『薬指の標本』 小川 洋子 著 2022.8.19読了
次の二話からなる1冊。珠玉の2話だそうだ。
『薬指の標本』『六角形の小部屋』
なんというかな、現実ではあり得ない話である。1話めも標題と冒頭の一文でほんとに標本か...と、ホラーな展開を想像してしまった。
借りるときの一言が、『自分とは「怖い」っていうイメージが違うみたいだから』だったから増幅する。
てっきり人体の標本でも扱う小説かと思った。
読み進んでもそこまでじゃなかったから良かった😅
小川さんはお名前は知っていたが読んだことがなかった。ストーリーの作りがしっかりしている。
梨木香歩さんの書き方と似ているが、梨木さんほど迷宮に入らない。きっちりゴールを目指しているっていうのかな? 小説家の想像力に入り込まない感じでスッキリしていた。
迷宮に入る方は、3行読むのも苦労する。グルグル回ってもイメージが重ならなくなる。ついに飛ばしてしまうこともある😵
この本の2話はスッキリしていたから一気に読める感じ。不思議な世界を味わえる。