五輪エンブレム取り下げ問題

　佐野何某というデザイナーが作成した東京オリンピックのエンブレムがベルギーの劇場のロゴに酷似しているということでケチがつき、遂にデザイナー自身が取り下げるということで白紙撤回された。

　新国立競技場といい、エンブレムといい、２０２０年の東京オリンピックは招致段階から様々な嘘と誠が交錯した状態になっている。

　安倍さんが招致の際に「福島原発はしっかりと管理されている」と演説したのを皮切りに、オリンピックの周辺で「儲けること」しか考えていない守銭奴たちが蠢き、騒動を引き起こしている感じがする。

　こんな業界団体や政治家たちに踊らされて、世界に向けて「お・も・て・な・し」と訴えた滝川クリちゃんやアスリートたちが可哀想すぎる。

　エンブレムの発表後、ケチがついた佐野某というデザイナーのこれまでの作品にもたくさんの疑惑が噴出してきた。

　サントリーのエコバッグのデザインやエンブレム決定の決め手になった展開案の中にさえ、偽装デザインがあったというのだから始末に負えない。

　確かに、時間がなく「すぐに出せ」と言われた企画書を作る際に、クライアントに分りやすく説明するために、手っ取り早く類似の映像やデザイン画を用いることは、じいちゃんもやったことがある。

　しかし、それは絶対に表に出ないもので、本来だれにも迷惑がかからないはずだ。

　しかし、佐野氏の意思に反してアホな組織委員会の誰かが「エンブレム決定の決め手を広範囲に展開できる案があったことにして、この問題を回避しよう」なんてことを思いついたのが運のツキになってしまった。

　当初からこの展開案が出されていたとしたら、佐野氏はそれを公にされるとは思っていなかったんじゃないか。

　もしくは組織委員会から「すぐに展開案を出せ」と言われて大慌てで作ったもんだから、すぐ手に入る既存のデザインを拝借してしまったんだろう。

　こんなのすぐバレルのに・・・。

　佐野氏は自分から「取り下げ」を発表したが、間違いなく組織委員会からプレッシャーをかけられたんだろう。

　このエンブレムの撤回で数千万円のお金が無駄に使われてしまった。

　五輪のスポンサー企業を含めると、凄い金額になるんだろうね。

　企業もこれだけ問題のあるエンブレムを使い続ける訳にはいかなくて、広告代理店を通して組織委員会を脅したのは間違いないだろうし…。

　まあ、狭い世界で自分たちの利権を漁るためにやってた「新国立競技場建設」や「エンブレムの選定」が暗礁に乗り上げてしまったんだから、次は情報公開をしっかりとして、国民や世界の人たちからバカにされないようなものにしてほしいと切に願う。