随分前のブログにも書いた「船舶・港湾施設における環境対策とビジネスの可能性」であるが、国際海運に係わる船舶と港湾における温室効果ガス削減について、EUが国際的な議論を待たずにEU独自の地域規制の導入に動いている。
これに先立ち欧州連合(EU)の欧州委員会は2012年1月19日、船舶から排出される温室効果ガスの削減策について一般意見公募を行った。これはオンラインで4月12日まで実施された。
EUでは、すべての部門の温室効果ガス総排出量を2020年までに20%以上を削減する目標に掲げている。国際海運からの排出削減を含む国際協定が2011年末までに発行いなかったことから、前述の通り、欧州委員会はIMOでの議論を待たず、EU独自の地域規制を外航海運へ導入しようとしている。この独自地域規制は、国際航空分野に対しても2012年1月より適用するとしており、国際的な非難が巻き起こっている。
EUの独自地域規制に対し、当然の事ながら国土交通省は異を唱えている。これは正当な反論だ。
国際海運起源の温室効果ガス(GHG)排出量は5~10トンとされているが、国際海事機関(IMO)によれば.2007年の国際海運からの排出量は8.7億トンでこれは全世界のCO2 総排出量の2.7%に相当し、1990年当時はわずか4.5億トンだったので、ここ20年で倍近くに増加している事になる。ただこのまま推移すると2050年には2007年の2倍以上になると試算されている。
国際海運起源の温室効果ガス増加の理由は、国際的な荷動きの増加があり、排出量はほぼ荷動き量に比例していることが挙げられる。老朽船舶の解撤・代替等の効率向上要因はあるが、高速化の要求、コンテナ船の比率向上等の要因により、国際海運全体で見た原単位、即ち荷動きあたりのCO2 排出量には大きな変化は見られないのが現実である。
欧州委員会は、2009年1月28日の「コペンハーゲンでの包括合意へ向けて」(Towards a comprehensive climate change agreement in Copenhagen、COM(2009)39Finalと題したコミュニケにおいて、国際海運・航空部門に対して2020年までに2005年レベル以下を達成し、かつ2050年までに1990年レベルまでに低下させるとの野心的な目標を設定している。
これは、国際海事機関での議論や合意を得るプロセスなどをみるにつけ「此奴らじゃ駄目だ」と感じ、自分たちでどうにかしようと成るのは必然かもしれない。
また国際海運で問題となっているのが、船舶の排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)及び硫黄酸化物(SOx)である。
自動車もそうだが、EUではこれが問題視されている。国際条約であるマルポール 73/78 条約付属書Ⅵに基づき既に排出規制の取り組みが行われているが、規制値は、NOx 及びSOx の人体への直接的な影響のみを考慮しており、これらが大気中の光化学反応により酸化・粒子化し、ディーゼル粒子とともに粒子状物質(PM)として長距離を移流拡散し、地球環境、及び人体への直接的・間接的な影響にまで考慮されていない事に、EUは国際的な動きの鈍さに苛立ちを感じている事は間違いない。
しかし、国際海運は世界の貿易量のほとんどを担う極めて重要な物流の竜骨、背骨であり、船舶による大量・大規模な輸送手段を代替する手段を人類は持っていない。
陸続きの国の場合、鉄道・自動車またはパイプライン輸送があるだろうが、これは限定的でコストと、それこそ地球環境に深刻な影響を及ぼす輸送手段である。
荷動き量、即ちトンマイルで比較すると、国際海運の輸送量は単純に国際航空貨物の400倍を超えるのだ。これを忘れてはならない。
まあ、そうは言っても国際海運&航空に関する、1992年の気候変動枠組条約には記載されていない。しかし第1回締約国会議(COP1:1995 年)に国際輸送燃料の配分方法のオプションについて議論されており、国際輸送燃料起源の温室効果ガス排出量をどのように各国間で配分するかという点に集中した。
1996年には燃料払出量、荷主、発着地のオプションが検討されているが、1997年12月に策定された京都議定書第2条2項には、「附属書Ⅰに掲げる締約国は、国際民間航空機関及び国際海事機関を通じて活動することにより、航空機用及び船舶用の燃料からの温室効果ガスの排出の抑制又は削減を追求する」と記載された経緯がある。
しかし、EUが勝手に国際的な議論交渉の決着を待たずに、EU独自の地域規制に走るのは問題だ。
日本は先の大戦で輸送船が撃沈された末、敗戦に至った事を忘れてはならない。
アホな日本海軍など太平洋を逃げ回っている内に連合艦隊は消耗し消滅しているが、これらはある意味どうでもよい。
重要なのは我々国民が必要とする物資を運ぶ輸送船だ。国際海運で逃げる訳にはいかない事は、理解できるだろぅ、ん?
