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ウーハーの矛盾

2020年09月26日 09時22分19秒 | ひのきスピーカー日誌
いよいよ秋らしい気候になってきましたね!
今日は、ひのきスピーカー日誌【0009回】をお届けします♪


ウーハーの矛盾

ウーハーの「振動板」は、「剛性が高い方が良い」というのが定説になっています。
大振幅で空気を押し出すウーハーの振動板は、頑丈なものが良いでしょう。

実際に聴いても、剛性の高い振動板を使ったウーハーは、
ダイナミックで深々とした低音を聴くことができます。



では、振動板の周囲にある「エッジ」はどうか。
これは「柔らかい」のが良いですよね。固いとウーハーが動けません。

経年劣化でエッジが固くなってしまった場合は、
軟化剤を塗って、レストアする方法が良く知られています。

エッジが柔らかく自在に変形することで、ウーハーは自由に振幅することができ、
歪を抑えたクリアな低音再生が可能になります。




さて、ここで矛盾が発生します。
「振動板」は固い方がいいのに、「エッジ」は柔らかい方が良い。
「エッジ」は振動すれば音を発するので「振動板」と考えられる。
「エッジ」(=「振動板」)は柔らかくても良いのか・・・?



例えば、全てが柔らかい素材で作られた「ソフトドームウーハー」があったとしたら、
余り良い結果を生まないのは明らかでしょう。

しかし、いざウーハー、さらにはサブウーハー用ユニットとなると、
これ見よがしに「巨大なエッジ」をもつ製品が多数あります。



振動板の最大変位を表すXmaxが大きいことを特徴にするタイプは、
先に述べたように、エッジが(構造上)柔らかいことが求められ、
どうしてもエッジの面積は大きくなりがちです。


こうした製品は、パラメーターは優秀でも、
実際の聴感では今一つ・・・ということを何度も体験してきました。

やはり、ウーハーの「エッジ」は振動板として機能するため、
エッジが柔らかいことは音質上のデメリットなのです。



では、エッジを固くすれば良いのか?
過去には「フィックスドエッジ」と呼ばれる固いエッジをもつウーハーもありましたが、
振動板の動きが制限されるため、40cm近い大口径でも、超低音域の伸びは限られたものでした。

家庭用スピーカーとして省スペース化と超低音再生の両立を狙うためには、
どうしても柔らかいエッジは欠かせません。


そうなると、妥協案を探すことになります。

エッジの占める面積を少なくすることで、
柔らかいエッジが音質に与える影響を軽減させる
のはどうでしょう?

例えば、同じ振幅を実現できるエッジの構造でも、
16cm口径より、40cm口径の方が、エッジの占める面積は相対的に小さくなります。



さらに言えば、
大口径ユニットは小さな変位で、同じ量の空気を押し出すことができるので、
エッジをより小さくすることができます。



以上のように、エッジと振動板の関係を考えると、
大口径ユニットが極めて有利に思えてきます。

しかし、まだまだ矛盾は続きまして、
大口径ウーハーにも避けがたい難点があるのです。


次回、続きを書こうと思います!









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2 コメント

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Unknown (マイクロ・トレーダー)
2020-09-28 11:16:40
大変興味深いテーマですね。ところで、フルレンジ・ユニットでも同じことが言えると思うのですが、今回、話をウーハーに限定したのはなぜ…?
返信する
コメントありがとうございます。 (カノン5D)
2020-09-28 19:00:34
マイクロトレーダーさん
コメントありがとうございます!
フルレンジユニットでも同じなのですが、中高域まで扱うフルレンジは「高剛性=良い」と一概に言えないこともあります。今回は、ピストンモーションが重要になるウーハーに限定し、特にサブウーハー用ユニットへの問題提起を中心に話を進めることにしました。
返信する

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