美濃加茂市長の無罪判決

　全国最年少市長である藤井浩人美濃加茂市長が行ったとされる贈収賄事件で名古屋地裁は、藤井被告に無罪を言い渡しました。

　この事件で藤井被告は、取り調べ当初から収賄を否認しており、一貫して無実を訴えていました。

　中部圏の各マスコミでは、この事件を大々的に取り上げて、全国最年少市長という知名度も含め、話題を集めてきました。

　さて、なぜ検察は無罪になるような贈収賄事件に取り組んできたのか・・・。

　大阪地検特捜部であった村木厚子さんの冤罪事件などで検察の地位が落ちていたことを話題性のある全国最年少市長の贈賄事件で取り戻そうとしたのか・・・。

　それとも、贈賄側が明確な証言をしているので取りあえず起訴して裁判に持ち込めば勝訴できると思ったのか？

　いずれにしても、検察が思った方向とは全く違った判決が出てしまったのは遺憾でしょう。

　ただ、贈賄側の中林受刑者は先に、巨額融資詐欺で取り調べを受けており「なるべく軽い処分を受けるため、捜査機関の関心をほかの重大事件に向けようと虚偽供述をした可能性がある」と裁判所が結論付けたように、検察側は一本のか細い糸を頼りに若い市長の罪を問おうとしていたのです。

　脇が甘いんだよね～。

　検察もいろんな人から事情を聞いて、それなりの捜査はしたんだろうけど、藤井市長が収賄したという確信は本当にあったんだろうか？

　上手くいけば一発逆転なんて発想はなかったか？

　人は、こんな風にして罪を着せられて行くんだということがよ～く分った事件でした。

　大阪地検特捜部のように証拠品を捏造してまで検察権力を守らなきゃいけないなんて、まったく困ったもんだね。

　自分たちの利権を守ろうとしたり、権力を守ろうとしたり、ねじまがった方法で自らを守ろうとしたって、結局はバレて、不信感を募らせてしまうのが世の常だということを見失ってしまう人たちのなんと多いことでしょうか。

　その頂点にいるのが政治家たちですね・・・。

　疑惑のある金を貰っても「知らなかった」「全額返した」「きちんと政治資金収支報告書に載せてある」などなど言い訳すればОＫ。

　ある閣僚なんか「私がどう言おうと、分らない人は分らない」と捨て台詞を残して官僚を辞任しちゃいました。

　辞任したら、国会では野党が何を言おうと追求されません。

　野党の議員も同じような金を受け取ってるんだから、始末が悪いよね。

　本当の意味で収賄している議員がザル法によって罪を免れている一方で、お金を貰ってないのに（たぶん）起訴されてしまう市長がいるんです。

　この日本の不合理な世の中を変えてくれる政治家はいなんもんでしょうか（いるわけないかぁ～）？