位置になってしまいます。

<写真左端が試作6号機ver1.01>



ここで、二種類のユニットで周波数特性を測定しました。
まず、10cm同軸2wayのDLS-108X。
Fs:120Hz Qts:0.8 Vas:1.3L Bl:4N/A M0:5.2g a:42mm

ただ、TSパラメータを見てのとおり、かなり特異なユニットです。

そこで、一般的な10cmフルレンジとして、
TangBand W4-927SA (W4-927SEの旧モデル。フレームのみの違い)
でも測定しました。公称能率は低めですが、振動板強度が弱いのか2kHz以上では93dB以上の音圧が出るユニットです。
Fs:70Hz Qts:0.58 Vas:7.47L 音圧:87dB M0:不明(Qms4.48, Qes0.66) a:約40mm(実測)



[試作6号機ver1.01×DLS-108X]
軸上1m

ユニット近接

開口部


[試作6号機ver1.01×W4-927SA]
軸上1m

ユニット近接

開口部


特性は見ての通りですが、
・完全な片閉管として動作している
ことが分かりますね。



さて、せっかくなので、今まで作ってきた自作スピーカーを一斉試聴してみようと思います。


[試作4号機×TangBand W4-927SA](写真右端)
DLS-108X用に作った箱でしたが、今回はW4-927SAに変更して試聴。空気室は約4Lに縮小してユニットとの適合を図った。
低音の量感、質感が素晴らしい。ユニットの駆動力とホーンの低音増強が、上手くマッチしたようだ。
一方で、60Hz以下への低音の伸びが不足している(ホーン広がり率が大きすぎる)、中高域の張り出し感がある(空気室容量が若干大きい)といった課題もある。このユニットは試作5号機の方が合いそう。


[試作5号機×DLS-108X]
明らかにホーンを駆動できてない。地の底から湧き出るような低音があるものの、ユニットと連動しておらず、制動が緩い。


[試作6号機ver1.01×DLS-108X]
低音量感は無いが、100Hzまでフラットなので帯域バランス感は良好。全域に渡って澄み切り感があり、「青天井」といった爽快感がある。


[ヘキサロード×FE83En]
去年作製した、ミューズの方舟コンテスト出品作。現在はサラウンド用スピーカーとして活躍中。
チューニングの上手さがあるが、あくまでも調味料的な味が強く、素材の音が出てこない。8cmの限界を超える設計ではないため、いくらFE83Enといえど、10cmユニットには適わない。そもそもf0=165Hzというのが高すぎるのだ。



今回の「6号機ver1.01」という型番ですが、
同じ設計の「ver1.0」はネジ止めが緩く1mm程度の隙間が出来てしまい共鳴が全く得られませんでした。共鳴とは微妙なものなのですね。

次回は、「共鳴の腹」の位置にユニットを設置した「ver1.1~1.3」の測定です。


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