阿部ブログ

日々思うこと

イギリスの国防力削減 ~退役した海兵隊員の行方~

2012年04月05日 | 日記
イギリスは国家財政が逼迫している事から、イギリス陸海空3軍と国防省及び関連機関を含め今後5年をかけ定年退職など含め約3万2000人もの削減を行うとしている。

これは当ブログでも既報済みだが、退役した兵士の行方が気になっていた。

「イギリスの国防力見直しの概要」

「イギリスの国防力見直し~ドラスチックな兵力削減と核戦力の抜本的見直し~」

SASやSBSなどの特殊部隊員は、民間警備会社などに再就職が容易だろうが、他の兵士諸君はどうするのだろうか?
イギリス政府は、無為に兵士を民間に解き放つ訳ではないだろう。

イギリス国内だけでなく、世界を見渡せば傭兵や治安維持要員、海外の重要プラント警備などスキルある兵士を求めるエリアは多い。
イギリスの海兵隊の場合は、イギリスの民間警備会社 Protection Vessels International Ltd.(以下、PVI)は、250名の海兵隊員を雇用するという。

既にPVI社には750名の海兵隊出身の武装警備要員が所属しており、今回の増員を含めると1000名規模となる。
彼ら海兵は、主としてアデン湾周辺海域に出没する海賊からイギリス船籍の警備に当たる模様。成程、海兵隊員向きの仕事だ。

さて、海賊諸君は、アデン湾周辺からインド洋にも進出しており、貨物船の保険料が跳ね上がっている。これに武装警備要員を配置するとなるとそのコストは馬鹿にならないだろう。

因みに日本の海運会社はスリランカの警備会社に所属する武装警備員を配置すると言う。この警備会社には「解放の虎」と内戦を戦い抜いた元軍人がおり、コストはイギリスの半値以下と言う。

イギリスでは、武装警備要員の雇用ライセンスは、内務省が出すようだが、日本はどうなだろうか?
公海においては一部の例外を除いて旗国主義が適用され旗国による排他的管轄権があるので、問題なかろうが政府としては日本船籍の武装/非武装の警備状況を把握しておく必要はあるだろう。