オーディフィル公式ブログ (趣味の小部屋)

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リアルで心地よい音の【ひのきスピーカー】を製作中。

feastrex試聴室へ行ってきました

2015年11月08日 21時40分15秒 | オーディオ訪問記(OFF会、店舗)
今日は、山梨にあるfeastrex(フィーストレックス)の試聴室に行ってきました。

最寄の穴山駅は、山梨甲府から電車で長野松本方面に向かって数駅のところにあります。
(特急の止まる韮崎駅も、大通りを通って試聴室へアクセスでき、関東から向かうときはオススメかもしれません。)



今回は、秋山社長に迎えに来て頂き、本社内の試聴室まで快適に行くことができました。お忙しいなか時間を作って下さり、感謝感謝です。


私がfeastrexのスピーカーを知ったのは大学生の頃。
八王子の家具屋横のログハウス(現在オーディオショップは閉鎖)で聴いたのが出会いでした。自作スピーカーを始めたばかりのカノン5Dにとって、feastrexのスピーカーは衝撃的なものでした。

それから、5年。社会人になり、懐事情も変わってきた(?)今となり、ようやく伺うことができました。



本社の一角を占める試聴室には、feastrexの大小様々なスピーカーが並んでいました。
再生系はfeastrexを鳴らすために研ぎ澄まされたものながら扱いやすく、ほぼ自由に聞かせていただくことに。

まずは、漆職人の田中氏作製の「やくの」から。
長岡ネッシーを連想させる本機には、美しい漆塗装がされています。



搭載されるユニットは、NF5-ex。
磁界の流れに基づく磁気回路は、実に美しい仕上がりです。feastrexの励磁型(電磁石搭載)ユニットの最廉価モデルながら風格充分です。



サウンドは、一般的なフルレンジの良さを持たせつつ、楽器のように豊かな響きを感じさせるものでした。共鳴管を用いた低音増幅を行う本機は、12cmフルレンジであっても音楽の低音再生は十分なものがありますした。

feastrexの特徴ともいえる励磁型は、現在では珍しい形式です。フェライトやアルニコと比べても遥かに透磁率が高い素材を電磁石で磁石化することで、優れた制動力に基づく浸透力のあるサウンドを得ることができます。


(許可を頂いて掲載しています)

特に、秋山氏のオススメは、磁気飽和しない励起電圧で使うことだとか。確かに試聴すると、磁気飽和させた状態(一般的なスピーカーもこっち)では、音が平面的になり、せっかくの教会録音の音楽も雰囲気台なしなのです。


この磁気回路に「バーメンジュール」を用いたのが、こちらの製品。



バスレフ型の存在感のあるキャビネット(奥行きは薄い)に、上級機となるD5e-TypeIIIが搭載されています。なお、このユニット重量は6.1Kgというモンスター級。

こちらは周波数レンジも広がり、一層透明度の高いサウンドを聴くことができました。楽器の解像度や音数の多さは、まさにハイエンドオーディオ級ですが、フルレンジならではの自然さも感じられ上級機に相応しいサウンドです。

これらのユニットに使われている振動板は、人間国宝の岩野市兵衛氏による手作りのもの。



一般的な紙コーン(パルプ原料)とは異なり、和紙は長繊維がランダムに分散しているのが特徴とのこと。



和紙といっても、頑強なもので手でちぎれないほどの強度があります。
ハサミで切り込みを入れて引き裂くと、長い繊維が複雑に絡み合っているのがよく分かります。先端素材ではありませんが、和紙は振動板素材の理想系かもしれません。
この伝統の和紙作りも、次の担い手に伝授されるとのことで、今後も振動板の供給体制は心配無用のようです。


ここで、一発、アニソンも聴いてみました。


「Key+Lia Best 2001-2010」から何曲か聞きましたが、最高級フルレンジならではのボーカルの瑞々しさは他では得難いものを感じることができました。さらに、奥行き表現が素晴らしく、実態感溢れるサウンドステージも印象的でしたね。


さて、ラストは9インチ(22cm)の口径をもつ試作ユニットの試聴です。
大きな本体からは、楽々と30~40Hz台の音が放出されます。まさに大型機に相応しいサウンドですね。



大口径フルレンジは、ビンテージなイメージが強いですがfeastrexは別物です。高域は十分に伸長し、先ほどの5インチ(12cm)口径とも張り合えるハイの伸びを持っています。本当に見た目と違うワイドレンジな音が出てくるので、不思議な感覚すら覚えます。

超弩級の磁気回路と軽い振動板の組合せは、和太鼓の再生で圧倒的なパフォーマンスを見せてくれました。ウーハーの重い重低音で現実とは掛け離れた和太鼓を奏でるオーディオが99%のなか、正にリアルな和太鼓サウンドを奏でているのがfeastrexの9インチでした。以前和太鼓を習っていたカノン5Dにとって嬉しい体験でした。

そんなユニットに対しても、厳しい目を向け、次なる改善を考えているという秋山氏。feastrexのスピーカーユニットは、常に進化を続けるとのことで、これからも楽しみなカノン5Dです。

他にも、沢山の面白いお話を聞くことができました。自宅から簡単に行ける距離ではないですが、またぜひ伺いたい場所になりました。秋山さんには、お忙しいなか駅まで送って頂き、無事帰路につくことができました。

- feastrex訪問記 完 -

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
たしかに、凄い (憂国の士)
2019-09-22 19:42:11
2~3回行きましたがフルレンジでこんな音が出るとは信じられなかった。
持参したのは演歌ですが、実に生々しい。
年金生活には高値の花
ヤフオクにも出ない。
当分、エレクトロボイスSP-8Bで我慢します、。
これも、今までに使ったイクスクルーシヴ、クオードESL、
YLよりも自然な音がするが、もっとすごいのはこの励磁式だな。
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