阿部ブログ

日々思うこと

中国人民解放軍のサイバー部隊

2012年04月27日 | 日記

中国人民解放軍のサイバー部隊について知るには「プロジェクト2049」の「The Chinese People’s Liberation Army Signals Intelligence and Cyber Reconnaissance Infrastructure」(中国人民解放軍のシギントとサイバー偵察のインフラストラクチャー)を参照すると良い。
この報告書は、昨年2011年11月に発表されたもの。

さて「プロジェクト2049」(The Project 2049 Institute)は米国の研究機関でワシントンDCにある。
この研究所は、非在来型の安全保障に関する研究、特に中国研究を通じて今世紀の半ばまでに、アジアの安全保障を強化する方向へと政策立案者を導く様々な施策を実施する事を目的として2008年に設立された。

プロジェクト2049研究所の所長は、ランドール・シュライヴァー(Randall Schriver)で元東アジア太平洋担当国務次官補代理。
シュライバーは、2011年5月24日に米下院外交委員会のアジア太平洋小委員会において「日本の将来」と題した公聴会が開かれた際、藤崎一郎駐米大使(非公式ブリーフィング)、マイケル・グリーン戦略国際問題研究所(CSIS)上級顧問兼日本部長、ゴードン・フレイク「モーリーン・マイク・マンスフィールド財団事務局長」らと共に証言を行い、日米同盟の強化を訴えている。
因みにこの研究所の理事には、ヘリテージ財団アジア研究センター上級研究員のリサ・カーティスがいる。

今回の「中国人民解放軍のシギントとサイバー偵察のインフラストラクチャー」に関する報告書をとりまとめたのは、プロジェクト2049研究所の専務理事であるマーク・ストークス。
ストークスは、元々米空軍の情報部隊所属で、北京のアメリカ大使館武官、その後、国防総省国際安全保障局中国部長に就任している。対中国の情報活動を約20年以上の経歴があり、中国語のスキルは極めて高いと言われる中国専門家だ。

ストークスの他、元国防大学研究員のジェニー・リン、「チャイナ・ブリーフ」のラッセル・シャオが共同執筆者となっている。

さて中国人民解放軍のサイバー部隊の親玉は「総参謀部第三部」で総参謀部作戦部と同じ敷地にある施設に位置している。この総参謀部第三部の編制については、後日記述したい。

最後にあまり参考にならないが中国人民解放軍のサーバー戦について、米国連邦議会の米中経済安全保障検討委員会(U.S.-China Economic and Security Review Commission)が作成した2009年の報告書「2009 Report to Congress of the U.S.-China Economic and Security Review Commission」の169ページにある「Attribution of Responsibility for Cyber Attacks」から中国のサイバー戦についての記述がある。