これに先立ち欧州連合(EU)の欧州委員会は2012年1月19日、船舶から排出される温室効果ガスの削減策について一般意見公募を行った。これはオンラインで4月12日まで実施された。
EUでは、すべての部門の温室効果ガス総排出量を2020年までに20%以上を削減する目標に掲げている。国際海運からの排出削減を含む国際協定が2011年末までに発行いなかったことから、前述の通り、欧州委員会はIMOでの議論を待たず、EU独自の地域規制を外航海運へ導入しようとしている。この独自地域規制は、国際航空分野に対しても2012年1月より適用するとしており、国際的な非難が巻き起こっている。
EUの独自地域規制に対し、当然の事ながら国土交通省は異を唱えている。これは正当な反論だ。
国際海運起源の温室効果ガス(GHG)排出量は5~10トンとされているが、国際海事機関(IMO)によれば.2007年の国際海運からの排出量は8.7億トンでこれは全世界のCO2 総排出量の2.7%に相当し、1990年当時はわずか4.5億トンだったので、ここ20年で倍近くに増加している事になる。ただこのまま推移すると2050年には2007年の2倍以上になると試算されている。
国際海運起源の温室効果ガス増加の理由は、国際的な荷動きの増加があり、排出量はほぼ荷動き量に比例していることが挙げられる。老朽船舶の解撤・代替等の効率向上要因はあるが、高速化の要求、コンテナ船の比率向上等の要因により、国際海運全体で見た原単位、即ち荷動きあたりのCO2 排出量には大きな変化は見られないのが現実である。
欧州委員会は、2009年1月28日の「コペンハーゲンでの包括合意へ向けて」(Towards a comprehensive climate change agreement in Copenhagen、COM(2009)39Finalと題したコミュニケにおいて、国際海運・航空部門に対して2020年までに2005年レベル以下を達成し、かつ2050年までに1990年レベルまでに低下させるとの野心的な目標を設定している。
これは、国際海事機関での議論や合意を得るプロセスなどをみるにつけ「此奴らじゃ駄目だ」と感じ、自分たちでどうにかしようと成るのは必然かもしれない。
また国際海運で問題となっているのが、船舶の排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)及び硫黄酸化物(SOx)である。
自動車もそうだが、EUではこれが問題視されている。国際条約であるマルポール 73/78 条約付属書Ⅵに基づき既に排出規制の取り組みが行われているが、規制値は、NOx 及びSOx の人体への直接的な影響のみを考慮しており、これらが大気中の光化学反応により酸化・粒子化し、ディーゼル粒子とともに粒子状物質(PM)として長距離を移流拡散し、地球環境、及び人体への直接的・間接的な影響にまで考慮されていない事に、EUは国際的な動きの鈍さに苛立ちを感じている事は間違いない。
しかし、国際海運は世界の貿易量のほとんどを担う極めて重要な物流の竜骨、背骨であり、船舶による大量・大規模な輸送手段を代替する手段を人類は持っていない。
陸続きの国の場合、鉄道・自動車またはパイプライン輸送があるだろうが、これは限定的でコストと、それこそ地球環境に深刻な影響を及ぼす輸送手段である。
荷動き量、即ちトンマイルで比較すると、国際海運の輸送量は単純に国際航空貨物の400倍を超えるのだ。これを忘れてはならない。
まあ、そうは言っても国際海運&航空に関する、1992年の気候変動枠組条約には記載されていない。しかし第1回締約国会議(COP1:1995 年)に国際輸送燃料の配分方法のオプションについて議論されており、国際輸送燃料起源の温室効果ガス排出量をどのように各国間で配分するかという点に集中した。
1996年には燃料払出量、荷主、発着地のオプションが検討されているが、1997年12月に策定された京都議定書第2条2項には、「附属書Ⅰに掲げる締約国は、国際民間航空機関及び国際海事機関を通じて活動することにより、航空機用及び船舶用の燃料からの温室効果ガスの排出の抑制又は削減を追求する」と記載された経緯がある。
しかし、EUが勝手に国際的な議論交渉の決着を待たずに、EU独自の地域規制に走るのは問題だ。
日本は先の大戦で輸送船が撃沈された末、敗戦に至った事を忘れてはならない。
アホな日本海軍など太平洋を逃げ回っている内に連合艦隊は消耗し消滅しているが、これらはある意味どうでもよい。
重要なのは我々国民が必要とする物資を運ぶ輸送船だ。国際海運で逃げる訳にはいかない事は、理解できるだろぅ、ん?