「試作6号機は共鳴管にするぞぉ!」と意気込んだものの、
今まで共鳴管型スピーカーに興味が無かったので、
まずは下調べから…
今までバックロードホーンをやってきた身からすると、
共鳴管は、まるで「ドリフト走行」です。
バックロードホーンは、インピーダンスマッチングを目的としており、
いかに部屋の空気とユニット振動を一体化させるかを考えた箱です。
一方、箱と部屋の空気が完全に一体化してしまったら、
「管共鳴」自体起こらなくなってしまいます。
共鳴管方式は、ある程度の不一致を起こさせる事で「管共鳴」を起こし、
一方では、ある程度の一体化を狙うことで、その共鳴音で部屋の空気を動かしています。
では、現在の共鳴管はどのような作例があるか見てみます。
[長岡式]
あの「方舟」に置いてあった「ネッシー」に準じたものです。
http://www.hamakaze.jp/otoSPN2
管の長さは比較的長く、低音はダラ下がり特性を狙います。
管断面積は、ユニットの振動板の1.5~3.0倍に設定するようです。
長岡氏が好んで強力磁気回路軽量振動板フルレンジを使用した影響か、作例もそれに準じたものが多くあります。一方で、長岡氏は「非力なユニットを使ってもよい」と著書の中で述べています。
[小澤式]
MJに毎回寄稿している小澤隆久氏の設計方法です。
私の手元にある「無線と実験 2011年3月号」と「Stereo 2011年7月号」の記事を参考にすると…
基本的な方針は、長岡式と同じQWT型なのですが、各部に違いが見られます。
管の長さは、ユニットの周波数特性が-10dBになる周波数に管共鳴が来るように合わせます。stereo誌の作例では10cmウーハーに対し2.3m。
管断面積は、振動板の1~2.5倍と長岡式より若干小さめ。
ユニットは、バスレフ向けとされるフルレンジやウーハーが使われています。
極めつけは、吸音材の多さ。管の端1/6から1/2にかけて吸音材を充填するので、なんと管の1/3の体積を吸音材が占めることになります。
そのお陰で、周波数特性・群遅延特性は極めて優秀。一方で、吸音材過多の影響が見え隠れするようです…
[田中式]
現在、feastrex推奨エンクロージュア「やくの」として絶賛販売中の本機。
http://www.feastrex.jp/yakunointoro.html
http://www.nexyzbb.ne.jp/~tanbashikki/essay42.html
長岡式共鳴管の中間部を絞る事で、バックロード動作を併発させる形。
長岡式共鳴管の欠点とされる低音不足を、バックロード動作で補い、スピード感のある充実した超低音からのワイドレンジ再生と、ヌケの良い中高域を狙っています。
http://www.nexyzbb.ne.jp/~tanbashikki/essay41.html
推奨ユニットは、軽量振動板フルレンジといったところか。
[TQWT]
正直言って、この方式に対しては懐疑的なのですが、ネット上ではよく作例を見かけます。ちなみに、1949年にR.ネストが発表した由緒ある方式。
基本的な狙いとしては、
・テーパー付共鳴管による共鳴音の減少
・開口部ダクトによる共鳴音低減と、重低音再生
とのことなのですが…
まず、バックロード作りをやってきた私にとって、テーパーの広げ方が
音響管として急すぎるのが疑問点です。
そして、開口することで共鳴する共鳴管の端を塞いでいる。
ただ、成功例が多数報告されていることと、
私自身、開口塞ぎ共鳴管はLabo-xで体感しているので、
結果オーライなのでしょう。
このTQWTの派生形として
[林道式TQWT]
があるようです。
http://www2r.biglobe.ne.jp/~TSUKI/tmsr/tmsr021
注)PDFへの直リンク
違いとしては、完全なテーパー型の音響管を採用しており、
さらに、開口部を塞いでいない。
後者に対しては
「開口部を絞ったTQWTの音は単に「箱」に近づいただけで、TQWT特有の魅力が失われてしまうのである。」
http://www2r.biglobe.ne.jp/~TSUKI/tmsr/tmsr023a.pdf
と断言しているので、いわゆるTQWTと林道式の決定的な差異を見出すことができます。
さてさて、このように作例豊富(?)な共鳴管型なのですが、
明確な測定結果が少ない!!
