大澤朝子の社労士事務所便り

山登りと江戸芸能を愛する女性社労士が、
労使トラブル、人事・労務問題の現場を本音で語ります。

◆そこが知りたい。日本人は年金をいくらもらっている?

2013年01月26日 00時12分37秒 | 公的年金等
社会保険労務士の大澤朝子です。
(高齢になったら、どうやって食べていったらいいでしょう?) 
昔みたいに、大家族で、子が親の面倒をみていた時代と違い、
今は「現金」至上社会だから、お金がないと何も買えない、暮らせない。
リタイアしたら、頼れるのは公的年金だけ。

「みなさんは、いくら年金もらってるんですか?」と、
年金もらっている人に聞いてみたくはありませんか?

厚生労働省では、月次報告の他、年次報告でも「厚生年金保険」
現況を発表しています。
先頃、平成23年の確定値が発表になりましたので、ご紹介しましょう。
最初は、前置きが長いですから悪しからず。

★厚生年金保険に加入している人は何人?
男子 2,224万人、
女子 1,227万人(女子は男子の約半分か……)

★育児休業中の保険料を免除してもらっている人は何人?
男子900人、女子1万7千人(全国で、ですよ!)

※ 育児・介護休業法に基づき育児休業をしている間は、健康保険料も
厚生年金保険料も免除、すなわち、タダになるのです。

★厚生年金保険に加入している人の年齢層は?
一番少ない年齢層は、男子も女性も「19歳以下」で、それぞれ0.5%と0.6%
(高校出て就職し正社員等になっている人は、わずかこれだけ……)
男子で一番多い年齢層は、35歳~39歳で14.7%
女子で一番多い年齢層は、25歳~29歳で14.4%
(これらの年齢を中心に、ピラミッド型の年齢構成となっています)

★厚生年金保険に加入している人の賃金は?
男子 平均額345,700円
女子 平均額230,085円
(女子は、男子の6.6割……)

★厚生年金保険に加入している人のボーナスは?
男子 1回平均499,424円
女子 1回平均291,247円
(女子は、男子の5.8割……)

要するに、女子は、男子の給料等の「6割」どまりということ。
……話が道を逸れました。

★年金を受給している人は何人?
老齢年金 1,383万人(前年比43万人!増加)
障害年金   38万人
遺族年金  492万人(11万人!増加)

ん――、1年間で新たに年金をもらい始めた人は、実に54万人。
これだけの人が、各地の年金事務所に行って年金手続きをしたとは、
いやはや凄い、気が遠くなるようなお話。
それから、厚生年金保険等日本の公的年金には、老齢年金だけでなく、
障害年金や遺族年金もあるってことを知ってくださいね。

★だから、年金はいくらもらってるんですか?
これについては、ちょっと解説を付けなければならないでしょう。

まず、基本。
老齢年金は、2つの構成要素で成り立っています。
 報酬比例部分(理論上、厚生年金保険の老齢年金の部分に相当)
 定額又は基礎部分(理論上、国民年金の老齢年金の部分に相当)
このの両方もらえるのですが、受給開始は原則として65歳から。

しかし、日本企業の定年年齢は60歳が多いため、年金制度もそのあたりの
ことを考慮して、「おまけ」で、60歳~64歳までの期間のみ、だけを支給してくれています。
これも、だんだん支給開始年齢を遅らせていき、
61歳から、62歳から…となり、最終的にはなくなります。

さて、本題に入ります。
平成23年の統計では、まだ60歳~64歳までは全員がを受給し、
65歳からの両方を受給しています。
それでは、見てください。

60歳~64歳の人  80,509円(月額)
65歳以上     163,254円(月額)

どうですか?

先般、このブログでも、定年退職後の再雇用後の「最適賃金」
のお話をしましたが、60歳代前半の老齢年金受給者の給料は
何%くらい低下するのが理想? というお話のところで、
年金の平均額は約8万円だから……と書きましたが、その根拠と
なっているのです。

上の数字は、受給者の平均値ですので、給料額が平均より高い人、
厚生年金保険の加入期間が平均より長かった人は、数字を多く見積もって
見てください。

にほんブログ村 経営ブログ 中小企業社長へにほんブログ村

経営者様、人事労務部門様、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。
弊事務所は、初回ご相談無料です。
労務トラブル解決、社会保険ご質問は