大澤朝子の社労士事務所便り

山登りと江戸芸能を愛する女性社労士が、
労使トラブル、人事・労務問題の現場を本音で語ります。

◆国民「共通番号制」法案審議入り

2013年04月05日 00時47分36秒 | 国民共通番号制
社会保険労務士の大澤朝子です。

衆議院のHPを見ると、国民「共通番号制」が国会審議入り
と出ています。
法案は自公民賛成多数で成立する見込みとか(朝日新聞25.4.4)。

成立すると、雇用保険番号、年金番号も「共通番号」に変更
となり、失業保険も、医療機関にかかるときも、年金をもらうときも、
労災補償から給付を受けるときも、何もかも「共通番号」を見せて
受給することになります。
共通番号制が導入されれば、

・雇用保険番号を複数持っている(本人は知らない)
・年金番号を複数持っている(本人は知らない)

のような方々の番号(一生懸命払ったお金の山)は、
完全に宙に浮くことになります。

何故なら、本人のものと突合できなければ、
共通番号には組み込まれないからです。
組み込まれる番号は、ただ一つ。

雇用保険番号も、年金番号も、転職、婚姻、離縁などで、
ちゃんと手続されていない場合は、これまでの記録が
見捨てられていきます。

転職先で年金手帳を出さなかった人、
国民年金と厚生年金保険と両方の番号を持っている人は
要注意です。
雇用保険番号は、一人で複数持っていて、記録がつながっていない
人は大勢いらっしゃいます。但し、これは本人は知りません。

他人の番号を守ろうと気を張って手続きするような
奇特な人は、極く稀な社労士事務所くらいしかない、と
お考えいただいた方が宜しいでしょう。

番号の大切さなど誰も知らないでしょうし、
何も「問題」は起こらず、このまま共通番号制に
移行していくのでしょう。

共通番号制で、アメリカでは「他人になりすまし」詐欺犯罪で
年金を奪われるなどの被害が約5兆円出て社会問題となって
いるそうです(朝日25.4.4)。

さて、このブログのgooでも、3万件の不正アクセスの痕跡が
見つかったとか。さっそくパスワードの変更を促すメールが
届きました。

世の中、どうしたって不正の山、欲得の山。どんなにIT化等
社会文明が進化しても、不正行為をする人間の心までは
改善できないものです。

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