『犬はいつも 足元にいて』 大森兄弟 著 2022.4.23 読了
中学生の男子の日常って感じのストーリー。親がしっかりしているせいか、大人びた言動なので、バカっぽくなくていい。
現実を悲観しないのはいいけど、父親があまり家にいない家庭だったからといって、両親が離婚したことに気づかなかったというところは不幸中の幸いかな?
親も親で、少し放任過ぎやしないか?といったところか。
父親が連れ帰った犬は、両親が離婚したあとはこの男の子が世話をしていたが、この犬がやたら忠義心が強く、飼い主の心の動きを読んで従う。羨ましいペットだ。以前、どこかの飼い犬のドーベルマンが近くの人を襲った事件があった気がするが、その犬もこんな感じだったのかな?と感じた。忠義は嬉しいが、何でも伝わるのは怖い。
ねちっこくつきまとう友人とのやり取りが続く。この友人がまた非常にバカっぽく、うんざりする。でも、いるんだよね、こういう性格の人間...
不思議な場面も出てくる。犬が掘りたがる林の奥の地面。出てくる肉の塊。そこで出会う老人...何を示唆するのか、そこが書かれていないのが思わせ振りで不完全燃焼。
初めて読んだ作家さんだが、次回は読むか思案中。