共鳴管自体、理論で追いかける箱ではない事と、
長岡氏時代の1/3oct刻みの解像度の低い測定データがほとんどでした。
そこで試作6号機では、ネジを多用して再組立が容易な実験箱として、
徹底的に、周波数特性測定と、箱の微調整を繰り返してみようと思います。
今まで共鳴管型スピーカーに興味が無かったので、
まずは下調べから…
今までバックロードホーンをやってきた身からすると、
共鳴管は、まるで「ドリフト走行」です。
バックロードホーンは、インピーダンスマッチングを目的としており、
いかに部屋の空気とユニット振動を一体化させるかを考えた箱です。
一方、箱と部屋の空気が完全に一体化してしまったら、
「管共鳴」自体起こらなくなってしまいます。
共鳴管方式は、ある程度の不一致を起こさせる事で「管共鳴」を起こし、
一方では、ある程度の一体化を狙うことで、その共鳴音で部屋の空気を動かしています。
では、現在の共鳴管はどのような作例があるか見てみます。
[長岡式]
あの「方舟」に置いてあった「ネッシー」に準じたものです。
http://www.hamakaze.jp/otoSPN2
管の長さは比較的長く、低音はダラ下がり特性を狙います。
管断面積は、ユニットの振動板の1.5~3.0倍に設定するようです。
長岡氏が好んで強力磁気回路軽量振動板フルレンジを使用した影響か、作例もそれに準じたものが多くあります。一方で、長岡氏は「非力なユニットを使ってもよい」と著書の中で述べています。
[小澤式]
MJに毎回寄稿している小澤隆久氏の設計方法です。
私の手元にある「無線と実験 2011年3月号」と「Stereo 2011年7月号」の記事を参考にすると…
基本的な方針は、長岡式と同じQWT型なのですが、各部に違いが見られます。
管の長さは、ユニットの周波数特性が-10dBになる周波数に管共鳴が来るように合わせます。stereo誌の作例では10cmウーハーに対し2.3m。
管断面積は、振動板の1~2.5倍と長岡式より若干小さめ。
ユニットは、バスレフ向けとされるフルレンジやウーハーが使われています。
極めつけは、吸音材の多さ。管の端1/6から1/2にかけて吸音材を充填するので、なんと管の1/3の体積を吸音材が占めることになります。
そのお陰で、周波数特性・群遅延特性は極めて優秀。一方で、吸音材過多の影響が見え隠れするようです…
[田中式]
現在、feastrex推奨エンクロージュア「やくの」として絶賛販売中の本機。
http://www.feastrex.jp/yakunointoro.html
http://www.nexyzbb.ne.jp/~tanbashikki/essay42.html
長岡式共鳴管の中間部を絞る事で、バックロード動作を併発させる形。
長岡式共鳴管の欠点とされる低音不足を、バックロード動作で補い、スピード感のある充実した超低音からのワイドレンジ再生と、ヌケの良い中高域を狙っています。
http://www.nexyzbb.ne.jp/~tanbashikki/essay41.html
推奨ユニットは、軽量振動板フルレンジといったところか。
[TQWT]
正直言って、この方式に対しては懐疑的なのですが、ネット上ではよく作例を見かけます。ちなみに、1949年にR.ネストが発表した由緒ある方式。
基本的な狙いとしては、
・テーパー付共鳴管による共鳴音の減少
・開口部ダクトによる共鳴音低減と、重低音再生
とのことなのですが…
まず、バックロード作りをやってきた私にとって、テーパーの広げ方が
音響管として急すぎるのが疑問点です。
そして、開口することで共鳴する共鳴管の端を塞いでいる。
ただ、成功例が多数報告されていることと、
私自身、開口塞ぎ共鳴管はLabo-xで体感しているので、
結果オーライなのでしょう。
このTQWTの派生形として
[林道式TQWT]
があるようです。
http://www2r.biglobe.ne.jp/~TSUKI/tmsr/tmsr021
注)PDFへの直リンク
違いとしては、完全なテーパー型の音響管を採用しており、
さらに、開口部を塞いでいない。
後者に対しては
「開口部を絞ったTQWTの音は単に「箱」に近づいただけで、TQWT特有の魅力が失われてしまうのである。」
http://www2r.biglobe.ne.jp/~TSUKI/tmsr/tmsr023a.pdf
と断言しているので、いわゆるTQWTと林道式の決定的な差異を見出すことができます。
さてさて、このように作例豊富(?)な共鳴管型なのですが、
明確な測定結果が少ない!!
共鳴管自体、理論で追いかける箱ではない事と、
長岡氏時代の1/3oct刻みの解像度の低い測定データがほとんどでした。
そこで試作6号機では、ネジを多用して再組立が容易な実験箱として、
徹底的に、周波数特性測定と、箱の微調整を繰り返してみようと思います。
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