はい、なんだか良くわかりませんね。
ワカメしゃぶしゃぶなんです。
これは、春先にワカメ養殖場で、間引いてしまう小さいワカメ(これは春先にしか出ない)をしゃぶしゃぶで食べてみようというものです。
これがなかなか楽しい。
早捕りワカメ(こんな風に言ったりもする)は、加熱していないので、普通に売っている、塩蔵ワカメのように緑色をしているわけではない。
茶色である。
面倒なところは、この茶色のワカメを食べやすい大きさにカットするところ。しゃぶしゃぶっていうくらいだから、それなりにしゃぶしゃぶっぽい大きさじゃないとつまんないわけで、やたらと小さく刻んでしまうわけにはいかない。
でも、そのまんまでは、大きすぎる。いくら小さい早捕りワカメとはいえ、長さは優に50センチくらいはあり、巾だって広げれば40センチくらいはあるのだから。
何がワカメしゃぶしゃぶの醍醐味かというと、当然
しゃぶしゃぶ
である。箸でつまんで鍋に入れた瞬間、鮮やかな緑色に変化するのである。これがまた春っぽい。茶色のワカメが、緑色に変化するその様が、まさに「春」を連想させるのである。
しかしながら、ワカメと野菜のみのしゃぶしゃぶでは、何となく淋しい。というか、いくら何でもヘルシーすぎるし、若干ビンボー臭さが漂う。
いや別にビンボー臭くてもいいんだけど、やはり、動物性タンパク質がほしいところ。
で、豚肉である。
やはり、ワカメのさわやかさには、トリのさっぱりでもなく、牛のこってりでもなく、豚のこっぱり(造語)である。
でもまあそのさっぱりかこってりかこっぱりかさってりかはおいといて、豚とワカメの相性の良さは特筆すべきモノである。
早捕りワカメは、どうしても磯臭さが強い。普通の塩蔵ワカメや乾燥ワカメなどに比べると格段に磯臭いのだ。いや確かにこの磯臭さは、ある種のさわやかさというか、独特の季節感と爽快さを演出する。しかしながら、やっぱり磯臭いのだ。
そこに、豚を合わせる。
豚は若干、油臭い、というか、豚臭い。もちろん鶏はトリ臭いし、牛は牛臭い。
で、まあ、例えば、鶏の水炊きとか、すき焼きなんかは、やはりそれぞれ工夫がされている。
もちろん豚の鍋で代表的なのは常夜鍋(ほうれん草と豚肉の鍋ね)で、当然それは美味しい。しかし、ワカメと豚肉の組み合わせは、それとはまた別次元の美味しさを醸し出す。
ワカメの磯臭さと、豚の豚臭さが、お互いに戦って、不思議な調和を見せるのだ。そして、食感の組み合わせも「なんじゃこりゃ?」って感じなのである。
くにゅっとしたワカメと、しっかりした繊維の豚肉。
とりあえずローストかモモとか、油の少ない部分での妙。
バラはまだ試してないので、今後の課題。
是非ともお試しいただきたい一品である。